ようやく民主党マニフェストのありのままの実行が、国民に支持され大勝したわけではないという認識が民主党内にも浸透してきたようだ。

参照文献(マニフェスト)
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/pdf/manifesto_2009.pdf

高速道路無料化の地域限定案(北海道のみが有力視)、公立高校無償化(私立高校助成含む)に所得制限を設ける案などが浮上している。

高速道路無料化については無駄であり逆効果でしかないと見ているし、公立高校無償化については、所得制限しないと景気浮揚策と言う名のばら撒きなのか、セーフティーネットなのかが不明瞭。

高速道路の無料化は、これまでの批判もあってか都心部の首都高速は除外するとこ事だが、結果的に不採算の高速道路路線の救済策(国が財政を投じる)でしかないと思われる。

つまり、この2点だけをとっても今になって考える問題ではなく、そもそも不要、そもそも根拠不足であることだ。

まして民営化した道路公団を救済するというのはJAL救済に似て、市場原理を無視する行為であり、本末転倒。

と敢えて無理矢理表現したが、不採算路線は、そもそも不要な路線だ。

そもそも不要な路線もしかり、公共工事全体然り、そもそもコストパフォーマンスを考えて公共工事を行ったわけではないと思われるところに本質的な問題がある。

議員の地元貢献度アピールなどによる私利私欲に端を発し、机上の空論でデータを故意に操作して現実離れした利用率、交通量等の予測計画されたものにほぼ間違いないと思われても致し方のないズサンさの結果だ。

戦後64年の自民党と官僚が原因である事は明白だが、政治がいつの日からか根元が根本が腐食、腐敗しているのでその上に立った視点では、腐った土台の住宅と同様、見た目上完成しても全てが崩れ去る。

まずは土台から見直さなければならず、「政治とは」という原点に立ち戻る必要がある。
政治の在り方
現代日本経済の5つの弊害
日本の政治家のみなさんへ
続・族・政治家のみなさんへ
公共性の崩壊
お年玉強制徴収で生きている官僚・議員のみなさんへ
公益法人の報酬公開?
政府醜態の是正手順
呆れる公益法人撤廃

...etc.
このブログ内だけでもまだまだあるが、これくらいにしておく。

政治家にとってはバカバカしいと思う人もいるだろうが、今やっている事の方が結果的によっぽど馬鹿馬鹿しい。

応用は基本をおさえてからだ。

そうでないから、ことごとく、結果も一言一句も一文字一文字もおかしくなるのだから。

そうでないから、こうして事を正す指摘をするにも、異常な程の補足が必要になり、なかなか本題に入る事ができない。

不採算路線を敢えて造って、流れ的に良いか悪いかは別として小泉氏がぶち壊した結果民営化したにも関わらず、また、時の経過とともに国が税金を遣って救済するなんていい加減にしないと日本は本当に崩壊の一途。

本題の流れに戻れば、

高速道路無料化=
民営化した道路公団の不採算路線救済策
+高速混雑による高速バス、宅配便含む運輸業の時間的ロス増大懸念
+国道、県道路面店を廃業に向けた追い打ち
+全国各地の不採算高速道路の修繕・再生含むランニングコスト・生涯コスト垂れ流し
+それを公共事業と謳い、法外な中間マージン搾取体質に拍車をかける
+高速道路建設の肯定により地球環境・自然環境破壊と人的被害増大
 (吸水性の高い山林の木々を伐採、山の掘削、トンネル掘削、市街化...により無用な被害増大と自然破壊)
+日本の交通網全体を俯瞰した公共工事の在り方の抜本的見直しの必要性を度外視
...etc.

でしかない。

一般国民が高速無料化によりことあるごとに車(やバイク)で大量移動し、(ハイブリッド・電気自動車普及前は)ガソリンを過剰消費し、サービスエリアに店を構える店舗収益を向上させ、全国的な地域の観光収入アップなどによる景気浮揚を根拠にしているようだが、前述のマイナス面の方が遥かに大きいと考えるのが自然だ。

これはハイブリッド車や電気自動車が普及したとしても、山林掘削は自然界のCO2吸収量をも減らすことになる。

更にダム建設も同様で必要性を含め根本から考え直すべき



次に公立高校無償化と私立高校助成についてだが、景気浮揚策なのかセーフティーネットなのか不明瞭であり、どちらも見込むのであれば、それが妥当な策か否かという点が欠如しているようにしか見えない。

そもそも所得制限がないとすれば、格差是正にならず、弱者救済にはならず、進学を諦めていた人が進学できるという効果は薄くなることも考えられる。

なぜなら、金持ちも更に金が回り、進学を断念せざるを得ないお金に困っている世帯は、進学面だけに苦慮しているわけではなく、収入と支出バランスからして、生活全体が苦しいのが現状だからだ。

そう考えれば、金持ちにも金策に苦しむ世帯にも対象となる年代の子の数に応じて同額が給付されても苦しい世帯は、進学以前に穴埋めしなければならないし、間接助成で高校という学校に助成する場合でも、高校進学率を向上させる為のセーフティーネットとしての効果は限りなくゼロに近いと考えられる。

となると景気浮揚策ということになるが、間接助成では、各世帯においては直接的に何ら金銭的な変化はなく、消費喚起にも寄与しない。

直接助成だとしたら、貧困層の目的外使用による消費を考えれば、最低限の生活費として消費される事は考えられ、中流層においては先行き不透明感から貯蓄、富裕層に至っては貯蓄または消費にまわることだろうが、消費喚起というには微々たるものだろう。

景気浮揚策としてもセーフティーネットとしても乏しいとすれば、進学率向上による日本人の学力向上策という側面が考えられなくもないが、前述の通り、その見込みと達成はあっても微々たるものだろう。

もちろん、政治は、政策は、各論だけでなく他政策とのシナジー(相乗効果)や他政策が前提となるなどの考え方も必要だが、国の方向性を示す鮮烈なメッセージもなく、説得力のある明るい道筋が見えない先行き不透明感漂うデフレスパイラル(物価安により薄利多売で利益が薄いため雇用維持が困難になりクビきりを含むリストラ実施、失業率が上がり...という悪循環)の社会状況と世界の状況から、積極的な消費は考えにくく、無理がある事は明白だ。

とてもじゃないが鳩山首相発言の「ない袖は振る」状態ではなく、古事通り「ない袖は振れない」のであって、今年度、来年度見込みにおける大幅な税収減を直視すれば、政府も経済も縮小することを大前提として考えなければ、全てが日本破たんの方向にコマを進めることになってしまう。

よってシナジーを求めるにも無理がある為、現実を見据えた実現可能性を考える上で国の世界におけるレベル、政治の縮小を含めた政治のレベル、国民生活における社会レベルの水準を一定程度下げることを前提にしないと過去戦後64年の栄光にすがっていては(栄光でなく地球破壊だが)いつまで経ってもらちがあかない。


その上で民主党マニフェストの5原則と7つの視点を考えるべきだろう。

【5原則 鳩山政権の政権構想】
原則1 官僚丸投げの政治から、政権党が責任を持つ政治家主導の政治へ。
原則2 政府と与党を使い分ける二元体制から、内閣の下の政策決定に一元化へ。
原則3 各省の縦割りの省益から、官邸主導の国益へ。
原則4 タテ型の利権社会から、ヨコ型の絆(きずな)の社会へ。
原則5 中央集権から、地域主権へ。

【7つの視点】
1.ムダ遣い
2.子育て・教育
3.年金・医療
4.地域主権
5.雇用・経済
6.消費者・人権
7.外交

次回は、この7項目の詳細について見ていくことにしようと思う。