明日から4月となり、年度も変わるため
今日のうちに記録しておこう
学生時代の同級生、昨年2023年3月20日に
今生最後のつもりで昼間の3時間花見をしたうちの一人が
今月3月の初めに「今年はいつにする?」と打診してきた
彼女はボクが昨年閉鎖病棟に入ったことを知っている人
良かれと思って企画してくれたのは百も承知
だからこそ乗り気でなかったボクも
顔を見せておかないとと思い承諾
3月30日、つまり昨日会う予定だった
(日にちは全くの偶然)
ところが
記憶とは恐ろしいもので
3月30日が近づくと徐々に調子が崩れてきた
右肩下がりに
結局昨年同様、食べ物が喉を通らなくなり
29日の晩にお詫びの言葉と共に、ドタキャンのメッセージ送信
不思議なもので、既読を待たずして
送信した時点で少し気分が戻った
この数日、昨年同様逃げ場がなくなっていた
頭に浮かぶのは苦しいだけの記憶
災害と同じで、一年じゃ無理だよ
少なくとも僕は
52ヘルツのクジラたち 著:町田そのこ 中央公論社
昨年の3月30日、15時前
病棟に入った僕の後ろで、閉まった扉が自動的に施錠された音を
ボクはこれからも覚えている
“あぁ、ここが閉鎖病棟か”
打ちひしがれていたボクに
年配の看護師さんが3にゃんの絵を描いてくれて
号泣してしまったことも
病棟のDルームにはテレビがかかっていて
その下には本棚、漫画や小説があった中で
2,3日経って僕の目に留まったのが
町田そのこさんの「52ヘルツのクジラたち」だった
まだ映画化も決まっておらず、文庫本も出ていなかった
帯に書いてあった文言は少し違っていた
そして、メンタルをやった人は分かると思うけど
一番酷い時は、人は大量の活字が読めない
それでもボクは主人公に共感したのか
数日かけて読破した
少なくともボクは、希望を感じた
入院の早い段階で、町田さんの本に気づけて良かった
誰かが本を置いてくれていてよかった
ボクはこれからも、生きている限り
52ヘルツで鳴いてゆこう