
P12本書引用
どの国にも、障害のある物乞いはいた。盲人、ろうあ者、手足の欠損者、ハンセン病や象皮病を患ったもの、あらゆる種類の障害者が路上に座り込み手を出し慈悲を乞うていた。
石井氏が出会ったベトナムの物乞い達は、常に歩き回らなければならなかったそうです(定位置にいると追い払われる)。 ある物乞いの少年は、人を見れば近づいて金をねだります。勿論怒鳴り散らされるばかりで、小銭を恵んでくれるのは数十人に1人~100人に1人ですが、少年は村に残してきた弟を学校に行かせるために飲まず食わずで働いているのです。
雨の日の街人が足早に往来する、そんな日でも少年はびしょ濡れになって金を乞いますが、そんな少年を街人は嫌悪感をあらわにして突き飛ばします。少年が帰る大部屋には、同じ物乞いの数家族が(家族みんなで物乞い業)、物乞いの仕事を終えて楽しげに団欒をして過ごしています。 そんな毎日が彼らの日常なのです。(貧困による家族からの孤立はない)
P162本書引用
「日本ではホームレスになることを恥ずかしいと思っている」 という著者に対して
「恥ねぇ」とベトナムのホームレスはつぶやいた。「そんなこと考えたことないよ。だって仕事だから。わしは眼が見えないし、学歴もない。できるのは物乞いしかない。だから乞食になったんだ。なぜそれが恥ずかしいんだ」中略
どんなに貧しくても、彼らにとって物乞いは生きるための糧を得る正当な手段であり仕事なのだ。
~インドのストリートチルドレン~(画像ネット)
インドにはマフィア管轄のレンタ チャイルドのコロニーがあり、赤ん坊のうちは5歳までは乞食に貸し出しをされ(大人が物乞いをするにあたって、赤ん坊を抱いた方が多くのお金が集まるため)、その赤ん坊が5歳を過ぎると手や足を切断し、路上で物乞いをさせます。
石井光太氏は1人でインドのマフィア組織に潜入し、ストリートチルドレンの闇を暴きました。本書は彼が31歳で綴った衝撃のノンフィクションであり、16年前に綴られた一冊であります。