第二楽章 第9回(最終回) 「誕生~カンタービレ(歌うように)」 | 日々のダダ漏れ

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ドラマ10 第二楽章

第二楽章

第9回(最終回)
誕生~カンタービレ(歌うように)

シカゴへ旅立った茉莉だったが、再び奈津美の元
帰ってきた。冬をむかえ、いよいよお腹が大きく
り始めた頃、茉莉に肝臓へのがんの転移が発見
され
る。手術も難しく、抗がん剤治療で出産に備え
るこ
とを奈津美と一登には告げる。そして迎えた鈴
奈の
コンクール当日、客席には鈴奈を見守る奈津
美と一
登。一方、茉莉は急な陣痛で病院へ向かい、
そのま
ま帝王切開手術にのぞむ。駆けつけた歌子
(森山良子)
は泣きながら祈る。そして男の子が誕
生した。名前
は輝(てる)。輝く未来が訪れるように
と茉莉が名
づけた。そこに、奈津美たちがやってき
た。奈津美
は心から祝福する。茉莉も嬉しそうに頷
きながら、
母と雅也に自分の病状を告げると言う。
その様子に
雅也は、何があってもそばにいると伝
えた。久しぶ
りに東京ナショナル交響楽団を訪れた
茉莉と奈津美。
懐かしい練習室で、茉莉はもうずっ
と一緒にはいら
れないだろうと告げる。でも、奈津
美がいるから怖
くないと続ける。ずっと二人で色ん
なことを話して
きたから、まるで二人分記憶がある
みたいに話して
きたから、きっと自分のことを奈津
美が覚えていて
くれるから、心強いのだと言う。奈
津美は、以前に
約束したように「よく出来ました」と
必ず言うから
と伝える。二人は、まだ少しだけある
未来を見つめた。

**********

茉莉) 私、もう、ずっと一緒にはいられないと思う。
    こないだ、検査の結果、腫瘍マーカーの数値、
    また上がってた。でも不思議。怖くないの。
    この子の成長
を見られないのだけは、心残り
    だけど。
でも、心配してない。何でかわかる?
    奈津美が、いてくれるから。あたし達、ずっと
    しゃべってきたね。会う度に。電話
でも。
奈津美) そうだね。バイオリンのこととか、家族の話
     とか。好きな人のこととか。キスしたこととか。
茉莉) 初めて彼と旅行に行ったこととか。
奈津美) ええ? 茉莉、そんなことあったっけ?
茉莉) 奈津美の思い出を、自分のにすり替えてる
    の。それくらい・・・いろんな話をしたから。
    まるで、2人分の記憶があるみたい。
奈津美) わかってる。茉莉のことは、ぜーんぶ。
     いやになるくらい。
茉莉) あの子にも、言ってあげてね。
    そういうのママ嫌いよ。ママは、凄く喜ぶよ。
    ママはずっと、あなたのことを
見守ってるよ。
    代わりに、言ってあげて。
    たとえ、
あたしがいなくなっても。
奈津美) 茉莉?
茉莉) うん?
奈津美) 覚えてる?
     前にさ、約束したこと。もしもこの先、どちらか
     が、先に、逝くことになっても、よくできま
した
     って、最期に言い合おうねって。
茉莉) 覚えてる。
奈津美) 輝くんにも、あなたのママは勇気があって、
     強くって、世界一の美人バイオリニストだった
     って言うから。
茉莉) へへ。それは言い過ぎ。写真見ればバレる。
奈津美) 茉莉~
茉莉) ん?
奈津美) お願いだから、そんなに早く逝かないで。
     お願いだから、もう少しそばにいて。お願い。
茉莉) そうだね。まだ、早いよね。
    まだまだ、頑張らなくちゃ。
奈津美) うん。まだ、まだまだ時間はあるよ。
茉莉) まだ、ある。
奈津美) たくさんあるよ。
茉莉) 奈津美、泣かないで。

**********

鈴奈ちゃん。
この長い手紙も、そろそろ終わろうとしています。
あなたがこれを読む頃、私はもう、いないかもし
れません。
でも、どうしても、最期に言いたかった。
あなたの隣にいる友達を、あきらめないで。
たとえ、一時信じられなくなって、
離れ離れになったとしても、彼女は助けてくれる。
あなたのお母さんのように。

**********

奈津美) どう? どんな気分?
茉莉) うん。変な感じ。弾くのが怖いような。でももう、
    待ってられないような。嬉しくて、破裂しそう。
奈津美) あたしもよ。聴くのが怖いような。
     でも、聴きたくてたまらないの。
一登) さっき奈津美と話してたんだ。もしかしたら、こ
    の日のためかもしれないって。俺達が音楽をや
    めて、普通の家庭を持ったのは、今日の演奏を
    聴くため。一聴衆として聴いて、いつでもそれを
    思い出すため。
茉莉) そうかもしれないね。今までいろんなことがあ
    って、泣いたり、笑ったり。忙しかったけど、ぜ
    ーんぶ、今日のためなのかも。
奈津美) いいね、そういうの。
茉莉) うん。
奈津美) 昨日があって、今日があって、だから、明日
     がある。そう思えたら・・・どこまでも進めそう。
茉莉) 進むよ、私。昨日よりも今日、今日よりも明日。
    進み続ける。そう思えたら、なんか強くなれる気
    がする。
奈津美) うん。
一登) もう十分強いと思うんだけど。
    それ以上強くなるの?
茉莉・奈津美) うん。もちろんよ。
一登) 敵わないな、2人には。
茉莉) ねえ、奈津美。一緒にステージに上がんない?
奈津美) え?
茉莉) 行こう。

**********

新しい命の誕生と、限られた命と。いいことと悪いこと
が同時に訪れるような。ドラマだからドラマチックでも
しょうがないのだけれど、ドラマじゃなくても、誰にでも
死は訪れるものなのだけれど・・・まだまだ、生きてい
く二人の友情の姿を見ていたかったなあと思って・・・。
そういう意味ではまだ、明るい「生」を感じさせるラスト
でよかったです。その前のシーンで涙涙だったので、
涙で終わらなかったのはよかった。できれば、最期の
茉莉の演奏を奈津美と一緒に聴きたかったけれども。

昨日があって今日が、今日があって明日が。そして、
昨日よりも今日、今日よりも明日へと、進み続ける先
に、「よくできました」「よく頑張りました」って言える日
が来ればいいと思う。そうありたいなって、思います。


第8回 「決心~フォルテピアノ(強くすぐに弱く)」
第9回 「誕生~カンタービレ(歌うように)」


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