ここ2週間ほどのうちに同じ本を2冊発送しました。
いじめや自殺、最近の報道を見て
心を痛めている人は多いと思います。
いじめは子どもだけではなく大人の社会にもあります。

子ども達にはどのように投げかけ、どう考えてもらいたいか・・

永遠のテーマを扱った絵本です。

レイフ クリスチャンソン, Leif Kristiansson, Dick Stenberg,
二文字 理明, ディック ステンベリ
わたしのせいじゃない―せきにんについて
岩崎書店 あなたへ 6

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学校のやすみじかんに

あったことだけど

わたしのせいじゃないわ


はじまったときのこと みていないから

どうしてそうなったのか

ぼくはしらない


ほんとうは わたし みたの

だからしっているの

でも とにかく わたしのせいじゃないのよ


ぼくはこわかった

なにもできなかった

みているだけだった


おおぜいでやっていたのよ

ひとりではとまられなかった

わたしのせいじゃないわ


おおぜいでたたいた

みんなたたいた

ぼくもたたいた でも ほんのすこしだけだよ


はじめたのは わたしじゃない

ほかのみんなが たたきはじめたのよ

わたしのせいじゃないわ


自分のせいじゃないか

その子が かわっているんだ

ほかの子はみんな ふつうなのに


考えることがちがうんだ

ぜんぜんおもしろくないんだ

自分のせいだよ


その子は ひとりぼっちで立っている

おまけに目をとろんとさせて

泣いているんだ


泣いている男の子なんて

さいていよ

おもしろくない子なのよ


先生に いいつければいいのに

よわむしなのよ

わたしには かんけいないわ


そんなことがなかったら

その子のこと ほとんどわすれていたわ

なんにもいわないんだもの


ひとことも しゃべらなかった

ぼくたちを みつけていただけだった

さけべばいいのに


たたいても わたしは へいきだった

みんな たたいたんだもの

わたしのせいじゃないわ


わたしのせいじゃない?


戦争や公害・原爆・飢餓の写真 


・・・・でこの本は終わります。

写真は「おとな」へせきにんを問いかけています


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訳者あとがきには

スウェーデンで生まれたシリーズの1冊

原書では15刷以上のロングセラー

広い意味での「人間の生きた方」を扱いふとしたきっかけから

深い思索を誘うタイプの内容

中略

いじめの状況と、その責任のなすれあいが描かれ、

後半の写真は多くのことを語りかけています。

日本でもいじめは深刻な社会問題になっています。

事態を改善するために話し合うきっかけとして、

教室で、家庭で、この本が生かされることを願っています



「人権教育読本 にんげん 指導の手びき」 明治図書

の中で教材として紹介しています
http://www.meijitosho.co.jp/shoseki/tachiyomi.html?bango=4-18-070004-2


2 わたしの せいじゃない―せきにんについて―

一 教材設定の意図
 人権にかかわるさまざまな課題を考えたとき、とりわけいじめや人間疎外の問題では、加害者と被害者という視点だけでなく、まわりにいる傍観者的な立場(第三者的立場)の者の行動が課題解決につながる鍵となっている。
 「直接にいじめる側に立っていないので、自分には何も責任がない」という考え方は、往々にして陥りがちな落とし穴である。しかし、被害者の側からは、傍観者的な立場に立つ者も、いじめに加担している者として認識されることも多く、結果として、いじめを助長していることにもなる。
 本教材は、身近な例として「いじめ・人間疎外」を取り上げ、一人で泣く男の子に対してのまわりの子ども(ひとりひとり)の言い分を通して、みんなの責任ということを考えさせるものである。差別の構造について考える教材としても、あるいは、身近な学級・学年のさまざまな問題について、少数者や立場の弱い者の状況に立って考えることの必要性を確認する教材としても活用できるものである。

二 教材の焦点
 どのページにも中央には、みんなに背を向け泣き続ける男の子の同じ姿が描かれ、そして、まわりの子どもたちの言い分が、一ページで一人ずつくり返す構成になっている。どの子の言い分も、自分のとった行動を正当化しようというものであるが、「みんながたたいたから、自分もたたいた」という言葉から、子どもたちの考え方がゆさぶられ、自分たちの身のまわりでの出来事についても考えはじめる。「みんながしているから……」という言葉に隠されてしまう各自の責任ということについて深く考えさせたい。
 結論が明示されていない作品なので、吹き出しのあるワークシートなどを用意し、この物語の続きとして、「もし、あなたが最後のページをつくるとしたら?」という展開も可能である。
 また、原本は十五ページからなるショート・ストーリーなので、できれば原本全体を読み合う場面も設定したい。さらに、原本では、絵本の部分の続きに、戦争や公害をテーマにした写真も六点紹介されている。人間の生き方だけでなく、社会のさまざまな問題にも目を向けるきっかけとしても活用したい。


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ミニーの学校の朝礼時でのこと、

行くタイミングを逃したのでしょうか

失禁をした子がいました

クラスの子は気づきさりげなくカバーしたそうですが

他のクラスで気づき周りに触れ回った子がいました

先生は触れ回った子をすぐに呼び出し、話をされたとのこと


いじめに繋がるかもしれない、
学校へ行きたくなくなるかもしれない芽の部分を

敏感に感じ取り、素早く対応していただけたこと。


私はそれを聞いて本当にほっとしました。