続きです。
< 艮金神 >
「柿木」は、冷水峠の北東の位置にあった。
彼らが熊襲退治をしている。
冷水峠の鬼門になる。
鬼門は丑寅の方角であり、ウシトラコンシン神、艮金神と言われる神がおられるとされる。
艮金神は、饒速日命。
饒速日命は高良神。
彼は、筑紫の国魂であり、筑紫神。
筑後国一之宮の高良大社の神。
筑紫神の名の由来は、悪神である「命尽くし」神。
元々は、シタクラツクシ坂(冷水峠)に出た、命を尽くす魔物のこと。
彼らは、それを退治する方の神であったのだ。
いつの間にか、伝承では退治した方が「筑紫神」となっていた。
艮金神も同じではないのか。
鬼門(ウシトラ)の方角に出た魔物を退治していた神。
いつの間にか、退治していた者がその名になった。
(*全部の魔物が北東に出たという意味ではない)
もうひとつ、天照宮の御祭神の中にもあった。
八十禍津日神。
八十は、たくさん、あらゆるという意味。
あらゆるわざわいの日の神。
これも同じだ。
彼は「退治する方」の神である。
では、あらゆるわざわいを祓った(退治した)日の神ということ。
筑紫神と艮金神と八十禍津日神。
彼らも同神であり、饒速日命を表す。
祓いをした神が、祓ったものの名になる。
これも言霊の力を求めての事。
一番近い言葉は、「封印」か。
名でも、相手を調伏する。
「命尽くし(筑紫)の神」の名は、退治した神(名の上)となり、封印される。
< 儺国 >
それで繋がりました。
魏志倭人伝の奴国。
な国は、儺国(なこく)。(「儺の国の星」の)
儺には、おにやらい(鬼祓い)の意味があります。
鬼がいない=神の国。
(小鳥遊=たかなし(鷹無し)と同じような)
「な」の言霊、(成る、為すなど、事象の先、できあがった=神)と同じです。
「な」には元々そういう意味(イメージ)があり、「な」から様々な言葉ができたのです。
儺国は、那珂川。
そこには住吉神の元宮、現人神社があります。
(「神話の郷 ~住吉の元宮・現人神社~」)
かの神は、饒速日命。
「鬼祓いをした神」の国。
それが、儺国であったのです。
(「神話の郷 ~高天原と禊の地~」)
( 熊襲はイルヰ )
熊襲は、まつろわない豪族だとされていますが、私は魔物(怪物)だと思います。
高良玉垂宮神秘書の「イルヰ(異類)」の言葉がそれを表しています。
羽白熊鷲は、羽があり人を攫う。
言葉通りの意味です。
また、神が関与するならば、相手は人ではありません。
(「二つの伝承 8 天照大神と豊受大神(五十猛命と甕依姫)~」)
今の世でも、霊障は確かに存在し、視える人は霊やその他の存在を視ています。
私も1度だけはっきり見ました。
確かにそういう存在はいます。
神や仏がおられるように、そういう存在もいるのです。
陰陽師や霊能者が、何を相手にして、何を祓ってきたのか。
それを考えると、絵空事ではないのです。
神功皇后は卑弥呼でした。
魏志倭人伝には「鬼道を事とし、能く衆を惑わす」とあります。
占いや神事で、民を導いていたと伝えられています。
鬼道とはそれだけではありません。
彼女らは、確かに「それら」と対峙していたのです。
レイラインや山での神事の意味など、「イルヰ」の存在なしでは解明できないでしょう。
記紀などでの話からでは、常識が邪魔をして真実に決してたどり着けません。
でも、地元の伝承や神社を追うと多くのものが見えてきます。
「儺の国の星」真鍋大覚氏 著
(「儺の国の星」)
「箸墓の歌」小椋一葉氏 著
「(箸墓の歌」と”くしふるたけ” その2)」
「神社仏閣に隠された 古代史の謎」関裕二氏 著
「(「古代史の謎」 1 ~大嘗祭~」)
これらは、私自身が調べたり感じていたこと、そのままが書かれていました。
これらの本は、土地や神社の伝承から探求されたものであり、真実に一番近いと思います。
伝承や神社の縁起はすべてが真実では無いですが、「真実を示唆」しているのです。
そこからたどり着いた彼らの姿。
様々に名を替えられた彼らは、イルヰと対峙していたのです。
ココログで彼らを追った先に、ある神社の伝承に出会いました。
まるで答え合わせをしているかのような。
(つづく)
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彼は饒速日命。
彼女はその后の御炊く屋姫。
二人は確かに大和で出会っている。
しかし、彼女は宗像神(市杵島姫命)であり、彼は高良神。
二柱とも、筑紫の神だ。
北部九州から先のことが、神功皇后と高良神(住吉神)として伝えられているようだ。
高良神を祀る、高良大社の伝承の「イルヰ」は異類。
”人でないもの”。
住吉の元宮、現人神社の伝承には、「国の大事の時、再び現れる神」とある。
(下の記事につづく)
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