かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

美容と健康、美髪と美肌にまつわるケミカル裏話を美容に詳しい「化学の先生」が分かりやすいコラム形式で徹底解説!
美容業界を取り囲むウソ情報を見破る術を伝授します。
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「セッケン」



というものをご存知でしょうか。



白く、固形の、独特の香りのする、




↑こんなやつですね。


知らない人などいないでしょう。

恐らく、現在世界で最もよく知られた


「界面活性剤」です。


…え、セッケンって界面活性剤なの??

と思われる美容マニアの方などもおられるかもしれません。


昨今

「界面活性剤不使用!」

という触れ込みと共に販売される

石鹸シャンプーや石鹸ボディソープが後を断ちません。


・カリ石けん素地/石けん素地

・ステアリン酸・オレイン酸・ラウリン酸+グリセリン+水酸化Na


のような表記のあるものはセッケンです。



「セッケン」はれっきとした界面活性剤であり、

化学的にはむしろその代表とも言える化学物質です。



今セッケンは

「手肌に優しい」「環境に良い」「身体に良い」

というような健康的な洗剤として


多くの人々から広く支持を集めています。


肌荒れには「無添加石鹸」が良いとされ、

皮膚科にアトピーで受診したときも「無添加石鹸」を勧められました。


「石鹸シャンプー」なるものも流行しており


しかもその価格の安さも後押しし、


いまや

「セッケン=万能健康洗剤」



という図式はさも当然のことのように世間に理解されています。


しかしこれは、

毎度のことのようですが正しい理解ではありません。


多くの人々は「セッケン」という物質について

間違った認識を持っているのです。




◎「セッケン」ってどんな物質?



セッケンについては実は

高校レベルの化学で十分に学習することになっています。


セッケンとは

「高級脂肪酸のアルカリ金属塩」
(高級…て別に値段が高いという意味ではないです)

です。ちょっと難しいですね。

でも高校化学を履修している方は是非ご理解預かりたいところです。
(化学の先生として)


簡単に話をすれば、

長い骨格を持った弱い酸と、強力なアルカリ合成物です。



    長い骨格の弱酸       強力なアルカリ




こういう言い方をすると、

あの「セッケン」でも

化学物質だなーって気がしますね(笑)


化学の超基本的な「中和反応」の理論として、

「弱い酸」「強いアルカリ」

が反応してできるものは  「弱いアルカリ」  です。


つまり、セッケンとは

「弱アルカリ性」の物質であり、

この基本は全てのセッケンに適応されます。



さて、「弱アルカリ性」という性質は

セッケンの性質の中では非常に重要な性質の一つです。


なぜなら、この性質一つとるだけで、


セッケンという洗剤のもつリスクを十分に表現できるからです。





◎セッケンは危険な洗剤?




多くの方が思い描いているのは、

「セッケンは安全・安心で、

身体に悪影響を及ぼすことなんてあるはずがない」

ということです。


ですが、

これは界面活性剤を専門に研究している人間からすれば、

夢想空想以外のなにものでもありません。




セッケンの持つ弱アルカリ性は、

生体に対して刺激になります。


セッケンが目に入った時に激痛が走りますね。

裂傷にセッケンをつければ痛みますね。


これは、生体の持つタンパク質が

セッケンの持つアルカリ性に変性してしまうからです。




セッケンの持つアルカリ度は、

弱いと言ってもそこそこ強いです。

pH計で測れば10~12弱くらいの値を出します。
(わかる人はこの数値がどのくらいのアルカリかわかるでしょう)



生体の粘膜に含まれるほとんどのタンパク質は

セッケン程度のアルカリ度があれば十分に変性してしまいます。



また、

皮膚表面の常在菌は弱酸性条件で生育できるので、

過度なセッケン洗浄は常在菌の生育環境を著しく乱します。



毛髪のキューティクルという保護膜を固定している

CMCβ層という接着物質は、
弱アルカリに溶解してしまいます。




つまり、セッケンで毛髪を洗浄すると、

毛髪の保護膜が剥離し易い状態になってしまう

ということです。

またそれに伴い剥離しかけたキューティクルは

毛髪表面に凸凹を作るため、

毛髪の摩擦が上がりギシギシになります。
(ご存知の方も多いでしょうが)

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健康毛と剥離しかけたキューティクル



「アルカリ性」というだけでも

これだけのデメリットを有しているセッケンですが、


その他にも


軟水中での洗浄力最強

セッケンの持つ皮脂への洗浄力は

界面活性剤の中でもトップクラスです。

これは石けんがアルカリ性なのに対して人の肌の保護膜である皮脂が弱酸性であるため、

中和反応によって容易に除去されてしまうからです。


単純な洗浄力だけ比べれば、

ラウリル硫酸やラウレス硫酸と遜色ありません。


セッケンでの洗浄後のさっぱり感がその性質を物語っています。

高すぎる脱脂力は、皮膚の正常なバリアシステムを阻害します。



硬水中で泡立たず、セッケンカスを生じる

金属の多い水(硬水)中ではセッケンは洗剤として働きません。

それは水中の金属イオンとセッケンが反応して「セッケンカス」

という物質を生じてしまうからであり、

またこのセッケンカスは金属アレルギーなどの

アレルゲンを生成しかねない物質である為、大変厄介です。




というような側面も持っている洗剤です。


どうでしょうか、

これらの性質を考えれば、

セッケンは生体の洗浄にはどう考えても不向きではないでしょうか。



「石鹸で手を洗うとヌルヌルするのは
皮膚表面がアルカリに溶けているから」
というようなことをいう先生がいますが、
これは間違いです。
石鹸のヌルヌルは界面活性剤の界面活性作用という性質による
物理的な質感ですので、
皮膚が石鹸ごときに溶けることはありません。



実は実際に、
セッケンという洗剤が最も重宝されるのは、

我々生体の洗浄用ではなく、もっと別な用途があるのです。





◎セッケンの長所



セッケンにはメリットとなる性質もあります。


・生分解性最強

「生分解性」とは自然界で分解を受けやすい性質のことですが、

セッケンの生分解性は界面活性剤の中で随一です。

微生物が簡単に分解してくれますし、

食べても毒になりにくいです。

(しかし増えすぎると『富栄養化』の原因にもなるので環境に優しいかは微妙…)



・洗浄力最強

これは別の側面から見ればメリットの一つです。

アルカリ性なので少量で高威力の洗浄が可能です。



・原価が非常に安く、製造が簡単

セッケンは油脂水酸化ナトリウムという物質だけで作れるので

原価が非常に安く、

また材料を混ぜるだけで出来るため

製造が非常に手軽であり、

ハンドメイドなども可能な程です。

(専門家的には絶対におすすめしません。
水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)は劇物です。)







◎セッケンの利用には専門知識が必要



セッケンを僕たちの身体や髪用に使うには、

本来十分な専門知識が必要です。


角質が強靭な
ボディの洗浄に関しては

あまり問題にならないケースが多いですし、

洗浄後皮膚表面がアルカリになっても「皮脂」が分泌される為

通常はすぐにバリヤー機能が回復します。



しかし毛髪などの洗浄に扱う場合は

十分に知識を持っていないとかなり悲惨なことになります。



なぜなら、毛髪は皮脂を分泌できないからです。


その為、セッケン洗浄後には必ず

アルカリを中和する「酸リンス」が必要ですし、

洗浄の際にも、摩擦は厳禁です。

アルカリによってキューティクルがはがれやすくなっていますので、

絶対に通常のシャンプーのようにゴシゴシこすってはいけません。



その他にも、

カラーリング・パーマネント毛には

絶対に使用できない理由がありますし、
(また後日おはなしします)



また皮膚の洗浄であっても、

アトピー性皮膚炎などで広い皮膚疾患を持つ場合

皮脂分泌などが正常でない為、

肌の悪影響につながる懸念があります。

敏感肌・アトピー肌の方は極力使用を避けるべきです。



このように、

セッケンを僕たちの身体用に扱うには

皮膚科学・毛髪科学に関してある程度の専門知識が必要であり、

決して「簡単になんでも使える万能洗剤」ではないのです。




◎セッケンが人気なワケ



僕の今までの記事を読んで頂ければ、

ここからの流れはいつもと同じです。


結局、セッケン人気というのは

メーカーの商業戦略の一つです。


原価が安くイメージが良いセッケンは

実に原価率数%で膨大な利益を生むことが出来ます。

単純に100g:5円とかの原価が数千円に化けます。

元は安いのに高く買ってくれるというわけです。


その為、セッケンメーカーの売り方は実に狡いですね。


「弊社の石鹸シャンプーは無添加で…」

「最初使用感が悪いのはこれまでの化学物質のせいで…」



といった販売文句をどこかで聞いたことがあるでしょう。

使用感が悪いのは紛れもなくセッケンそのもののせいですし、

上の性質を知れば「無添加」であるセッケンの恐ろしさは計り知れません。
(脱脂力を抑止する成分が入っていないのですから)



もちろん、セッケンの中にも序列はあります。

肌なじみの良い油脂から作られるセッケンはまぁ良いセッケンと言えます。

とは言えセッケンの性質としてはほとんど大差ありません。

なのでオリーブオイル石鹸とか馬油石鹸とかありますし

そういうのをメインで作ってるメーカーもありますけど、


基本的に一個1000円以上もするような石鹸を売ってるところは

悪質と言えるでしょう。



数百円単位ならまぁ妥当なメーカーです。





◎100%安全な物質など存在しない


いままで散々合成物質の安全性を説いて、

石鹸みたいな安全(といわれている)物質の危険性を叫んできましたが、


結局どんな物質でもある意味では安全ですし、
ある意味では危険なのです。

ある一側面を見れば安全に使用できても、

別の側面では危険なものとなってしまう。


セッケンであろうが合成洗剤であろうが

使用の仕方次第で安全にも危険にもなりうるのです。



セッケンは生分解性が良いとは言われますが、

それでも500gも食べれば死にますよ。


硬水中では泡立たないのですから、

硬水しか得られない工業現場では非常に大量のセッケンが必要となり、

排水量が莫大になりかえって少量で済む合成洗剤の方が

環境に優しい場合もあります。



どんな物質でも、

そのメリットとデメリットを

うまく天秤に乗せて用途を決める必要があり、


その采配を間違えれば、


安全な物質
気がつけば、

危険な物質に早変わりしてしまうのです。






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