舞台は「陣屋」。。明日は第60期王座戦5番勝負/第4局 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

舞台は「陣屋」。。明日は第60期王座戦5番勝負/第4局

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初防衛を目指す渡辺明王座に

羽生善治二冠(棋聖、王位)が挑戦する第60期王座戦5番勝負。


ここまで3局を消化し、羽生二冠が2勝1敗とリードし

タイトル奪取に王手をかけてむかえる、注目の第4局が

明日、神奈川県秦野市「陣屋」にて行われます。




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08年12月

史上初となる空前絶後の大記録「永世七冠」達成をかけて

7大タイトルのうち、残る1つである竜王戦に挑戦した

羽生二冠は開幕3連勝 の後、まさかの4連敗



達成すれば国民栄誉賞との声も聞かれた

史上初の快挙は、一転、将棋界史上初の大逆転負けという

屈辱を味わうはめに。。


羽生二冠の「永世七冠」を阻止し、かけがえのない自信とともに

初代「永世竜王」の称号を獲得した、当時24歳だった

渡辺竜王は以後、「時代を継ぐ者」としての存在感を強めます。



翌年の第22期竜王戦では、森内俊之九段(当時)の挑戦を

4連勝のストレート で一蹴。


続く23期竜王戦で2年ぶりに挑戦者として姿をあわらした

羽生二冠を、終始圧倒し4勝2敗で返り討ち


対照的に、満を持しての登場だったはずの羽生二冠は

開幕戦から普段ではありえないようなミスを連発し、自滅。

渡辺竜王への苦手意識が浮き彫りとなったシリーズに。。。



昨年の第59期王座戦には渡辺竜王が登場


それまで王座戦19連勝19連覇という大記録を継続中の

絶対王者・羽生王座(当時)に挑戦し、注目を集めましたが

結果は渡辺竜王の3連勝 と一方的なものとなり

羽生二冠の20連覇の野望は、あっけなく潰えてしまいました。



この4年間で3度

しかも歴史的大記録がかかるタイトル戦を舞台で

将棋界のシンボル・羽生二冠を相手に3連勝。


もうすでに、渡辺時代が始まっている。。

そう断言してもおかしくないほどの、絶対的な実績を積み上げた

渡辺王座。


しかし


不惑を迎えた羽生二冠は

このまま黙っては引き下がらず、簡単に「時代」も手放しません。


昨年度

第32回将棋日本シリーズ第61回NHK杯

持ち時間の短い二つの棋戦の決勝戦で顔を合わせ

いずれも羽生二冠が勝利、優勝を飾りました。


また、第70期A級順位戦での顔合わせでは

後手・羽生二冠が「ゴキゲン中飛車」を投入 し、完勝。



08年から10年にかけての対戦成績で

対渡辺王座6連敗を記録し、一時は10戦して1勝9敗と差し込まれた

苦しい時期も経験した羽生二冠ですが、ここ10戦は5勝5敗。


さらに昨年の王座戦終了後の対戦成績でみると

羽生二冠が4勝1敗とリードを奪っています。



徐々に苦手意識は取り除かれ

渡辺王座も「他の棋士と同じ」く、羽生二冠の軍門に下ってしまうのか。。


今期の王座戦も

ここまで羽生二冠の2勝1敗。



開幕戦こそ

渡辺王座がらしさをみせつけ、圧巻の勝利 をおさめたものの

続く第2局で、羽生二冠の執念が爆発。。


これまでタイトル戦での顔合わせでは

相居飛車での勝負に拘っていた羽生二冠が、ついに飛車を振り

後手番で「角交換四間飛車」を披露。


さらに、理想形に構えたまま手損を重ね

渡辺王座を先に動かしカウンターを狙った作戦が功を奏し

白星をもぎ取った羽生二冠



後手番で得た大きな一勝が平常心をもたらしたのか

続く第3局では、終盤力が自慢の渡辺王座に何もさせずに圧勝

強さを存分に見せつけ、堂々とタイトル奪取に王手をかけました。



渡辺王座からすると

相居飛車に比べてやや研究に遅れのみられる対抗形となり

先手番で敗れた第2局よりも、手も足も出ず押し切られた

第3局の方が気分としては悪いはず。。



明日の第4局の先手は渡辺王座。

嫌なムードを吹き飛ばす豪腕が、果たして披露されますでしょうか。



渡辺王座の今期ここまでの成績は

18戦11勝7敗(.611)。順位戦はA級で2勝1敗。


羽生二冠の今期ここまでの成績は

38戦30勝8敗(.790)。順位戦はA級で開幕3連勝中。

対局数、勝利数は全棋士中ダントツ


今期は春の名人戦から4タイトル戦連続出場中。

棋聖王位 はすでに防衛済。


また、非公式戦ながら第20期達人戦で二連覇を達成



両者の対戦成績は

ここまで38戦して、渡辺王座の20勝18敗。




王座戦/第4局の棋譜中継はこちら



第4局の先手は渡辺王座。

渡辺王座が居飛車に構えるのはほぼ間違いなさそうですが

注目は後手番の羽生二冠の戦型選択。。


直近の公式戦である

先週の土曜日(9/29)に行われた 深浦康市九段戦でも

後手番で「角交換四間飛車」 を採用しているだけに

明日も振ってくる可能性は充分。。



いくらタイトル奪取に王手をかけているとはいえ

明日の第4局を落とすと、手番が振り駒で決まる最終戦へ。。


そこまで行くと

これまで渡辺王座がみせてきた土壇場での度胸、武運が

大きな脅威となるだけに、羽生二冠としては何が何でも明日で

決着をつけてしまいたいところ。


開始は明日、午前9時。

楽しみで楽しみで、待ちきれません!