ボクは以前ホラー映画が好きでよく観ていた
何百本も観たが、定期的に感じる結論はいつも同じ
“1番怖いのは人間だ”
しかもそれらは遠くにあるもの、ではなく
日常の同じような日々の延長線上にあるものが怖かったりする
先日昼過ぎ、玄関のインターフォンが鳴った
ボクは一瞬、“アレ、今日届くものはなかった筈だけど”と
引き戸を開けてインターフォンのカメラを覗こうとした
引き戸が滑りにくかったことで音が鳴り、外にも気配がバレたのだろう
カメラを覆うグレーの手袋
それでいてピンポーンと鳴らす
固まるボク。視界が覆われたままの再ピンポーン
1分位粘った相手は戦法を変え、画面左下にしゃがんでいる
その髪の長さに、僕はイタズラ好きな妹を連想して開けてしまった
そこに立っていたのは
見たこともない70位のババア
金髪で写真のように黒マスクをして
マスクから見える部分はギャルメイクだが
肌の色は正直に張りのない茶色
そういう時、人間は言葉が出ない
もうホラーがそんなに好きでもない、対人恐怖の気もある
ボクならなおさらだ
そのババアは、さすがにマズいと思ったのか
“違います?”(←何が??)と語尾を上げたので
ボクは黙ったまま頷くと、消えていった
画面は最初のピンポーン時だから、気配を感じる前だ
確かに現住所のロケーションは国道3号線のすぐ裏にあり
ドンキもすぐ近く、1階には生保もいる、そんな所で
オートロックがないせいか、明らかに「エホバの証人」が
カメラに残っていたこともある
駐輪場の横に食べ残しのカップ麺とか、よく捨てられているし
(見るのが嫌だから、ボクは片づけるけどね)
長い間住むところじゃないな、と最初から感じている
だから、現実と向き合う期間の今、改めて思う
1番怖いのは人間だと
犬鳴村でも怖かったのは、ダムの為なら集落を潰す、というような「人間」だし
村でなくとも「きさらぎ駅」で怖かったのは
女子高生を救うために大学生を誘い込んだ佐藤江梨子の役どころだった
狂気は日常に潜んでいる
皆さんも気をつけて
追記:文中の“ババア”という表記は敢えて書いています
見た目などでボクがその言葉を使うことはない
ボクが恐怖を感じた訳の分からない存在だから
敢えてその言葉を使いましたが、悪意のない女性は
お幾つになっても“お姉さん”です念のため