『豊臣秀次』

今回は豊臣秀次公をご紹介
NHK大河ドラマ『江～姫たちの戦国～』では北村有起哉(きたむらゆきや)さんが演じられていますが
個人的にこの北村さんの秀次は適役だなぁと思っています声がかなりシブイのが

話の中では江姫の二番目の夫羽柴秀勝の兄としてその死後の後見役という形で結構本編に絡んでいます

酔っ払ってでてきて江に絡むややコミカルな役回りなのですが出てくると目で追ってしまう存在感がありますし、秀次の肖像とも雰囲気が近い気がして個人的には好きです
あとは巷間言われるように()女グセが悪いってトコを入れて上野樹里･･･じゃなかった江にセクハラすれば完璧

まぁ「殺生関白」なんて悪名ひろまったせいで巷間評判がよくない秀次さんですが
かなり文化人的素養を多分にもっていたようで、古典籍の保存と修復に尽力したことが知られ
あの辛口な人物評で有名な宣教師のフロイスさんも思慮深い性質の持ち主と評しています

今後の名誉回復が期待されます

イラストは肖像画といちおう北村有起さんのイメージのつもり

※豐臣秀次(とよとみひでつぐ)　三好孫七郎信吉(みよしまごしちろうのぶよし)、右近衞中将(うこんえのちゅうじょう)、參議、關白、

豐臣秀吉の姉ともと彌助の長男。秀吉の養嗣子。
最初淺井長政の元被官宮部継潤(みやべけいじゅん)の養子となる。

天正９年(1581)頃、土佐の長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)の攻勢に押された阿波の三好康長が秀吉の後ろ盾を請うてきて、その養子となり三好信吉(みよしのぶよし)を名乗った。

天正１０年(1582)、惟任光秀(これとうみつひで)との山崎の合戦に初陣。
天正１１年(1583)、柴田勝家 (しばたかついえ)に呼応して挙兵した滝川一益(たきがわかずます)の抑えとして、大将として伊勢嶺城(みねじょう)を攻撃した。

天正１２年(1584)、小牧の役において秀吉へ徳川家康本国への奇襲を献策。別働隊大将として出陣したが長久手において捕捉撃滅された。自身は堀秀政(ほりひでまさ)隊の活躍で辛うじて助けられたが、池田恒興(いけたつねおき)・元助父子、森長可ら諸将を戦死させてしまい秀吉の叱責を受けた。

天正１３年(1585)、紀州攻略、四国平定において戦功著しく、先年の小牧長久手での失敗の名誉回復を得た。
この効により秀吉より近江４３万石を与えられた。
天正１８年(1590)北条氏政(ほうじょううじまさ)相手の小田原征伐において、緒戦の伊豆山中城攻略に大功あり。この功により尾張・北伊勢１００万石を与えられた。

天正１９年(1591)秀吉の実子鶴松が３歳で夭逝すると、その養子となり内大臣關白へ除せられその後継とされた。

以降、独自の政権を樹立し秀吉後継としての立場強化に努めた。

文禄２年(1593)８月、秀頼が誕生すると秀吉との関係が微妙となる。
また、この頃秀吉への謀反や悪口の類いの風評が立った。
結局高野山へ追放され、文禄４年(1595)７月１５日切腹した。享年２８歳。

その首級は三条河原に晒され、その前で秀次の子らと正室・側室など３９人が斬首された。

この秀次自害後も周りをかなり巻き込んだ大がかりな粛正の嵐が吹きまくりました
また、関係者をその首級の前で斬殺さるなど、前年の利休の首級をその木造に踏ませて晒したのに続き、かなり鼻白む趣味の悪い演出でしめくくりました

ここから「血を見るのが嫌い」と公言していた秀吉の所業とは思えないとして、この血祭りを取り仕切った石田三成ら奉行衆の方へ諸人の嫌悪感が向いたと思われ、後年の豊臣政権に暗い影を色濃く残しました

代表的な例として愛娘駒姫を失った山形の驍勇最上義光のケースをご紹介
駒姫は秀次に召されて上洛してきたところでこの事件に巻き込まれてしまい、まだ側室となっていなかったにもかかわらず処刑されてしまいます。
これを深く恨んだ最上義光は後年の関ヶ原の役では迷わず石田三成に敵対
三成が家康本拠江戸城抑えの切り札として大いに期待していた、上杉景勝の家宰で親友の直江兼続の前に大きく立ち塞がりました
結局、直江兼続は５倍もの兵力を擁していながらも、小勢の最上義光に手玉に取られてしまい、なんら戦局に寄与せず終わりました。

因果応報といえる話ですが、報いを受けるのは三成でよかったかどうかは議論があるところでしょうか…