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![世界と比べてわかる日本の貧困のリアル[本/雑誌] (PHP文庫) / 石井光太/著](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/neowing-r/cabinet/item_img_1755/neobk-2886107.jpg)
石井光太さんは「日本と途上国では貧困の概念が別物である」と言います。
途上国の貧困は「絶対的貧困」であり、1日あたり1.9ドル以下(生存ぎりぎりのレベル) で暮らしている状態だそうです。
他方日本のような先進国では「相対的貧困」と言われ、 今の日本では単身所得年収が127万円以下となっています。(国民の15.7%、片親家庭は50%、65歳以上の単身女性の44%)
日本の生活困窮者と途上国の貧困には違いがあります。日本の公立小学校には富裕層から貧困層まで様々な階層の子供がいますが、途上国では富裕層と貧困層の住む地域が違うため、富裕層の通う小学校、貧困層の通う小学校が明確に分けられています。
また日本のホームレスは高齢の単身者ばかりですが、途上国の路上生活者のほとんどは家族連れだそうです(家族全員で路上生活者となる)。途上国では街に境界線となるストリートがあり、富裕層の住むエリアとスラム街との棲み分けがなされています。(タウン・ ダウンタウン・スラム)
途上国は「分断型都市」で、日本は「混在型都市」です。日本ではスターバックスでTシャツにスニーカーを履いてコーヒーを飲む人物が、富裕層なのか貧困層なのかはまるで見分けがつきません。→ 日本では貧困が表面化しづらい。
日本で生活困窮者が「コミュニティ」に参加できない要因として、低所得に苦しむ人々が抱えるパーソナリティの問題(知的・発達・精神障害など)があるそうです。( 「最貧困女子」という書籍の中で鈴木大介氏も同じことを言っていました) 様々な理由から性格が粗暴になり、円滑なコミュニケーションが取れない劣等感の中で、人と繋がることを避けてしまいます。
現代の日本社会においても、経済的に豊かではない家庭の生徒は親に負担をかけまいとして大学受験をしない傾向にあるそうです。ある高校では、入学当初から就職を希望する生徒の8割以上が、所得の低い家庭の子供となっています。
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