今日は「私がなぜネット上で創作表現活動に携わっているか?」という
創作スタンスについてお伝えしたいと思います。
私がメインの創作発表の場としている「ニコニコ動画」ですが
誕生初期は「2ちゃんねる」的な集いの場として機能していたものが
その後だんだんとオリジナル創作を投稿する人が増えて動画・創作交流SNSのようになってきて
「無償で好きなコンテンツを盛り上げる『同人文化』の歴史と絡み合ったことで成長し
現在、ニコニコ動画には作り手・演奏者・歌い手・踊り手・リスナーなど
自分のつくったものを公開する参加者・視聴者は増え続けている模様ですが
参加する皆さんは、それぞれ活動スタンスや、活動において重要視する点が
微妙に異なっていたりするので、まれに意見が噛み合なかったり
すれ違いが起こることもあるようです。例えばこんな具合…↓
「ニコ動はアーティスト・クリエイターにとって新しいビジネスモデルが形成されている場として興味深い」
「ここは趣味で動画投稿する場所なんだから、金儲けしたい奴は来ないで欲しい!」
「プロもアマも見習いも一緒に発表できる場がある事は素晴らしい」
「何議論して熱くなっちゃってんの?楽しければいいじゃん!」
私はプロアマ問わず、面白いものを作る人を見ると嬉しくなるけれど
「じぶんの特技を披露して、誰かに褒めてもらえたらいいな!」という点を重視している方の場合は、プロアマ問わず誰でも参加できる場であるニコニコ動画の特性から、
「趣味のフットサル大会に出場して好きな子にかっこいいところを見せたいと思っていたのに、
相手チームに元プロの選手が居たことにより惨敗してしまった!(ToT)」
みたいな事があるわけなので、そういうのを嬉しく感じない人もいたり
元々「同人文化=(利益の出ない範囲で楽しむ創作コミュニティ)」に近い形で始まった
VOCALOIDの文化に、バンド文化の方や、プロを目指すクリエイターも参加して
規模が大きくなってきたので、報酬に対する考え方も人によってまちまち。
視聴者さんの応援目的も様々です。
例えば
「動画投稿者の成長を追うのが楽しみ=活躍してどんどん有名になって欲しい」
というタイプの方もいれば、
「動画投稿者とイベントで会えるのが楽しみ=応援してる人が有名になると寂しい」
という方がいたり。あとは「作品に興味あるけど、作った人には興味ない!」などなど。
先日、作曲や歌ってみたカテゴリなどで活動中のロリコム(@loli_com)さんが
「批判意見を執拗に排除するような風潮には違和感がある。
自分は作り手として勉強中なので、関係ない誹謗中傷は困るけど、
素直な批判とか批評は大歓迎。反省・成長するきっかけになるので、
賞賛コメントより批判コメントを貰える事が嬉しい。」
という旨の意思表示・問題提起動画を発表していて、
これは向上目的の作り手にとっては納得できる部分が多いけれど、
例えば学校や会社で辛い事があって、ストレス解消のために
「自分の得意な分野の動画を上げて、反応貰って少しでも心を落ち着けたいな...」
と考えてた人の場合、出来るだけ褒めてもらえた方が嬉しいと思う人がいる可能性もあったり、
受け手側の視聴目的によっても意見が分かれたりする気がします。
==============
私は、自分のスタンスや目指すものについて幾度か発言してきましたが
まずお伝えしておきたいのは、
わたしは決して「自分の考えがだけが正しい!」とは考えておらず
「自分と真逆の考えや、こうした多様な意見があるなかで
このポジションを選んでいます」というだけという事です。
誰かをむやみに傷付けたりするようなものでなければ
どんな目的で創作活動しようと、応援しようと、
間違いではないと考えてます。
「XXはXXであるべきだ!」という意見はあくまでも
「誰かが選んだ選択肢のひとつであって、全員にあてはまるものではない」のでは
ないでしょうか。
なので違ったポジションの人同士は、争うまでもなく
心の中で住み分けつつ交流できると理想かなと感じます。
では、具体的に分類をしつつ解説してみます。
【参加目的】×【制作報酬についての考え】×【立ち位置(趣味or仕事)】
の組み合わせだけでもかなりのバリエーションがあるので、
ニコ動に個人的、かつ定期的に動画投稿している人のスタンスは
「趣味=無償」or「仕事=報酬をもらう」といった
二元論的なものではないように感じています。
(以下の分類はあくまでざっくり、特に創作表現をする人に焦点を当てたものです。
表現に問題ありましたら修正します。)
【参加目的・・・どこで満足度を得るか】
(1)趣味ー交流A(誰かに褒められることで学校や仕事や家庭からのストレスを解消したいタイプ)
(2)趣味ー交流B(同じ趣味を持つ人との出会いや共作などのコミュニケーションを求めるタイプ)
(3)趣味ー探求A(会社・仕事ではできない企画を個人で実現したいタイプ)
(4)趣味ー探求B(制作力の向上・自己向上のための交流を求めるタイプ)
(5)趣味ー探求C(他人の創作物や新しい文化に関わる事やムーブメントの動向に興味がある)
(6)趣味ー金銭(お小遣い稼ぎたいタイプ。特にこだわらないが、報酬あるならラッキーと考えるタイプ)
(7)仕事ー金銭・名誉(創作の対価で直接収入や仕事を得ることを目的とするタイプ)
(8)仕事ー広告(多くの方に自分の活動や仕事を知ってもらいたい、営業につなげたいタイプ)
【制作報酬について】
・・・この項目は自主的な企画なのか、依頼仕事なのかによっても変わって来るかと思います。
(A)作品提供や企画提案に対価は必要ない
(B)作品提供によって金銭の授受は求めないが、食事などの謝礼があると嬉しい。
(C)基本無償でかまわないが、作者の作品を用いた商品を販売する事で利益がうまれるのであれば、作者に還元してほしい
(D)作者の制作時間・技術提供に対しての報酬は(企画の利益の有無に関わらず)ある程度いただきたい
(E)相手の提示に合わせる / 特に決めていない
【立ち位置】
(i)本業は創作表現(工作/芸術/芸能など含む)職ではない→趣味で創作表現に関わっている
・・・創作表現が好きor得意だが、仕事として割り切った創作が苦手・家庭の事情・収入安定などの理由で別の職種または創作関連の事務仕事などに就いた方、
イベント運営に携わったり、リスナーやコスプレイヤーとして作品を応援している方など
(ii)本業が創作職→趣味で本業と同じ分野の創作などに関わっている
・・・本業で培った技術や経験を生かして、趣味で自由に作っている方や、本業に関する訓練・実験に取り組む方
(iii)本業が創作職→趣味で本業とは違う分野の創作などに関わっている
・・・本業はデザイナーだが趣味で作曲をしている方など、
(iv)本業で創作・芸術・芸能に関する職に就き、仕事の一環でネットに作品投稿をする
・・・アーティストが自分を広く知ってもらう目的で動画投稿・レーベルの方が宣伝の為に投稿するなど
(v)定職についていない→趣味として創作に関わっている
・・・事情があるorお金に困っていない ので働いていないが、趣味で特技を披露したりしている方や
自分では創作しないが、動画投稿者や生主を応援をしている方など
(vi)学生/生徒→趣味として動画投稿を行っているが、創作関連職に就きたいとは思わない
・・・学校でやっている特技をみんなにみてもらいたい・応援や交流目的の方など
(vii)学生/生徒→将来は企業に勤め、創作関連事業に関わりたい
・・・ゲーム会社への就職を目指し、ゲーム関連動画を見て研究したり、ゲーム音楽制作の練習のために作品を投稿している方など
(viii)学生/生徒→将来はフリーランスで創作関連の職に就きたい
・・・歌手・作曲家・イラストレーター・小説家・映像作家などを目指し、訓練のために作品を投稿したり、コネクション形成を目指す方など
ちなみにELECTROCUTICAは
(5)目的で参加する(i)で、報酬に対するスタンスは(C)
=探求目的・趣味で創作活動をしているが、最低限の制作費などは必要とする。
という感じ。
みなさんはどうでしょうか。
完全にどこかのセクションに所属していなくとも、複数当てはまったり
基本的にどこかにウエイトがあったりしますでしょうか。
======================
・このポジションを選んだ経緯
私は大学で美術・藝術専攻でしたが、周りには
かなりの創作表現の技術や能力を持っているけれど
"仕事"として割り切った創作になると全く力が発揮できなかったり、
身体的や環境的な事情で定職に就くのが困難なため、結果的に
せっかく培ったスキルを生かせず、創作を止めてしまうような人がちらほらいました。
社会人の目線で言うと、そういうのは「甘え」の部分が大きくて
創作を続けたいなら、アルバイトなどで制作費稼ぎつつ続けるとか
自分の性質を生かせる場所を探すとか色々方法はあるので
それぞれが自分で解決すべき問題であるとは思いつつ、
けれど「CDが売れない」「本が売れない」など
ネットや携帯電話時代になってコンテンツ消費の在り方が変わり、
旧来の成功スタイルが現在の成功スタイルと合致しなくなって来た事や
現状を疑問視する声が各方面からあがっていたりもしたので
そうした問題を解いてみることには、自分としても興味がありました。
「技術・才能・やる気は持ってるけど、うまく生かせなくて困っている」タイプの人が
創作活動をうまく続けていくためにはどうしたらよいか?
私はそのヒントがネット上の創作活動、とりわけニコニコ動画・VOCALOID界隈にある
気がしたので、ムーブメントに参加をしています。→(5)
ちなみにこれは「不器用なアーティストを助けたい」といった目的ではありません。
自分の活動は「目の前に解けない問題があったので、解いている。」イメージで
どこに問題があって、どうしたら解けるのか?という自己の探求欲のためのものです。
そこに例の「超絶不器用タイプ」であるTreowさんが同じ問題を解いてたので
お互いの情報を交換して解答を目指すような感じのものがELECTROCUTICAという認識で
やっています。
・制作スタンス
去年から色々勉強したり、チャレンジするなかで
しばらく2人とも創作活動を仕事・職業にはしないことにしました。
というのは、自分たちの創作モチーベションが「研究」「探求」なので
創作物を製造すること…たとえば数をこなしたり、
妥協しなければならない状況下で創作することは
相容れない性質があり、本来の力も発揮できなくなるからです。
なので作家として仕事をいっぱいこなして沢山収入を得よう!ですとか
有名になって印税で暮らせるようになりたい!とは考えないのです。
あくまでも趣味・探求として創作をし、自分たちのやりたいようにやる。
そして創作に関する問題の解決に関わる、創作以外の事業を仕事にしています。→(i)
なのでお仕事として関わらせていただくものは、基本「創作以外のこと」になります。
ですが自分たちの趣味と合致する制作や楽曲使用の依頼をいただいた場合は
参加することもあり、そのときの報酬についての考え方は→(C)です。
そうした場合は、「趣味だから云々」という考えではなく
責任を持って行います。
私達が色々勉強をしてきた中で、「あるやり方を実現すれば
作家の創作モチベーションを保ちつつ、創作活動を続けられるのでは?」という
アイディアに繋がってきました。
それは旧来の成功スタイルとは全く別の道でもあり、
なかなか文字での説明が難しいのもあり、ここでは詳細を省略しますが
こうした経験を踏まえ、
成功例や失敗例を書籍にまとめるなどして公表できたら
同じ問題を解いている人にとって
ひとつの指標になることができるのかも、と思い
最近それを目標として動いています。
創作よりも、仕事と勉強に時間を割くようになりました。
(※最近Twitterからいなくなったのは勉強に集中するためです)
その為には、活動の運営費、勉強のための費用がかかったり
自分たちの活動を知ってもらうことも
制作と密接に関わってきますので
→(5)の一環として→(7)→(8)の一部も含まれます。
(=探求と問題解決を体現する為には「創作活動で制作費や活動費を得られる」証明をする必要があるため)
ELECTROCUTICAは法人(会社)ではありませんので、
金銭的な利益のみを追求しない点では「趣味」「同人活動」に近いですが
「できれば少しでも利益を出して参加アーティストさんに多く還元できるようにしたい」とか、
(とはいっても、機材購入の足しになるぐらいなものです。)
利益分は納税もしているので、「自分たちの活動が公益につながるといいなー」とか
そんなことを考えている部分はちょっと特殊なのかも。NPOに近い意識かもしれません。
ちなみに同人活動…オリジナル自主制作について、表面上の単純計算(CD価格×売上)で
がっぽり儲かるようなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、
制作のために様々な出費があるし、利益があっても、
きちんと計上して国に納めるものを納めた場合、
よっぽどの売り上げがない限りはほとんど手元には残らないです。
長くなりましたのでこのへんで区切りたいと思います。
こうした私のスタンスに対し、ご自身の重要視する部分が異なる方々にとっては、
ELECTROCUTICAの活動自体が理解できない、または
気分を悪くされるような方もいらっしゃるかと思いますが
何かを否定するような目的や、私利私欲的なものではなく、
身近な友人や多くの方々が抱えている疑問の解決策につながる可能性のある
「問題を解いている」というポジションであることを
把握していただけると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
創作スタンスについてお伝えしたいと思います。
私がメインの創作発表の場としている「ニコニコ動画」ですが
誕生初期は「2ちゃんねる」的な集いの場として機能していたものが
その後だんだんとオリジナル創作を投稿する人が増えて動画・創作交流SNSのようになってきて
「無償で好きなコンテンツを盛り上げる『同人文化』の歴史と絡み合ったことで成長し
現在、ニコニコ動画には作り手・演奏者・歌い手・踊り手・リスナーなど
自分のつくったものを公開する参加者・視聴者は増え続けている模様ですが
参加する皆さんは、それぞれ活動スタンスや、活動において重要視する点が
微妙に異なっていたりするので、まれに意見が噛み合なかったり
すれ違いが起こることもあるようです。例えばこんな具合…↓
「ニコ動はアーティスト・クリエイターにとって新しいビジネスモデルが形成されている場として興味深い」
「ここは趣味で動画投稿する場所なんだから、金儲けしたい奴は来ないで欲しい!」
「プロもアマも見習いも一緒に発表できる場がある事は素晴らしい」
「何議論して熱くなっちゃってんの?楽しければいいじゃん!」
私はプロアマ問わず、面白いものを作る人を見ると嬉しくなるけれど
「じぶんの特技を披露して、誰かに褒めてもらえたらいいな!」という点を重視している方の場合は、プロアマ問わず誰でも参加できる場であるニコニコ動画の特性から、
「趣味のフットサル大会に出場して好きな子にかっこいいところを見せたいと思っていたのに、
相手チームに元プロの選手が居たことにより惨敗してしまった!(ToT)」
みたいな事があるわけなので、そういうのを嬉しく感じない人もいたり
元々「同人文化=(利益の出ない範囲で楽しむ創作コミュニティ)」に近い形で始まった
VOCALOIDの文化に、バンド文化の方や、プロを目指すクリエイターも参加して
規模が大きくなってきたので、報酬に対する考え方も人によってまちまち。
視聴者さんの応援目的も様々です。
例えば
「動画投稿者の成長を追うのが楽しみ=活躍してどんどん有名になって欲しい」
というタイプの方もいれば、
「動画投稿者とイベントで会えるのが楽しみ=応援してる人が有名になると寂しい」
という方がいたり。あとは「作品に興味あるけど、作った人には興味ない!」などなど。
先日、作曲や歌ってみたカテゴリなどで活動中のロリコム(@loli_com)さんが
「批判意見を執拗に排除するような風潮には違和感がある。
自分は作り手として勉強中なので、関係ない誹謗中傷は困るけど、
素直な批判とか批評は大歓迎。反省・成長するきっかけになるので、
賞賛コメントより批判コメントを貰える事が嬉しい。」
という旨の意思表示・問題提起動画を発表していて、
これは向上目的の作り手にとっては納得できる部分が多いけれど、
例えば学校や会社で辛い事があって、ストレス解消のために
「自分の得意な分野の動画を上げて、反応貰って少しでも心を落ち着けたいな...」
と考えてた人の場合、出来るだけ褒めてもらえた方が嬉しいと思う人がいる可能性もあったり、
受け手側の視聴目的によっても意見が分かれたりする気がします。
==============
私は、自分のスタンスや目指すものについて幾度か発言してきましたが
まずお伝えしておきたいのは、
わたしは決して「自分の考えがだけが正しい!」とは考えておらず
「自分と真逆の考えや、こうした多様な意見があるなかで
このポジションを選んでいます」というだけという事です。
誰かをむやみに傷付けたりするようなものでなければ
どんな目的で創作活動しようと、応援しようと、
間違いではないと考えてます。
「XXはXXであるべきだ!」という意見はあくまでも
「誰かが選んだ選択肢のひとつであって、全員にあてはまるものではない」のでは
ないでしょうか。
なので違ったポジションの人同士は、争うまでもなく
心の中で住み分けつつ交流できると理想かなと感じます。
では、具体的に分類をしつつ解説してみます。
【参加目的】×【制作報酬についての考え】×【立ち位置(趣味or仕事)】
の組み合わせだけでもかなりのバリエーションがあるので、
ニコ動に個人的、かつ定期的に動画投稿している人のスタンスは
「趣味=無償」or「仕事=報酬をもらう」といった
二元論的なものではないように感じています。
(以下の分類はあくまでざっくり、特に創作表現をする人に焦点を当てたものです。
表現に問題ありましたら修正します。)
【参加目的・・・どこで満足度を得るか】
(1)趣味ー交流A(誰かに褒められることで学校や仕事や家庭からのストレスを解消したいタイプ)
(2)趣味ー交流B(同じ趣味を持つ人との出会いや共作などのコミュニケーションを求めるタイプ)
(3)趣味ー探求A(会社・仕事ではできない企画を個人で実現したいタイプ)
(4)趣味ー探求B(制作力の向上・自己向上のための交流を求めるタイプ)
(5)趣味ー探求C(他人の創作物や新しい文化に関わる事やムーブメントの動向に興味がある)
(6)趣味ー金銭(お小遣い稼ぎたいタイプ。特にこだわらないが、報酬あるならラッキーと考えるタイプ)
(7)仕事ー金銭・名誉(創作の対価で直接収入や仕事を得ることを目的とするタイプ)
(8)仕事ー広告(多くの方に自分の活動や仕事を知ってもらいたい、営業につなげたいタイプ)
【制作報酬について】
・・・この項目は自主的な企画なのか、依頼仕事なのかによっても変わって来るかと思います。
(A)作品提供や企画提案に対価は必要ない
(B)作品提供によって金銭の授受は求めないが、食事などの謝礼があると嬉しい。
(C)基本無償でかまわないが、作者の作品を用いた商品を販売する事で利益がうまれるのであれば、作者に還元してほしい
(D)作者の制作時間・技術提供に対しての報酬は(企画の利益の有無に関わらず)ある程度いただきたい
(E)相手の提示に合わせる / 特に決めていない
【立ち位置】
(i)本業は創作表現(工作/芸術/芸能など含む)職ではない→趣味で創作表現に関わっている
・・・創作表現が好きor得意だが、仕事として割り切った創作が苦手・家庭の事情・収入安定などの理由で別の職種または創作関連の事務仕事などに就いた方、
イベント運営に携わったり、リスナーやコスプレイヤーとして作品を応援している方など
(ii)本業が創作職→趣味で本業と同じ分野の創作などに関わっている
・・・本業で培った技術や経験を生かして、趣味で自由に作っている方や、本業に関する訓練・実験に取り組む方
(iii)本業が創作職→趣味で本業とは違う分野の創作などに関わっている
・・・本業はデザイナーだが趣味で作曲をしている方など、
(iv)本業で創作・芸術・芸能に関する職に就き、仕事の一環でネットに作品投稿をする
・・・アーティストが自分を広く知ってもらう目的で動画投稿・レーベルの方が宣伝の為に投稿するなど
(v)定職についていない→趣味として創作に関わっている
・・・事情があるorお金に困っていない ので働いていないが、趣味で特技を披露したりしている方や
自分では創作しないが、動画投稿者や生主を応援をしている方など
(vi)学生/生徒→趣味として動画投稿を行っているが、創作関連職に就きたいとは思わない
・・・学校でやっている特技をみんなにみてもらいたい・応援や交流目的の方など
(vii)学生/生徒→将来は企業に勤め、創作関連事業に関わりたい
・・・ゲーム会社への就職を目指し、ゲーム関連動画を見て研究したり、ゲーム音楽制作の練習のために作品を投稿している方など
(viii)学生/生徒→将来はフリーランスで創作関連の職に就きたい
・・・歌手・作曲家・イラストレーター・小説家・映像作家などを目指し、訓練のために作品を投稿したり、コネクション形成を目指す方など
ちなみにELECTROCUTICAは
(5)目的で参加する(i)で、報酬に対するスタンスは(C)
=探求目的・趣味で創作活動をしているが、最低限の制作費などは必要とする。
という感じ。
みなさんはどうでしょうか。
完全にどこかのセクションに所属していなくとも、複数当てはまったり
基本的にどこかにウエイトがあったりしますでしょうか。
======================
・このポジションを選んだ経緯
私は大学で美術・藝術専攻でしたが、周りには
かなりの創作表現の技術や能力を持っているけれど
"仕事"として割り切った創作になると全く力が発揮できなかったり、
身体的や環境的な事情で定職に就くのが困難なため、結果的に
せっかく培ったスキルを生かせず、創作を止めてしまうような人がちらほらいました。
社会人の目線で言うと、そういうのは「甘え」の部分が大きくて
創作を続けたいなら、アルバイトなどで制作費稼ぎつつ続けるとか
自分の性質を生かせる場所を探すとか色々方法はあるので
それぞれが自分で解決すべき問題であるとは思いつつ、
けれど「CDが売れない」「本が売れない」など
ネットや携帯電話時代になってコンテンツ消費の在り方が変わり、
旧来の成功スタイルが現在の成功スタイルと合致しなくなって来た事や
現状を疑問視する声が各方面からあがっていたりもしたので
そうした問題を解いてみることには、自分としても興味がありました。
「技術・才能・やる気は持ってるけど、うまく生かせなくて困っている」タイプの人が
創作活動をうまく続けていくためにはどうしたらよいか?
私はそのヒントがネット上の創作活動、とりわけニコニコ動画・VOCALOID界隈にある
気がしたので、ムーブメントに参加をしています。→(5)
ちなみにこれは「不器用なアーティストを助けたい」といった目的ではありません。
自分の活動は「目の前に解けない問題があったので、解いている。」イメージで
どこに問題があって、どうしたら解けるのか?という自己の探求欲のためのものです。
そこに例の「超絶不器用タイプ」であるTreowさんが同じ問題を解いてたので
お互いの情報を交換して解答を目指すような感じのものがELECTROCUTICAという認識で
やっています。
・制作スタンス
去年から色々勉強したり、チャレンジするなかで
しばらく2人とも創作活動を仕事・職業にはしないことにしました。
というのは、自分たちの創作モチーベションが「研究」「探求」なので
創作物を製造すること…たとえば数をこなしたり、
妥協しなければならない状況下で創作することは
相容れない性質があり、本来の力も発揮できなくなるからです。
なので作家として仕事をいっぱいこなして沢山収入を得よう!ですとか
有名になって印税で暮らせるようになりたい!とは考えないのです。
あくまでも趣味・探求として創作をし、自分たちのやりたいようにやる。
そして創作に関する問題の解決に関わる、創作以外の事業を仕事にしています。→(i)
なのでお仕事として関わらせていただくものは、基本「創作以外のこと」になります。
ですが自分たちの趣味と合致する制作や楽曲使用の依頼をいただいた場合は
参加することもあり、そのときの報酬についての考え方は→(C)です。
そうした場合は、「趣味だから云々」という考えではなく
責任を持って行います。
私達が色々勉強をしてきた中で、「あるやり方を実現すれば
作家の創作モチベーションを保ちつつ、創作活動を続けられるのでは?」という
アイディアに繋がってきました。
それは旧来の成功スタイルとは全く別の道でもあり、
なかなか文字での説明が難しいのもあり、ここでは詳細を省略しますが
こうした経験を踏まえ、
成功例や失敗例を書籍にまとめるなどして公表できたら
同じ問題を解いている人にとって
ひとつの指標になることができるのかも、と思い
最近それを目標として動いています。
創作よりも、仕事と勉強に時間を割くようになりました。
(※最近Twitterからいなくなったのは勉強に集中するためです)
その為には、活動の運営費、勉強のための費用がかかったり
自分たちの活動を知ってもらうことも
制作と密接に関わってきますので
→(5)の一環として→(7)→(8)の一部も含まれます。
(=探求と問題解決を体現する為には「創作活動で制作費や活動費を得られる」証明をする必要があるため)
ELECTROCUTICAは法人(会社)ではありませんので、
金銭的な利益のみを追求しない点では「趣味」「同人活動」に近いですが
「できれば少しでも利益を出して参加アーティストさんに多く還元できるようにしたい」とか、
(とはいっても、機材購入の足しになるぐらいなものです。)
利益分は納税もしているので、「自分たちの活動が公益につながるといいなー」とか
そんなことを考えている部分はちょっと特殊なのかも。NPOに近い意識かもしれません。
ちなみに同人活動…オリジナル自主制作について、表面上の単純計算(CD価格×売上)で
がっぽり儲かるようなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、
制作のために様々な出費があるし、利益があっても、
きちんと計上して国に納めるものを納めた場合、
よっぽどの売り上げがない限りはほとんど手元には残らないです。
長くなりましたのでこのへんで区切りたいと思います。
こうした私のスタンスに対し、ご自身の重要視する部分が異なる方々にとっては、
ELECTROCUTICAの活動自体が理解できない、または
気分を悪くされるような方もいらっしゃるかと思いますが
何かを否定するような目的や、私利私欲的なものではなく、
身近な友人や多くの方々が抱えている疑問の解決策につながる可能性のある
「問題を解いている」というポジションであることを
把握していただけると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。