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アツシは 破れかぶれの気持ちで ユミに 恐る恐る 尋ねてみた。



「 今日は ユミさんが 今まで 行ったことも ないような 超庶民的な 店へ 連れて行ってあげるよ。 コウタロウとは 絶対に行けないような ディープな 所だよ(笑)。 ユミさんには 相応しくないけど 話のネタになって 少しは 楽しめるはずだよ。 」



そして アツシは ユミを いつも自分が通っている 下町の 安い 汚い(?)定食屋へ 連れて行った。



ユミは その定食屋では 掃き溜めに鶴のように 一人だけ 輝いていた。



店にいた 客達も みんな ずば抜けてキレイで この店に相応しくない ユミに ビックリして 見とれていた。



本当に キレイだった。



ユミの ドレスのような素敵な 装いも この店には 一見 相応しくなかった。



でも アツシと ユミは 鯖味噌定食と とんかつ定食をとって 二人で分け合って 食べた。



アツシは 言った。



「 こんな店で ゴメンね・・・。 でも この店 本当に 美味しんだよ。 」



ユミが 小声で 答えた。



「 このお店 本当に 美味しいわ。 それに こういう店・・・、 私は 好きよ。 本当に みんなが リラックスして 食事を楽しんでいる感じが 素敵。 」



ユミの 定食屋に対する 比較的 好印象だといった 言葉に アツシは 正直 ホッとした。



それと同時に ユミの アツシのことを 気にしてくれて  こういう風に 言ってくれたと感じて ユミの優しさが 凄く 嬉しかった。



その晩は 食事をして 安い 喫茶店で コーヒーを飲んで ユミを 豪邸の近くまで タクシーで 送った。



家の前まで タクシーで 送ろうとしたが ユミは 「もう 大丈夫よ。」と言って 大きな 通りで 降りた。



そして 自宅の方角に 向かって帰って行った。



残っているお金も ギリギリなので ちょっと走って、アツシも タクシーから 降りた。



( ここからは 歩いて帰れなければ・・・・、 遠いなあ・・・、 でも ユミちゃんは 本当に 良い子だなあ。 )



アツシは 遠い道を 歩きながら 色々と 考えた。



ユミは 本当に 素敵な パーフェクトな 女性だった。





( つづく )







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