第2688回「インシテミル、その2、ゲームの設定条件」(本格推理映画) | 新稀少堂日記

第2688回「インシテミル、その2、ゲームの設定条件」(本格推理映画)

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 第2688回は、「インシテミル、その2、ゲームの設定条件」(本格推理映画)です。10人の男女は、奇妙な形の建物に入っていきます。ここで、音声が流れます。携帯電話を含めて、全ての荷物をロッカーに入れるように指示します。そして、「参加を取りやめたいないものは、今すぐ退去するように」とアナウンスが流れますが、誰も出て行きません。入り口がロックされ、これで出入りは不能となりました。


 建物"暗鬼館"は、10の個室がラウンジの周辺に配置されています。建物の平面図は、劇場販売用パンフレットからの引用です。クリックすると少しは見やすくなると思います。10人は、中央のラウンジに入っていきます。食事が用意されています。そして、10人のインディアン人形が円形に並べられています。ここまでは、クリスティの「そして誰もいなくなった」を、忠実に模しています。


 ひとつのインディアン人形が話し始めます。ルールの説明です。ウィキペディアが原作に基づき簡潔にまとめていますので、引用します。映画でも、ほぼ同じルールです。


 『 1. モニターは、〈夜〉(22時から翌朝6時まで)の間は、自分の個室から出てはならない。外や別人の個室にいるところをガードに発見された場合、3回までは警告を受ける。3回警告を受けた者が次に発見された場合、ガードによって殺害される。

2. 事件が起きたら、モニターはそれを解決することができる。〈解決〉においては、直感によらない理由で犯人を指摘し多数決で決定する。


3. 一人以上のモニターが館内にある秘密の通路から外に出た場合、残りの人数が2人になった場合、7日未満で実験を終了することがある。 』


 アルバイト料は、7日間いれば、11.2万円×24時間×7日間=1881.6万円となります。睡眠時間が差し引かれるかもしれませんが、1千万円以上の大金です。そして、人を一人殺せば倍になりますし、探偵として事件を解決すればやはり倍、殺されても倍(亡くなれば遺族に金が行くということでしょうか)、しかも単純に3人を殺せば、8倍(2の3乗)になります。


 しかし、死角のない形で、常に監視カメラが作動していることが説明されます。そのあたりに、ゲームの本質があるようです。ただ、アナウンスは、あくまでこのゲームは、"心理学的社会実験"とだけ説明されていますが・・・・。


 10人は、食事を取りながら、自己紹介を始めます(順不同、名前は映画版をベース)。映画として、先ず最初のキャラクター紹介です。


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① 結城理久彦(りくひこ、藤原竜也さん)・・・・ フリーター、ヒビリな軟弱ものとして描かれていますが、最も常識人です。ストーリーは、一部を除き、彼の視点で描かれていきます。当然、その"一部"が、推理ドラマとしては、くせものです。藤原竜也さんは、「カイジ」、「パレード」など、この類のドラマは、藤原さんのはまり役になりつつあります。


② 須和名祥子(綾瀬はるかさん)・・・・ お嬢様タイプの元OL、コンビニで結城に声をかけたことから、この物語は始まっています。当然、ドラマが進むに連れ、恋愛感情は別にして、結城と行動する機会は増えていきます。


③ 関水美夜(石原さとみさん)・・・・ WEBデザイナー、子どもがいるようです。そして、リストカットの痕が左手にびっしり残っています。常に手首を隠すことのできる長めの衣類を着ています。石原さとみさんは、現在放送中のドラマで"偽霊能師"オダキョーを演じています。この映画でも、重要なポジションにいます。


④ 大迫雄大(阿部力さん)・・・・ 研修医と称していますが、国家試験にはまだ受かっていません。しきりに、このメンバーたちを取り仕切ろうとしますが・・・・。癖のある青年として描かれています。


⑤ 橘若菜(平山あやさん)・・・・ ネイリスト、大迫の恋人。そのため、大迫と常に行動します。「ライアーゲーム」でも同様のことが言えましたが、群れることが、有利にゲームを展開するコツです。結びつきとしましては、大迫-若菜コンビは、最強です。結城-祥子コンビは、いまだ友だち以前です。


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 ここまででも凄いキャストなのですが、次つぎと凄い俳優が登場します。

⑥ 西野宗広(石井正則さん)・・・・ リストラ中年、どちらかと言うと、周辺に不協和音をもたらす人物です。現在問題になっている通り魔事件とか、過去の事件の犯人に、参加メンバーの一部が似ていると言いつのります。「そして誰もいなかった」の10人は、すべて過去に重罪を犯していました。このメンバーも・・・・?


⑦ 真木雪人(大野拓郎さん)・・・・ 大学生、いわゆるイケメン。医師の卵である大迫(④)から、グループに入らないかと誘われます。意外と、しっかりとした性格の持ち主です。


⑧ 岩井荘介(武田真治さん)・・・・ 自己紹介では、名前だけを明かし、一切しゃべることを拒否します。一匹狼タイプの危ないタイプの人物です。当然、中年の西野(⑥)とともに、他のメンバーから反発されます。


⑨ 渕佐和子(片平なぎささん)・・・・世田谷夫人と自己紹介しますが、下町の弁当屋を経営していると、後に告白します。年の功か、人間洞察には優れています。さすが"おばさん"という役を、2時間スペシャルの女王が演じています。かつては、アイドルでした。


⑩ 安東吉也(北大路欣也)・・・・ 建築設計事務所を経営していましたが、今では倒産しています。アルコール依存症と言うよりも、アルコール中毒そのものです。過去に幻覚などもみており、手は常に震えています。やはり、アル中だった父親を持つ結城(①)は、「断酒の第一歩は、とにかく、その一日酒を断つことに尽きる」とアドバイスします。これ以降、結城のよき理解者となります(?)。「ライアーゲーム」にも出演していました。


 そして、第一日目の22時がきます。個室に戻るように、アナウンスされます。今回は、ゲームの設定条件と10人のキャラクターだけの記述に終わりました。映画は始ったばかりです。次回以降、ストーリーを書く予定です。


(追記) 全体的な、実にあいまいな感想につきましては、"その1"に書いています。

http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10681873924.html