第4051回「カイジ2劇場版 人生奪回ゲーム、その1、感想、インチキパチンコ"欲望の沼"」 | 新稀少堂日記

第4051回「カイジ2劇場版 人生奪回ゲーム、その1、感想、インチキパチンコ"欲望の沼"」

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 第4051回は、「カイジ2 人生奪回ゲーム、その1、感想、インチキパチンコ"欲望の沼"」です。パート1では、多数のゲームが用意されていました。"限定じゃんけん"、"鉄骨わたり"、"Eカード"が、それぞれ均等に緊迫感を籠められて描かれていました・・・・(ゲーム経過は、コミックと比べ簡素化されていましたが)。


 パート1について書いたブログのラスト部分を、少し長くなりますが、再掲します。

 『 ・・・・ 確信した利根川(香川照之さん)は、見切ったと豪語し、皇帝カードを切ります・・・。間が取られます。カイジ(藤原竜也さん)の顔に、次第に笑顔が浮かびます。開いたカードは奴隷でした。5億円を手に入れたのです。帝愛に損害を与えた利根川は、地下労働に送られます・・・・。


 屋形船で、祝宴が行われています。客は、遠藤(天海祐希さん)とカイジの二人だけです。紙バッグ5個には、各1億円が詰め込まれています。生ビールで乾杯します。カイジは、ビールの御代わりをします。さらに、うまいと言いながら飲みます・・・・。目が覚めたときには、遠藤はいません。一服盛られたのです。当然5億円はありません・・・・。


 封筒には、30万円ほどでしか入っていません。しかし、それと共に明細書が入っていました。借金とかけ金の立て替え金、それに1分30パーセントの利息が記されていました。それを差し引くと、30万ほどしか残らなかったのです(あくど過ぎます)。天海祐希さんが演じる遠藤が、高笑いしたことは言うまでもありません・・・・。


 パチンコ屋のシーンに移ります。女性店員(吉高由里子)に客からのものだという手紙が届いていました。カイジが、めがねのおっちゃんの遺志を尊重して、1千万円にははるかに届きませんが、今回の賭けの残金を送ったのです・・・・。


(蛇足) コミックでは、カイジは、Eカード勝負で敗れます。その賭けの中で、自分の左耳の鼓膜を賭け金としました。カイジは、鼓膜を失います・・・・。残ったのは借金だけでした。一方、映画は、後味のいいエンディングになっています。パート2では、「ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・」の効果音をもっと使ってほしいものです。 』


 今回、重要な役割を演じるのが、前作で敗れ去った利根川と、メガネのおっちゃんの遺児であるパチンコ店員の裕美(ひろみ)です。時間経過としては、1年以上経っていると思いますが、物語の連続性は途切れていませんので、すんなり入っていけます。

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 パート2で登場するゲームは、"姫と奴隷"、モンスター・パチンコ"欲望の沼"の2種類だけです。"Eカード"もラストに登場するのですが、あくまでエンディングに向けての些細な(?)ゲームとしてしか描かれていません。


 "姫と奴隷"は、フランク・ストックトンのリドル・ストーリー「女か虎か」をゲーム化したものです。従前書いたブログから再掲します。


 『 ある国の若者が王女と恋をした。それを怒った国王はその国独自の処刑方法で若者を罰することにした。その方法とは二つの扉の一つを選ばせることである。ひとつの扉の向こうには餓えた虎がおり、扉を開けばたちまちの内にむさぼり食われてしまう。


 もうひとつの扉の向こうには美女がおり、そちらの扉を開けば罪は許されて彼女と結婚することが出来る。王の考えを知った王女は死に物狂いで二つの扉のどちらが女でどちらが虎かを探り出した。しかし王女はそこで悩むこととなった。


 恋人が虎に食われてしまうなどということには耐えられない、さりとて自分よりもずっと美しくたおやかな女性が彼の元に寄り添うのもまた耐えられない。誇り高く激しい感情の持ち主の王女は悩んだ末に結論を出した。果たして王女の出した結論はどちらであったろう - 「女か虎か?」。 』、もちろん青年に選択権があります。


 このゲームは、劇場版のオリジナルです。カイジは姫役の裕美を信頼できるのか、という展開です。そして、パート2が描いている最大のゲームが、モンスター・パチンコ"欲望の沼"です。完全アナログ・パチンコです。"釘の打ち方"、"玉の大きさ"、"台の傾斜角度"が大当たりを決定します。カイジ・グループと、帝愛グループの一条聖也(伊勢谷友介さん)が激突しますが・・・・。


 見ていて呆(あき)れるほどインチキなのです。それも実にアナログなインチキです・・・・。それが、観客の評価の分かれ目になると思います。ルールは、単純です。たった1個の穴に、1発のパチンコ球を入れれば、打ち手の勝ちです。


 これまで打ち込まれた1個4000円の玉すべでか、勝者のものになります。すでに13億円が持ち越されていました・・・・、という展開です。当然、ラスト逆転につぐ逆転が起きます、はたして勝者はカイジか、一条か・・・・。


 藤原竜也さんの主演作は、「DEATH NOTE」とか「カイジ」的な役回りが多いのですが、ラスト近くの絶叫は、さすがに"蜷川演劇"の優等生だと痛感させられます・・・・。次回、ストーリーについて書く予定です。


(追記) 藤原竜也さん主演の映画について書いたブログは、次のとおりです。

「パレード、感想」 http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10576534287.html

「パレード、ストーリー」http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10576622456.html

「インシテミル、感想」http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10681873924.html

「インシテミル、設定」http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10682218166.html

「インシテミル、ストーリー」http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10682874193.html

「カイジ、感想」 http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10880690489.html

「カイジ、ストーリー」 http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10881086479.html