第二楽章 第5回 「記憶~クレッシェンド(だんだん強く)」 | 日々のダダ漏れ

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ドラマ10 第二楽章

第二楽章

第5回
記憶~クレッシェンド(だんだん強く)

奈津美が家を出た。奈津美のいる場所に思い
当たった
茉莉は、奈津美に会いに行く。湖畔で
二人は16年分
の思いをぶちまけ始める。

**********

奈津美) あたしあの時、わかってた。
     あなたが、彼のこと好きなこと。
     だけどさあ、あの頃のあたしは今よりも
     っとずーっといい加減で、フタしたの。
     別に、はっきり言われたわけじゃないか
     らって。ズルかったよね。ゴメンね。
茉莉) だったら、あたしも白状しないと。
    あの頃、あなたのバイオリン、最高だった。
    負けるかもって怖かったんだと思う。
    だから、あんな・・・。今でも耳に残ってる。
    最高の、音色だった。
奈津美) だけど今は・・・見てよ、この状況。
     どうしよ。帰りたくない。
     シカゴで会ってたなんて知らなかった。
     あの人も、きっとあなたに、惹かれてた
     のね。なんか知らない人みたい。どんな
     人だっけ、あの人。なーんかもう、よくわ
     かんなくなってきちゃった。
茉莉) 一緒に、思い出してあげようか。

**********

奈津美) そしたら、あいつ、何が欲しいんだ?っ
     て。何でもあげる。今まで大事にしてきた、
     音楽も、何にもいらない。君と、お腹の子
     のためならって。・・・なーんにもいらない。
     二人さえいてくれればって。
茉莉) そこから先は、知らない。
    あたしの知らない、あなたたち。




茉莉) ねえ?
奈津美) うん?
茉莉) 前にさ、言ってくれたじゃない、私に。
    まわりにどう思われようと関係ない。
    よくできましたって言えればいいって。
奈津美) うん。自分自身に?
茉莉) そう、最後に。
奈津美) 最後に、
     この世に、はいさよならって、言う時に?
茉莉) 言おう? 
    今のままさ、自分たちが選んだ道信じてさ、
    よくできましたって、言い合おうよ。どっちが
    先に逝くかはわかんないけど。ね?


**********

一登) 何してたんだよ。わかってるのか?
   帰ってきたじゃないよ。何考えてるんだよ。娘
   のことはほったらかして、ろくに連絡も寄こさ
   ないで。いいか、二度とこんな勝手な真似は
   するな。何か思ってるなら、ちゃんと俺に言え。
   じゃなきゃ、どうにも対処できない。
奈津美) 何もそんな言い方しなくったって。
一登) ビックリするんだよ。急にいなくなられると。
    やってけない。お前なしじゃ。
    だから、必ず話は聞く。二人でいられるよう、
    全力で努力する。
当然だろう、そんなこと。
    なんだよ。
奈津美) ふふ。




一登) なんだそれ。
奈津美) 二度と、よそ見はしないで。
一登) ゴメン。

**********

こだわりは人それぞれ。ずっとわだかまっていた
ことも。それは秘めた恋だったり、秘めた野心だ
ったり、ささいなことだと思える時もあれば、一生
忘れられないような気もしてしまう、そんな自分
でもどうしようもなくこだわってしまう気持ち。でも、
だからこそ、そのこだわりを認めて、あやまって
もらえたときに、ようやく、ずっと心に刺さったまま
だった氷の刺が溶けていく。喧嘩できる、そして、
仲直りできる、それこそが、友達である証として。

運命が、正しいのか間違っていたのか、それは
きっと、最後にわかること。最後の最後に、「よく
できました」と自分自身に言えればいい、ものな
のかもしれない。運命は、なるようになる。そうな
るようにできている、と、なんとなく私もそう思う。

一登と奈津美の、仲直りする夫婦の会話がよか
った。奈津美の突然のキスも、ビックリする夫も。
伝わるように会話できる夫婦でいたいものです。



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