こんにちは。不定期更新でご無沙汰な記事です。

レンズレビューをしながらレンズの特性を知るシリーズ、4本目はライカのズミルックスRマウント50mmです。

いよいよたどり着いたか、という心境です。

一生モノのレンズになるのか!?はわかりませんが、長く付き合っていきたいと思います。

 

外観と重さ、スペック

 

まずは外観より。

当然のことながら、端正なたたずまいでかっこいいですね。

こちらはシリアルナンバーから調べると1971年製のレンズとのことです。

黄色い文字が近代のライカっぽいですね。

と言っても、半世紀前のレンズなんですが。

 

50mmのレンズですが、金属とガラスの塊って感じでズシリと重たいです。

公称395gらしいですが、実測で409gありました。

 

ざっくりとしたスペックは下記のとおりです。

 

焦点距離:50mm

最短焦点距離:0.5m(Mマウントより寄れるのは嬉しい)

絞り:F1.4~16

マウント:ライカRマウント

重量:409.2g(実測値、公称395g)

製造年:1971年

 

世代とフィルター径

 

ちなみに、Summilux-Rは2世代ありまして、1970年〜1998年まで製造されたこのモデルと、1998年〜2009年まで製造された後期型があるようです。

違いはレンズの構成とフードがビルトインになっているかどうか、というのが大きいところです。

このモデルはレンズが7枚6群ですが、後期型は8枚7群になります。後期型は490gなのでさらに重いです。

フィルター径も違いますね。前期型はE55、後期型はE60だそうです。

このフィルターがなかなか曲者で、55mmかと思ったらそうではない・・・。

 

このあたりの情報は日本語サイトで調べても全然でてこないので、ライカ信者は高価な純正品しか使わないからそんなところは気にしないのでしょうか・・・。

55mmだと思って普通の55mmフィルターを買うと全然使えません。実測すると、48~49mm径程度でした。

海外サイトで議論されていましたが、通常の49mmフィルターは取り付けできず、どうやらネジピッチが違うようでした。

レンズキャップは49mm汎用品で使えそうでしたが、フィルターはそうはいかないですね。

困ったものです。

幸い、今回購入したものはフィルターつきだったので助かりました。

キャップは49mm汎用品を使用します。

 

操作性

 

先端側にピントリング、根本近くに絞りリングがあります。

絞りリングはクリック感があり気持ちがいいですね〜。

ピントは非常にスムーズに動きますので、技術力の高さには脱帽です。

 

写り

 

ちょっと曇っていましたが、試し撮りにでかけました。

ピント面は非常にシャープ、同一面上にあれば周辺でもにじまずに描写します。

素晴らしい性能。

開放だとやや周辺減光が目立ちます。

F1.4 , SS 1/640 ,  ISO-100

 

やや樽状に歪みますが、Lightroomにレンズ補正のプロファイルがありましたのでそれを適用すると修正してくれます。

オールドレンズなのに、これができるのはありがたい。

 

発色、コントラストは非常によいと思います。

赤もはっきりでます。

レタッチはほぼせず、プロファイルをあてて歪みのみ補正しています。

F1.4 , SS 1/2000 ,  ISO-100

 

雷電社、というところ。

被写体をくっきり浮かび上がらせるように背景がボケます。

開放だとややザワッとしたうるさいボケになるときもありますね。右上のあたり

F1.4 , SS 1/1250 ,  ISO-100

 

さすがにこの状況だと背景の電線などはにじむ感じがします。

しかし、ピント面の葉ははっきり写っていて主役感出してます。

F1.4 , SS1/4000 ,  ISO-100

 

ピント面は極めて浅いですが、ビシッと写し取っています。(稲荷のあたり)

やはり背景がザワザワします。

F1.4 , SS1/60 ,  ISO-250

 

絞りの比較です。

花が主題で、絞りを1.4から2.8へ。2.8だと背景のボケも落ち着いて、とてもキレイに写る。

F1.4 , SS1/320 ,  ISO-100

F2.8 , SS1/100 ,  ISO-100

 

恒例のトイレの壁を使った絞りによる写りの変化チェックです。

こちら開放F1.4。やはり周辺減光が目立ちますね。

こちらはレンズプロファイルもあてていないので、やや周囲が歪んでいます。

F1.4 , SS1/200 ,  ISO-100

 

次にF2.0。

やや周辺減光は抑えられました。コントラストも少しシャープになっています。

F2.0 , SS1/100 ,  ISO-100

 

次はF2.8です。

微妙に周辺減光は残っていますが、全体的にキレイに写り始めました。

F2.8 , SS1/60 ,  ISO-125

 

次はF4.0です。

ここまで来ると周辺減光はなく、歪みもほぼ抑えられました。

50年前のレンズですよ。本当に優秀。

F4.0 , SS1/80 ,  ISO-250

 

終盤です、F5.6。

先程より色味がよくなった気がします。

F5.6 , SS1/80 ,  ISO-500

 

最後にF8.0です。

レンガの質感までくっきり。

F8.0 , SS1/80 ,  ISO-1000

 

ライカと言えばコレ、黒の粘りもさすがです。

レタッチ具合にもよりますが、暗部を上げればかなり情報が残っていることがわかります。

F1.4 , SS1/4000 ,  ISO-100

 

絞りでの比較です。

F1.4→2.0→2.8→4.0。

やはりF2.0〜2.8くらいのボケが好きかも。

2.4で撮影しておけばよかったですね。

F1.4 , SS1/60 ,  ISO-125

F2.0 , SS1/80 ,  ISO-250

F2.8 , SS1/60 ,  ISO-400

F4.0 , SS1/80 ,  ISO-800

 

光源が写ってしまうとザワザワとあまりきれいでないボケになりがちかなと思います。

このように落ち着いた背景なら、主題をくっきりと浮かび上がらせるような写真になりそうです。

F1.4 , SS1/250 ,  ISO-320

 

総括

 

やはり50mmは使いやすいと感じました。

広く写したい、と思うことも何度かありましたが、自分が寄ったり引いたりしていろいろ写せるのが50mmのいいところですね。

ライカのレンズは年々価格があがってきているということで、今回は良い出会いがあり2021年5月にして90,000円でコレを手に入れました。

2010年にはUSドルで$425くらいが相場だったようです。

さて、これがこれからどう変わっていくのか!?

このあたりを見るのも、ビンテージレンズの一つの楽しみかもしれません。