ワインの酸味 | ろくでなしチャンのブログ

ワインの酸味

                     ワインの酸味

 

 

 ろくさん、ワインの本を読んでいると酸味が出てくるけど、酸味って酸っぱいってことでしょ。そんなもの要らないんじゃないの?

 

 そうだね。酸は一見関係がないように思えるけど、重要なようだよ。

例えば、葡萄も果実なので果実で考えてみると、糖と酸が作られる。当初は酸が多く、熟するに従って徐々に糖が増し、酸が減ってくる。

 例えば分かりやすいリンゴで考えてみると、実がなってすぐに食べると酸っぱくて食べられない。それじゃー、天候に恵まれて熟すままにしておくと糖度の高いリンゴが出来るのだけど、食べると柔らかく、甘いのだけれども「ぐにゃぐにゃ」で「べちゃっ」としたもので美味しく感じられない。味は平板で生気を失うと言われているんだ。

 そこで、「清涼感」を感じ、「後味がさわやかな切れ味」を感じるためには、適度の酸が必要なようだよ。

 つまり、我々が美味しいと感じる為には糖と酸のバランスが重要になる。酸っぱいと言うのは酸味が勝っていることとなり、バランスがとれ、程良い酸味は「しやきっと」した歯切れの良い味となるようだ。

 別な例を出すと、イチゴにエバミルクをかける人は、苺の酸味に甘味を加えて自分好みのバランスとっている事になるよ。

 

 そうなんだ。重要なのね。酸の役割についてもう少し説明して。


 そうだね。それじゃ食べ物との関係についてみてみようか。食事をしながらワインを口に含むと口の中はすっきり、リフレッシュするよね。肉料理を考えたら脂っぽい成分が洗い流される感じがする。これが水だと、洗い流されるはずだけれどもすっきり感は生じない筈なんだ。多分このすっきり感が食欲を湧かせるのだと思うよ。

 対して、酸味が少ないと最初は飲みやすくて、美味しく感じるのかもしれないけど、飲んでいるうちに飽きてしまう。これが平坦だとか薄っぺらだと表現されるのだと思うよ。

 酸味は味を引きしめるとも言われており、酸味が利いて引き締まったワインを「筋を持ったワイン」とか「筋の多いワイン」と表現する様だ。「力強い筋肉をもったワイン」というのもあるようだよ。

 

 そうなんだ。その酸ってどんなものなの?


 専門的な事は分からないけど、ワインには30種類以上の酸があるらしいけど、葡萄に由来の酸として、リンゴ酸(青リンゴを思わせるようなシャープな酸)、酒石酸、クエン酸(レモンを思わせる様なきつい酸)があり、醗酵により生成されるコハク酸、乳酸(ヨーグルトを思わせる様なまろやかな酸)があると言われているようだよ。

 そこで主要なリンゴ酸についてみると、リンゴ酸は10℃以下で爽やかで美味しく感じるけれども、鋭角的(尖った酸味)な酸味があってタンニンとの相性が悪い。対して乳酸は比較的高い温度で美味しく感じられるためタンニンと相性が良い。

 それじゃー、リンゴ酸を乳酸に変えちゃえということで、マロラクティック醗酵(MLF)をさせるようだ。MLFによりワインは酸味がやわらぎ、複雑味が生じ、香り成分も増加することとなるようで味がまろやかにすると言われている様だね。  

                             MLFの詳細は こちらへ


 ふーん。要するに糖分と酸のバランスのとれた

                  葡萄を収穫すれば良いのね。

 

 それが大変なんだ。未熟な葡萄を収穫すると理想とするワインが造れない。そこで栽培家は葡萄が完熟するのを待つわけなんだ。完熟すると香味成分は増すし、糖分が増す。糖分が増すとアルコールの強い力強いワインが出来る。

だけど、熟しすぎると酸が減少するので収穫するタイミングが重要となる。また、収穫時の天候も考慮しなければならないということのようだよ。

 天候の安定した新世界では、熟した葡萄はとれるけど酸が減少してしまう。

旧世界では酸は大丈夫だけれども糖分がほしい。新世界は糖分は大丈夫た゛けれど酸が無くならないようにしないといけないという正反対の願望があるんだ。

 

 難しいんだね。ところで酸の表現はどんなのがあるの?
 

 そうだね。平板な(平たいもの)⇒だらけた(しまりのない)⇒甘過ぎる⇒ソフトな⇒さわやかな⇒いきいきとした⇒さっぱりとして喉越しの良い⇒クリスプ⇒やや酸味のある⇒酸味が多く引き締まった⇒鈍く刺すような⇒未熟で青い(青い)⇒酸味過多の⇒酸っぱい⇒酢のような 等といった表現をする様だよ。一応一般的と思われる酸の弱から強に至る順番にしたつもりだけれども人によって変わるかもしれないよ。

 

 「青い」と「クリスプ」が分かんない。

 

 青いと言うのは、未熟な場合や、若々しい未熟な葡萄の唾液を誘う酸味を表現すると言われており、クリスプは清涼感があり、ワインにとって好ましい酸を十分に含んだ場合に用いられる用語で、はっきりして、不快に感じない酸とも言われる褒め言葉だね。

 

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