ペット・セメタリー | KURI of the DEAD

ペット・セメタリー

アメリカの田舎町にある「ペットの墓場」にまつわる伝説を描いた作品。原作・脚本は新作映画『ミスト』で話題の“キング・オブ・モダン・ホラー”スティーブン・キング。


【STORY】
医師ルイスは、妻と2人の幼い子どもとともに、アメリカ・メイン州の郊外にある田舎町に引っ越してきた。とある休日、向かいに住む老人
ジェドから連絡があり、ルイスの娘エリーの飼っている猫が死んだことを伝えられる。どのようにして娘に伝えるべきか困惑するルイスを見たジャドは、ペット用墓地のさらに奥深い山の中にあるインディアンの墓地を案内し、そこに猫の遺体を埋葬するようにいう。翌朝、猫は生き返ってきたが、整然の姿とはまったく違い凶暴化していた。そこに遺体を埋めると、死んだものが蘇るが生前とはまったく違った性格になってしまうのだった。数日後、ルイス一家とジャドが食事を楽しんでいるさなかに、ルイスの息子ゲイジが大型トラックに轢かれて死んでしまう。ルイスは、ジャドの警告を無視してインディアンの墓地にゲイジの遺体を埋めることを決意する。


【REVIEW】
スティーブン・キングがあまりの不気味さゆえに作品完成後、しばらく世に送り出すのを控えたほどのいわくつきの作品?が原作。


息子を突然の事故で死なせてしまった男が、その悲しみゆえに禁断の領域へ足を踏み入れてしまうストーリー。
「トラック来てる!来てる!」と思わず叫んだ人も多いだろう。


ホラー映画では、その恐怖を生み出す因果関係として「悲しみ」という要素は欠かせない。どんな善良な人間でも、想定外の深い「悲しみ」によって、我を忘れた行動に走り、結果、後戻りできない異常な事態に陥ってしまうのである。そして最後は「悲しみ」が「悲しみ」を生み出してしまうのである。


今回も、死んだ愛する息子を蘇らせるというホラー界伝統の設定。古くは『フランケンシュタイン (原作)』、そして『死霊のしたたり 』『バタリアン・リターンズ 』から続く王道中の王道。この設定を「フランケンの法則」と命名しよう。ダメかな?


原題は『PET SEMATARY』。本来の「墓」という単語のスペルは「SEMETARY」である。作中に実際に登場するこの墓の看板は、子供か誰かが誤って書いたらしく「SEMATARY」になっている。そのため、作者のスティーブン・キングは誤ったスペルの看板をそのままタイトルとして採用したのである。

日本語訳の書籍のタイトルは、確か誤ったスペルをそのままわざと?誤ってカタカナ表記にして「ペット・セマタリー」になっている。非常にややこしい話だが。


さすが、スティーブン・キングだけあって、全体のストーリーはよくできている。前述したように、ただ単に不条理な恐怖を描くだけでなく、そこに行きつくまでの「悲しみ」、そして結果生まれる「悲しみ」を見事に描いている。グッド・グッド。


ラストは救いようのない切ない展開。蘇った子どもが再び息絶える際の、凶悪な顔が印象的。まだどこかであの子どもは自分の息子であると信じていた父親にとどめの一撃をさすような瞬間だった。あぁ、無情。


この作品には続編が存在し、『ターミネーター2』でブレイクしたエドワード・ファーロングが出演しているが、残念な作品になっているので、あまりおススメはできない。


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【MARKING】
オススメ度:★★★★★★★7
えげつない度:★★★★★5
後悔先に立たず度:★★★★★★★★8
禍々しい度:★★★★★★★7


【INFORMATION】

・原題:PET SEMATARY

・製作年:1989年
・製作国:アメリカ
・原作:スティーブン・キング
・製作:リチャード・P・ルービンスタイン
・監督:メアリー・ランバート

・脚本:スティーブン・キング
・特殊メイク:ランス・アンダーソン、デヴィッド・アンダーソン

・出演:デイル・ミッドキフ、フレッド・グウィン、デニーズ・クロスビー、ブレーズ・バダール、ミコ・ヒューズ


petsematary



















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