グランドリバーに対する第一印象はあまりいいものではなかったが、この頃私は一冊の釣りガイドブックを手に入れた。それはグランドリバーの渓流域から河口までの釣りをカバーした、フィッシング・グランドリバー・カントリーという本だった。

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最初に釣った魚 (パンプキンシード) がクラッピーではなかったことを理解した私は、本物のクラッピーをぜひ釣ってみたいと思うようになった。図鑑で見ると、この魚は日本ではまず見ない体型をしているし、ブルーギルと同じサンフィッシュ科ではあるものの、ギルよりもかなり個性的な体型をしていて強く魅かれた。

手に入れたガイドブックで早速クラッピーのいる場所を調べてみた。キッチナーの南にケンブリッジという市があるのだが、グランドリバーはそこにある堰のために流れが緩くなり、春にはこの辺りの人工物の周りなどにクラッピーが多いと書いてあった。そこで地図を見ると、ちょうど堰の上流に鉄橋が架かっていたので、その橋桁周りで釣ることにした。

タックルはパンプキンシードを釣った時と同じもので、エサもミールワームを懲りずに使った。橋桁の周りは意外と浅かったが、障害物があったのでその周りを流してみた。すると何投目かにアタリがあり、アワセると結構いい引き。上げてみると、それは狙っていたクラッピーではなく、何やら茶褐色の丸っこいキュートな魚だった。第一印象はオヤニラミそっくりだなと思ったし、ぜひ飼ってみたいと思わせる魚だった。アパートに帰り早速図鑑で調べたら、この魚はロックバスという名前だとわかった。

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初めて釣ったロックバス。メジャーを立てるのに使ったのがペットショップで買ったミールワームの缶。

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2005 年9月にオンタリオ州メイトランドリバーで釣ったロックバスの幼魚


ロックバスは rock bass と書く。ブラックバスやブルーギルと同じサンフィッシュ科の魚だが、いずれとも異なり Ambloplites という属に分類されている。ロックバスはこの属のカナダでの唯一の魚種でもある。最大 43 センチほどになるが、レギュラーサイズは 20 センチ前後で、ラージマウスバスやスモールマウスバスよりも数が多い。

とにかく泥底でなければどこにでもいて、警戒心が薄く、ルアーへの反応もいいので、カナダ人が釣りの入門として初めて釣る魚の一つがロックバスだと聞いたこともある。時にはうるさい外道になるのだが、同時にボウズを回避させてくれる貴重な魚でもある。このことはブリティッシュコロンビア州に引っ越してfishlessな川で釣りをするようになって痛感したことだった。何度、ロッキー (ロックバスの愛称) がいたらなあ、と思ったことか。

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オンタリオ州メイトランドリバーで 2005 年9月にグラスミノーで釣ったロックバス2尾


2012 年6月にオンタリオ州東部で釣ったロックバス


2012 年7月にマニトバ州のリトルサスカチェワンリバーで釣ったロックバス


ロックバスのハビタット