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→「アンチエイジング」 ~老化の原因とその理論~
現在、美容分野における
「アンチエイジング(抗老化)」
において、
その基本的な考え方として捉えられてるのは
・プログラム説
・障害蓄積説
の二つです。
(詳しくは前回の記事をご覧ください!)
肌の老化において最も一般市民の関心が強いのは、
「肌のくすみ・シミ(色素沈着)」
「シワ・たるみ」
だと考えられます。
つまり現在肌美容におけるアンチエイジングでは、
この二つの老化を抑えるもしくは改善させる技術が注目されています。
さて実際のところ
化粧品や医薬部外品に認められる範囲で、
本当にこれらの老化を抑えることは可能なのでしょうか?
今日は肌美容における
「本当に有効なアンチエイジング」
について、
かずのすけ的な考察を交えながら解説していきたいと思います(^-^)
◎「くすみ・シミ」の原因とは
シミやくすみの原因は、
一言でいえば
「メラニン色素の沈着」
です。
これについては以前「美白作用」の記事にて解説しています。
→美白作用① ~色素沈着と美白のメカニズム~
簡単に言えば、
肌が「紫外線」を受けることで、
肌内部で「チロシン」というアミノ酸が酸化され
黒色のメラニンを生成します。
メラニンには集合性のような性質があるため
一部分で活発にメラニンが生成されると、
それがやがてシミとなり残存してしまうようになるのですね。
◎シワ・たるみの原因とは
シワやたるみの原因は様々な要因が考えられますが、
まず第一には
皮下組織の構造体が不足もしくは機能不全を起こしている
ということが言えます。
皮下組織の構造体とは、
つまり
「コラーゲン」や「エラスチン」
と呼ばれるタンパク質で、
これらのタンパク質は
皮膚のハリを維持するための構造体の役割をしています。
コラーゲンやエラスチンは若い肌であれば
「繊維芽細胞」という細胞から問題なく生成されますが、
老化するにつれ繊維芽細胞の細胞分裂が衰え、
これらの構造タンパク質の製造量が減ってしまいます。
また様々な要因により細胞分裂に「エラー」が生じ、
破損したコラーゲンやエラスチンが生成されることもあります。
構造体が正しく機能しなければお肌のハリが維持できなくなってしまい
最終的にシワやたるみが発生するのです。
そしてこの老化を促進するのが、
長波長紫外線(UVA)
だと言われているのです。
UVAは波長が長く、皮膚の奥底の繊維芽細胞域まで到達します。
UVAによって攻撃を受けた繊維芽細胞や構造タンパク質は、
エラーを起こしたり破損したりして
その構造を維持できなくなるのですね!
◎最も効果的な「アンチエイジング」とは
ここまで読めばもうお気づきの方もいらっしゃったとは思いますが…。
それはズバリ
「紫外線を避ける/遮断する」
ということです。
以前「光老化」についても扱っていますが、
→お化粧はするべき?~紫外線と肌老化について~
「日焼け止めを毎日しっかり塗る」
という最もシンプルな対策こそが、
お肌の老化を出来る限り抑制する最も効果的な対処法なのです。
肌を老化させる最も強大な要素が「紫外線」であるならば、
その紫外線を防御することが
最も大きな効果を発揮するアンチエイジングとなります。
◎美白ケアやレチノールについて
美白ケアやレチノールなど
アンチエイジングの方法として最近注目されているものがありますね。
しかしこれらの手法はまだ十分に効果が立証されておらず、
さらに
皮膚への負担が大きかったり
甚大な皮膚障害を発症するリスクがあるなど、
一概に有効な手法とは言えません。
→美白作用② ~美白効果のデメリットと危険性~
→有名会社が販売中止!? ~レチノール化粧品の危険性とは~
また
美白化粧品によってチロシナーゼ活性阻害を起こしている肌や
レチノール化粧品によって代謝活性を起こした肌は
大変脆い状態になるため、
選ぶ化粧品を間違えれば逆に老化を促進することにも繋がります。
化粧品におけるアンチエイジングとして
「安全」でかつ「十分な効果がある」
と現時点で断言できるのは
紫外線対策以外にありません。
現時点で効果が十分に把握できていない下手な化粧品に手を出すと、
結果大変な目に合うことも予想されます。
こういった事態に巻き込まれないためには、
新しい化粧品が出た際には
まずはじっくり様子を見るという賢さが求められます。
◎紫外線対策以外のアンチエイジング
今のところでは十分な研究がなされているとは言えないため、
確実と言うにはまだ早いのですが
ビタミンC誘導体やコエンザイムQ10などの
「抗酸化剤」
を用いるという手法も考えられます。
これは紫外線と同様に皮膚を冒すと言われている
「活性酸素」
を除去する効果があるため、
現在紫外線対策の次に有力なアンチエイジングとして注目を集めています。
しかし抗酸化剤には皮膚刺激を伴うものもあるため、
これも化粧品の選択の際には十分注意が必要です。
特に「ビタミンC(L-アスコルビン酸)」そのものは
強力な抗酸化効果を持つ反面皮膚刺激が強いため、
皮膚塗布用の化粧品として常用するのは難しいでしょう。
活性酸素を除去する物質としてビタミン類やβカロテンなどは
重要な要素ですので、
これらの物質を食物として摂取するのも有効な手立てです。
サプリメントや緑黄色野菜などを積極的に摂取することで
長い目で見れば大きなアンチエイジングにつながるかもしれません。
◎抗老化の研究はまだまだ発展段階
現時点では
化粧品における抗老化として十分な効果を期待できるのは
「紫外線対策のみ」と言っても過言ではありません。
しかし前回の記事でも言ったことですが、
抗老化に関する研究はまだまだ発展段階であり
今後さらなる事実が明らかにされることもあるでしょう。
もしかしたら紫外線以上に注目すべき問題がある可能性もあります。
しかし何より消費者である僕たちが注意しなければならないは、
もし強力な効果を持った抗老化化粧品が実際に開発されたならば、
それはノーベル賞ものの大発明であり
小さな化粧品会社がちまちまと広告しているだけで済むはずがありません。
つまりそういう大きな効果を持ったものが出たならば
必ずメディアで大きく取り扱われるはずです。
逆を言えばメディアが見向きもしないものであれば、
まずその効果はほとんど期待できないということになりますね。
最近の化粧品の謳い文句では
禁句ギリギリの表現が多々見られますが、
そういった胡散臭い表現の化粧品には騙されてはいけません。
保湿作用によってしわを目立たなくする
くらいの効果ならば考えられますが、
使うことで本当の意味で若返る化粧品など
現状では絶対に存在しないのですからね。
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