ハイサイ!
こちら埼玉県の行田市(ぎょうだし)で開催されているイベントに参加しております。
第12回ぎょうだ蔵めぐりまちあるき2016
【その5】から続いております (・ω・)/
長井写真館を見学したあとは再び小川源右衛門蔵まで戻り、そのまま先へ歩きます。
すると左前方に行田八幡神社が見えてくるので…
その手前の道を左に入ると正面に次なるスタンプポイントが。
イサミスクール工場
行田市に現存する最も古い大型足袋工場(大正6年建設)で、現在もイサミコーポレーションの被服工場として使われています。
行田市では明治43(1910)年に行田電燈株式会社が設立され電気の供給が開始
それに伴いミシンの電動化が進んでさらに足袋の大量生産が可能になりました。
その頃から次々と大型の足袋工場が建設され始めたようです。
こちらスクール工場は市街地周辺へ進出した最初期の大規模足袋工場だそう。
入り口横の展示台で13個目のスタンプをペタリ
今年も案内係の方にイサミ足袋のペーパー(商標ラベル)を頂きました。ありがとうございます。
実はこのラベル、今でも商品を出荷する箱に貼っている本物だそうですよ。
ぎょうだ蔵めぐり昔ギャラリー⑨ ~イサミスクール工場~
昭和15(1940)年頃の工場の写真と絵葉書の写真です。
右上の正門を写した写真が現在の光景とほぼ変わらないことにも驚きです。
今日は休業日ということで敷地内にも入ることが出来ましたよ♪
係の方も丁寧な対応で皆さんを案内しておりました。毎年ありがとうございます (-人-)
敷地内の建物は大正~昭和にかけて建てられたということで、いろいろな年代のものが見られます。
最も古いのがこちらの三角屋根の建物で、大正6(1917)年建設の木造洋風建築。
なんと100年前の工場ですよ、奥さん!
現在も制服などを製造しているため、さまざまな型紙がズラリと吊るされていました。
そうそう。スクール工場という変わった名称。
学校工場?なにそれ?と思われるかも知れませんが…
もともと足袋を製造していたものが現在は学校制服に変わったため「スクール工場」という呼び名になったようです。
…で、肝心の足袋は作ってないの?という疑問が出るのもごもっとも。
実はここから少し離れた工場で作られているんですよ。
というわけで再びスタンプラリーコースから外れてソチラに向かいましょう╭( ・ㅂ・)و
正門を出て行田八幡神社との間にある細い道を工場の敷地沿いに歩きます。
2011年の地震で漆喰が落ちてしまった土蔵を過ぎて…
ぐるりと敷地を回りこむと壁越しに工場を南側から見ることが出来ます
さらに大きく回りこむと空き地になっていて真横からも見ることが出来ました。
この場所、以前は民家が建っていたんだっけ? とにかく初めて見るアングルです。
しかし見事に屋根がノコギリしてますな
先ほどの絵葉書写真だとズラリと並んでいるので、昔はもっと連なっていたのかも知れません。
さらに回り込んで北側に移動するとまた違った光景が見られます。
いろいろな形(年代?)の建物が並んでいますね。
…で、ここまで来たらほぼ敷地を一周したことになります。
上の写真の道をそのまま真っ直ぐ歩くと先程の正門横に出るんですよ。
あーいかんいかん。またしても時間をロスしてしまったではないか。
再び来た道を戻り、さらに南に向いて歩きます
すると十字路がありその角に古そうな大きな建物が現れます。
はい、こちらがイサミコーポレーションのもうひとつの工場です。
現在も足袋の生産をしている現役バリバリです ╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !
イサミ足袋工場
昭和初期の建設といわれるノコギリ屋根の木造洋風建築の足袋工場です。
もともと組合工場だったものを「イサミ足袋本舗」が買い取り生産をさらに拡大、行田有数の足袋メーカーへと成長しました。
ノコギリ屋根の特徴でもある垂直面の窓はアクリルの波板で覆われています。
おかげでよく見えませんが、以前は格子状の桟が確認できました。
本来はこの北向き窓のおかげで季節や天候に関係なく柔らかな光が挿し込んで工場内を照らしていたことでしょう。
側面のガラスも割れたためか、内側から板をはめられていました。
照明器具や空調が発達した現代では既に窓としての役割を終えているようです。
波打った板ガラスと風でガタガタ揺れる窓枠も趣があって好きなんですけど…
実際に工場として使われている建物なのでそうも言っていられませんな
さてさて。建物の反対側に移動すると正門があります。
門が開いていることから今日も工場が稼働しているようです。お疲れさまです。
古い建物が今でもフツーに使われているなんてホント嬉しいですねぇ
建物内部の様子は以前、テレビ東京の空から日本を見てみようで取り上げられました。
(くもじいとくもみの会話で進行するローカルな風景紹介番組)
他にも忍城やフラべぇ、古沢商店のフライや前方後円墳(さきたま古墳公園)など、かなりの時間を割いて地上班が取材していて見応え十分でしたよ。
2010年11月25日放送「関東ローカル線スペシャル」の回で、DVDも販売中なので是非!
【DVD】 空から日本を見てみよう19 紅葉の関東ローカル線 秩父鉄道・わたらせ渓谷鐡道
(商品番号:PCBE-11969)
*楽天市場で販売中
大正~昭和初期の貴重な建物で伝統的な手法で作られる行田の足袋
最近はメディアに取り上げられる事も多くなってきましたね。
これを機に足袋といえば行田というイメージが復活するといいなぁと思います (`・ω・´)
せっかくここまで来たので近くの足袋蔵も見学。
小沼蔵
昭和29年建設の比較的新しい石蔵で、現在は小沼歯科医院の所有です。
大谷石でしっかりと作られた蔵で、現オーナーさんの手入れも良さそうです。
また若い蔵だけあって建設時の様子もしっかり残っているようす
基礎に松杭を打ち込んで地盤を固めるというのは東京駅の基礎工事と同じ手法ですね。
これから何十年も変わらない姿で残ることでしょう。
そんな小沼歯科さんをグルリと回りこむと広い芝生広場が出現します。
以前は埼玉県繊維工業試験場があった場所のようです。
その歴史を知りたくて石碑の裏側をのぞいてみたのですが…
全く何も書かれていませんでした (-ω-`)う~む
しかし行田に埼玉県の繊維工業試験場があったなんてすごいですねぇ。
適材適所じゃないですか。何で移転しちゃったんだろう。すごく気になります。
竹井蔵(仮)
その敷地のすぐ隣にある大谷石の石蔵で、中央の木のあたりで二棟に分かれています。
現在も竹井さん所有かどうかは不明なので名称は(仮)ということで。
「蔵めぐりまちあるき」が始まった当初(2005、2006年)にはこちらの蔵も参加していました。
内部でコンサートを開いたり昔遊びの体験などがおこなわれたようです。
蔵自体はしっかりとしていてまだまだ使えそうですが、周囲が草や木に覆われていて荒れ気味。
もう何年も使われていないようなので先行きが心配です。
現在、誰の所有か分かりませんが放置中だとしたら市が買い上げて非常時用の備蓄倉庫とかに使えば良さそうな気もしますけど。
あ!そうだ!ヘ(゚∀゚ヘ)ピコーン
民間の店舗として貸し出すのも良さそうじゃないですか?
目の前が芝生の公園で青々としているので、アウトドアショップや花屋さん、お洒落カフェなどが並んだら若い人たちにウケそうな予感
やはり問題は水周りでしょうか。
もともと倉庫として作られている蔵には給排水の設備がありませんし。
そう考えると蕎麦あんどさんや足袋蔵パン工房 ライさんはよく改装できたなぁ…
さすがクチキ建築設計事務所さんですな。
そう。朽木(クチキ)さんこそ「ぎょうだ蔵めぐりまちあるき」を主催しているNPO法人ぎょうだ足袋蔵ネットワークの代表でもあるんです。
忠次郎蔵や牧禎舎、まちづくりミュージアム、足袋とくらしの博物館ほか、地元・川越のお洒落カフェGallery & Cafe HEIZOU 平蔵も手がけられております。
さすがに足袋蔵ネットワークの代表をされているだけあって見事な活用術!
足袋蔵をお持ちで再利用を考えている方はぜひ、ご相談くださいませ←
あっ!そういえば閑居やrye方面の蔵をまわってなかったぞ!Σ(・ω・ノ)ノ!忘れてた!
というわけでスタンプラリーに復帰、先を急ぎます。
田代医院の貫禄と庭木の手入れの良さに感心しつつ、現在駐車場になっているイサミコーポレーション本社跡?(ゲフンゲフン)を通過
行田市駅から南に続くメインストリートに出てきました。
右に曲がって商店街方向に歩くと左手に立派なレンガ造りの蔵が見えてきます。
大澤蔵(大澤家住宅旧文庫蔵)
大正15(1926)年に建てられたレンガづくりの文庫蔵です(この背後に足袋蔵もあり)。
当時の当主(7代目専蔵)の趣味が"建築"というだけあってモダンなつくりで、水平に3本入っているコンクリート補強もデザイン的にお洒落。
解説パネルによると行田で唯一のレンガ蔵だそうです。
この奥の足袋蔵は土蔵なので趣味で作った(?)文庫蔵の方が立派というのが何ともマニアック。
7代目専蔵さん、どんだけ趣味人だ (´∇`)♪
と思いつつ、平成20年に国登録有形文化財に指定されたのも納得できる立派な姿です。
今見てもお洒落なので建設当時(なんと90年前)はさぞ話題になったことでしょう。
ぎょうだ蔵めぐり昔ギャラリー⑦ ~大澤蔵と新町通り~
当時の写真を見ると蔵の前にもレンガの壁があって道路とは隔てられていたようです。
そして時田蔵と同じような(店舗と蔵が横に並ぶ)袖蔵形式になっているのも興味深いです。
蔵が防火壁の役割もするという「袖蔵」づくり
これだけしっかりと作られていると蔵だけでもこの先100年は残りそうな感じです。
ちなみに内部は太い木の梁と柱、漆喰の壁できっちりとつくられています。
外見からは想像できない和風な印象で、そこも見どころのひとつです (・ω・)b
蔵の中では貴重なスライド写真の映写や展示がありました。
質問に丁寧に答える家主さんの対応も素晴らしい
蔵の内部は意外と涼しいので時間さえあればしばらく休んでいきたいところですが…
そろそろ時間が押してきたので出発します!
蔵を出て通りを北上、森罫線を過ぎるとアーケードが途切れて突然視界が開けます。
この場所、以前お店があったのですが2015年2月に取り壊しが始まり更地になってしまいました。
またしても商店街が寂しくなってしまいましたね (-ω-`)
アーケードが出来た当時は多くの家族連れでにぎわっていたんだろうなぁ…
とションボリしつつ、次なるスタンプラリーポイント「足袋蔵ギャラリー門」に向かいます
【 第12回 ぎょうだ蔵めぐりまちあるき 2016 】
その1 >> その2 >> その3 >> その4 >> その5 >> その6 >> その7 >> その8 >> 記事一覧
【 ぎょうだ蔵めぐりまちあるき 記事一覧 】
2010年 ・ 2011年 ・ 2012年 ・ 2013年 ・ 2014年 ・ 2015年 ・ 2016年 ・ 2017年 ・ 番外編