2023年日本映画
【 監督 】古賀豪
【 脚本 】吉野弘幸
【 原作 】水木しげる
【 出演:声優 】関俊彦、木内秀信、野沢雅子
【 ストーリー 】
水木しげる原作による国民的アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズの前日譚となる鬼太郎の父たちの物語を描いて大ヒットを記録した長編アニメーション映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」の映像と音をクオリティアップさせた、新たなバージョン。
昭和31年、日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族が支配する哭倉村。帝国血液銀行に勤める水木は、龍賀一族の当主・時貞の死の弔いを建前に、ある密命を背負って村を訪れる。一方、後に鬼太郎の父となる男は、行方不明になった妻を捜すため村へやって来る。時貞の跡継ぎを巡って醜い争いが繰り広げられるなか、神社で一族の者が惨殺される事件が発生。それは、恐ろしい怪奇の連鎖の始まりだった。
映画.comさんから引用
水木しげるさん原作の『 ゲゲゲの鬼太郎 』
僕が子どもの頃夢中になって観ていたのは、テレビの第二シリーズ( 昭和46年~47年 )。
野沢雅子さん、田の中勇さん、大塚周夫さんが声優をやっていた頃
主人公( 鬼太郎 )が悪い奴( 妖怪 )をやっつけるという単純なヒーロー物ではなく、子どもながらいろいろと考えさせられる、現代の鬼滅の刃と少し似たところもある、奥深いアニメでした
昭和40年代の悪ガキの人格形成にはプラスに働いたと思っています
そんなゲゲゲの鬼太郎の誕生を描いた、傑作がこの作品
主人公は、太平洋戦争に従軍、負傷した元軍人のサラリーマン “ 水木 ”
これは、やっぱり戦争に従軍し、理不尽な戦場体験をし、片腕を失う大怪我を負いながらも無事復員した水木しげるさんご本人を投影してのものでしょう
この水木と謎の男『 ゲゲ郎 』が、村で起きる奇怪な殺人事件を暴いてゆく
このゲゲ郎こそが鬼太郎の父、後の目玉オヤジとなる人物
描いている昭和31年の世界は、かつて観ていたテレビアニメの鬼太郎とは全く違うもの。アニメですがこの内容・雰囲気は、横溝正史さんのミステリー小説そのまんま
殺人事件の犯人は意外な人物で、その黒幕もその意図も、えっと思うもの
異様な財閥一族が支配する辺ぴな村の情景は、まるで横溝ワールド
その通りで、監督の古賀さんは『 八つ墓村 』のイメージをアニメ作品に盛り込んだそうです
物語の結末もハッピーエンドとは少し違い、悲しみや無情を引きずるような内容
最後のシーンは、水木しげるさんがゲゲゲの鬼太郎を、少年雑誌からテレビアニメに発展させていった当時の複雑な心情を表しているのではないか、とも感じました
鬼太郎誕生のストーリーを水木プロダクション( 水木さんの娘さんが代表 )と協議しながら作った作品
アニメ映画とはいえ残虐な場面も多く登場します。
当初R12指定だった作品をさらに生々しく描き、R15にバージョンアップした真生版、映画館で観るとさらに迫力があるでしょう
天国の水木さんはどんな感想をお持ちなんでしょうか