知識の一般化、抽象化
「水は100度で沸騰する」
という言葉を聞いたとき、
「水」
「100度」
「沸騰」
という言葉を他のものに置き換えることができると、物事の理解が進みます。
置き換えができないと、極端な話、アルコールも酸素も鉄も何でも100度で沸騰する、と思い込んでしまいかねません。
置き換え、つまり一般化ができない小さな子供なんかはこういったことが起こることがありますよね。
学校で習った一例に過ぎない物事が、世の中すべてに当てはまると考えてしまう状態です。
置き換えができると、酸素はもっと低い温度で沸騰する(-183℃)とか、鉄は非常に高温で沸騰する(2,750度)とかが分かり、温度が変わることで物質には個体、液体、気体の三態があるということを理解することができます。
このように「水は100度で沸騰する」という言葉を聞いても、すべてのものが100度で沸騰するわけではなく、物質によって沸騰する温度は違うのだ、と気づく能力が一般化能力、抽象化能力です。
この能力を鍛えると、目の前にあるものだけにとらわれない、高い理解力が見につきます。
ある仕事を通して身についた知識や能力を、他の仕事にも応用することができる、ということです。
(水は一定の条件下では100度で沸騰しますが、もっと低い温度や高い温度で沸騰することも、日常では起こります)
休みの日には宿題を出す
オンとオフの切り替え、なんて言葉があります。
休みの日には仕事のことを忘れて日ごろの疲れをとり、頭の中もリフレッシュしましょう、
というのがオンとオフを切り替える、ということですね。
ここでリフレッシュされるのは、顕在意識のほうです。
潜在意識は疲れませんから、リフレッシュさせる必要はありません。
寝ている間も絶え間なく働いてます。
せっかくですから、働き者の潜在意識クンには休みの日にも働いてもらいましょう。
宿題を出すんです。
休みの前の日の晩に、
今抱えている仕事のこと、
いきづまっていること、
来週の予定などを考えます。
次にそれらがうまくいっているところを想像します。
周りの人と一緒に喜んでいるとか、
上司からほめられたとか、
お客さんから感謝されているとか、
思わず一人でニヤニヤするくらいリアルに想像します。
そしたらそのまま寝てしまいましょう。
潜在意識クンは寝ている間も、朝になって起きている間も、うまく行った状態になるために、解決策を考え続けてくれています。
頭の中で考えたことでも、それがリアルに感じられれば、潜在意識は現実に起こったことだと解釈してしまいます。
想像したとおりにならないと、片方(想像)で成功し、もう片方(現実)で失敗したという、矛盾した状態になってしまうので、矛盾が起こらないように意識を総動員して、今までの経験の中から必要な知識と行動を準備してくれます。
仕事が始まってオンに切り替えたとたん、潜在意識クンが考えてくれていた案が浮かび上がってきますから、しっかり意識で捕まえてください。
重要度に応じて見切る
仕事が重なっているときは、期限に合わせて優先順位を決めます。
1,すぐに終わるもの
↓
2,期限が迫っているもの
↓
3,時間に余裕があるもの
の順番で処理していきましょう。
手つかずのものがあると、どうしても気になってしまいますから、集中するために簡単なものは先にさっさと終わらせておきます。
期限が迫っているものは、期限の早いものから処理していき、仕上がりを“重要度"に応じて見切りましょう。
過剰な装飾を施さず、最低限相手に伝えたいことを、間違いなく伝わるように見せればそれでOKです。
あなたがデザイナーやアーチストでないならば、芸術作品に仕上げる必要はありません。
重要度の低いものは箇条書きでもいいです。
高いものは、あなたの出した結論の根拠となるものの具体例まで入れておきます。
凝った仕上がりにこだわるよりも、相手を待たせないことのほうが重要です。
「忙しい」という言葉を使わない
日々の忙しさの原因はなんでしょうか。
まずは時間の使い方、物事の処理の仕方に問題があるのでは、と疑ってみましょう。
仕事をひとつやり終わったと思っても、次々と新しい問題点を発見してしまい、実は終わっていなかったっていうことはありませんか。
これは、やることの全体がわかっていない、ということが原因です。
こんなときは、仕事の中身を分解して、
はじめに何をそろえて、
どれをどういう順番でやっていくのか。
これをまず考えてみましょう。
当初考えていなかったものが途中からつけ加わったり、間違いに気づいて手直しが必要だったりすることもあるので、あわてないよう時間とともに心の余裕も必要ですね。
イライラしないように睡眠と気分転換の時間は確保しましょう。
ただ「忙しいです」「忙しいからできません」と言うことは、自分で自分のことを時間管理ができません、その仕事に応えられる能力がありません、といっているようなもの。
できないことは、
「忙しい」と抽象的な言葉で断るより、
「こういう状況だから今はできません」と具体的に説明したほうが納得してもらえます。
忙しさの種類
忙しさにも種類があります。
やることがたくさんあって、期限が次々と迫ってくる忙しさ。
やらなくてもいいことを、ただ惰性でやっていて新しいことが始められない忙しさ。
惰性でやっていることは、なんの役に立っているのかを考え直してみましょう。
やらなくていいことは、やらなくていいんです。
また、自分がやらなくていいことは、
ヒマそうにしている人が周りにいるならやってもらったほうがいいです。
やることがなくて困っている人だったら仕事ができてうれしく思ってもらえますよ。
問題は、期限が次々と迫ってくる「やるべきこと」にどう対処するかです。
つづく...