道北ヤブ山日記

主に道北の山を中心に登ってます。その理由は情報が極めて少ないからです。 情報過多の現在においても、道北の山はブラックホールのように情報はありません。 だからこそ、この目で確かめてみたいと思って行動しています。

ピークを多く踏むよりも、縦走する山行が好きです。 

 


↓↓最近の山行↓↓

3月10日 加車山-丸山(白老町)

3月10日 来馬岳(登別市)

3月3日 オロフレ山-北ルート

2月25日 冷水岳(八雲町)

 

2011年から2024年の山行一覧はこちらから


 

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近況

 

3月中旬に母が倒れて危険な状態が続いてましたが、遂に帰らぬ人となりました。

 

年度末と時期が重なってバタバタでしたが、無事に母を送り出すことができました。

 

その後も何だかんだと諸手続き等に追われて、ようやく一息ついたところです。

 

快晴が続き、街から見える大雪山の白いの山並み。

 

以前は登山対象としか思えませんでしたが、今回はその存在で心が洗われ癒されました。

少しゆっくりしたいところですが、時間は容赦なく進みます。

 

年度初めも押し寄せる仕事で疲労が抜けないままです。

 

体調管理に気をつけねばと思っております。

 

出張滞在先で見る桜は、何故だか心に沁みます。

 

少し落ち着いたら山を再開すれば良いといったスタンスです。

 

ブログもまた然り・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

冷水岳(八雲町)ー2024.2.25

冷水岳(八雲町)ー2024.2.25  (2名)

 

冷水岳は遊楽部山塊の南にある1175mの山。

 

2023年7月に岩子岳イワナ沢上流部から見る冷水岳。

ひと際高く聳える姿が印象的だった。

 

2024年2月、道南遠征に当てた三連休。

初日に島牧神威山で疲れ果て、中日で今金の坊主山で体調を整えてから、最終日をメインイベントの冷水岳とした。

 

当初は見市温泉から国道脇の尾根を使う予定ルートだった。

このルートなら下山後にそのまま温泉直行できるところが乙と思えた。

 

岳友と現地で再開し、斜面を見て唖然・・・。雪が全く無い。

最近の高気温、更には南斜面のために嫌な予感がしていたが、見事的中した格好だ。

まさか2月にルート変更を余儀なくされるとは・・・・。

 

取り付き斜面を物色しながら八雲側に移動すると、結局見市トンネル南出口が出発点となった。

記録の多い既存ルートとなったが、雪があるだけマシであり、ピークハントと割り切って登り出す。

 

足回りの判断が難しい。

ツボは前提であるが、保険に何を持つか。シューなのか、或いはワカンなのか・・・。

自分は軽いワカンを選択。一方の岳友は重いスノーシューとのこと。

 

Co700で主尾根に乗ると、北西方向に山頂が見えていた。

これより先はS字カーブを描くような稜線歩きに変わっていく。

 

ペンケ岳岩子岳

高度を稼ぐと、視界が次々に広がって、飽きることが無い。

立ち止まっては景色を眺め、ゆっくり写真を撮りながらの登りとなった。

時間に追われた一昨日の島牧神威山の時とは正反対の余裕ある山行だ。

 

南側には雄鉾岳や三角山をはじめとした山並み。

日帰り山行ながら、50リッターオーバーのRIPENザックにシューを括って登る姿は、とても今流行りの山スタイルとは思えない。軽量化と無縁で安全優先の姿勢は、体力あってのものだ。

流石は質実剛健、筋金入りののガチ山女子。

 

地図の通りに広がる、松前半島の海岸線。

 

北に見える1143コブ。

 

次第に新雪の積雪量が増え始め、ツボでは微妙な抜かり方だった。

膝上になったらワカン装着との判断としたが、結局は最後までツボで押し切った。

下部はツボ有利、上部はスキー有利の尾根。

積雪が多い時期ならば、スキーでも登頂可能だろう。

 

冷水岳山頂。

北側にある遊楽部岳は、2週前に太櫓岳から見た荒々しい姿とはかけ離れ、優しい姿をしている。

4月辺りであれば日帰りピストンも十分可能と思われるが、果たして取り付き尾根の雪はどうなっているだろうか。

 

.白水岳と青い日本海。そして奥尻島。

 

残雪期には得られない純白の景観は満足感高し。

 

 

ルートはシンプルで勝負早い。

充実した三連休道南三連荘を終えて帰旭。

 

 

 

坊主山544m(今金町)ー2024.2.24

坊主山544m(今金町)ー2024.2.24  (単独)

 

道内には坊主という名の山が多く、自分も様々登っている。

今金町や長万部町にも、複数の坊主山が存在していて、一体○○坊主山と呼べば良いのかしら・・・。

 

今回登るのは、長万部町と今金町の境界稜線上の坊主山544m。

位置的にはルコツ岳の北にある。

ルコツには一等三角点があるが、山の形は坊主の方が上で良く目立つ。

 

昨秋にヤブで登ったルコツ岳より見る坊主山。貴重な無雪期写真?(笑)

 

記録を調べると主に積雪期にルコツ岳とのセットモノが多いようで、他にはピリカスキー場からの記録もあった。

それなら自分は記録のない西ルートを計画して現地に向かう。

 

スタート地点は今金町花石地区の神社付近。

花石という地名は以前は珍古辺だったらしいが、チンコベという響きが下品と言う理由で改名されてしまったとのことだ。

計画ルートは△289ー374コブから山頂へ向かうもので、小さなアップダウンと複雑そうな地形が特徴。

 

神社近くから延びる道路を上がると牧場となった。

白い太陽が見えているので、天気はまずまず。

雪面は硬くツボで歩いた方が楽そうだが、取り敢えずスキーで進む。

 

Co200付近の小尾根は予想していた通りにガチャガチャしていて木っ端だらけ。

小尾根は方向を変えながら繋がっている。迷うとすれば下りかもしれない。

スキーのアドバンテージは特に無く、デポを何度か考えたが結局は我慢して押し通す。

 

△289の登りでゴチャつき尾根が終わると、断然歩きやすくなる。

北側の展望も開け、長万部岳方面の白い山並みが見えた。

 

△289の先でドッカーンと広大な斜面に変わり、開放感満点の気持ち良き空間。

374mコブの奥には目指す坊主山が見えた。

本峰手前まで樹林帯との予想は良い方に外れ、嬉しい誤算である。

 

右手には最近設置されたと思われるアンテナが近い。

地形図には記載されておらず、地形と位置関係から読み解くと、△350.4の山上にあるようだ。

△350.4の三角点名は珍古辺2である。尚、坊主山の点名は珍古辺。

ありがちな坊主山という名より、珍古辺山の方しっくりするが、チンコベという読みが微妙といえば微妙か・・・・。

 

植林地のウザい374mコブを越えると、疎林に変わり、最後の登りを残すだけだ。

ガリガリ斜面にスキーアイゼンを効かせる登りとなったが、雪質が良い時期は絶好のスキー斜面となろう。

 

坊主山544m山頂。

南側に続く稜線上にルコツ岳がある。

坊主山ほどのインパクトは無い。

 

東斜面はすでにいたるところで全層雪崩が起きていた。

 

次第に西から雪雲が近づいてきていた。

辿ってきた尾根を見ながら、西斜面を滑り、足早に車まで帰還する。

 

ルートはこんな感じです。

 

 

 

 

神威山(島牧村)ー2024.2.23

神威山(島牧村)ー2024.2.23 (2名)

 

島牧の神威山は、千走川温泉の南にある渋い山。

地形図では山頂付近まで道路記号があり、あまり登高欲の湧かない山ではある。

が、しかし・・・、狩場周辺で唯一残っていた山となれば登るしかない。

夏季はヒグマが怖いので冬ごもりしている積雪期に登る計画とする。

 

実は2週前に一度計画して歩き出したものの、あまりの悪雪に即撤退している。

この3連休はリベンジを兼ねて旭川から軽く300kmオーバーの島牧を再び訪れた。

予定ルートは湯ノ沢川と千走川に挟まれた尾根から256-431を繋いで林道に当てる最短ルートである。

 

現地でマイナー志向のメンバーと合流。

千走川温泉の先に駐車して準備していると、8人位乗車したスノーキャットが狩場に向かって行く。

運転手もお客もすべて外国人で、陽気に我々に手を振っていた。

値段を調べると、ニセコからの送迎で、1泊2日22万から3泊4日44万円まで。

つまり1日当たり11万円の計算であり、我々庶民には全く手の出ない驚愕の値段設定だ。

 

 


予定のルートを歩き出すと、ガリガリに凍った斜面と凸凹の雪面に歯が立たない。

取り付く予定の尾根も急な上に雪が少ないようだ。

シューなら強引突破可能とみるが、スキーでは厳しいだろう。

一度引き返して作戦変更、長い林道歩きに切り替えた。

 

林道の雪はやや重め。蛇行を繰り返し、山頂とは逆方向にしばらく進む。

山頂からどんどん離れてゆく歯がゆさと、ショートカットルートなら楽だったはずと、マイナス思考ばかり先行し、精神的に辛い歩きだった。

 

当初のショートカットルートに合流するまで2時間半を要してヘロヘロで到着。

△587/点名・湯ノ沢を巻く辺りで林道は荒れだして、倒れた幼木をかわすのが極めてウザい。

林道に頼るのをやめて、いつもの稜線歩きに変えると随分と楽に感じた。

 

スナフジ沼への分岐付近は雪崩そうな斜面のトラバースで、一人ずつ慎重に抜ける。

時間があればスナフジ沼もついでになどと思っていたが、そんな余裕はあるはずもない。

未明に旭川を出たので出発時間が遅かった上に、ルート変更で遠回りを余儀なくされ、時間にも気持ちにも余裕がなくなっていた。

 

650mコブの西側の平坦地はルート選びが難しく感じられた。

降雪が強まって地形が把握し辛いのだ。

 

まともな休憩の無いまま、ハイペースで歩き通した登りも、いよいよ最後の詰めだ。

山頂が近づくにつれ、気温も下がってラッセルは一段と深くなった。

 

神威山山頂到達。

山頂付近は植生が無く、晴れていれば大平山や狩場山が見えていたことだろう。

だが、この日は生憎の天候で、展望は何もなし。

疲労気味のメンバー同士に会話は殆ど無く、登頂の喜びも感じられなかった。

時間も時間だけに、長居は無用。早々に下山とする。

 

スナフジ沼分岐付近までは良い雪質でパウダーを堪能。

ここだけが唯一楽しかった部分である。

 

その後はまた長い林道を我慢して戻る。

 

どうせ大したことないだろうと正直舐めていた神威山。

終わってみれば、ただ辛いだけの印象しか残らない山行となった。

 

下山後に千走の「かりんぱ」でお決まりのラーメンピラフセットを食しながら相談。

翌日は冷水岳を予定していたが、あまりの疲労感に気は進まず、一日おいて翌々日に変更する。

翌日は各自で緩い山に登り、翌々日に冷水岳登山口で集合と決めた後に別れた。

 

ルートはこんな感じ。

 

条件良くショートカットルートを使えたなら、何てことは無かったかもしれない。

 

 

 

 

 

ペンケ山(中川町)ー2024.2.18

ペンケ山(中川町)ー2024.2.18 (3名)

 

当初は筬島にある天狗山を計画していたが、急遽ペンケ山に変更。

前日登った歌登坊主山から見た白い山容に惹かれたのがその理由である。

 

自分は過去に知駒峠から縦走ついでに登ったことはあるが(その時の記録)、ペンケ山だけを目指すのは今回が初めて。

地形図を見て決めたルートはペンケナイ川ルートとした。

他人様がどんなルート取りで登るか調べる必要もなく、あくまで自分で決めたルートで行くのが面白い。

一度沢に降りて登り返す必要はあるものの、距離を考えれば最短でスマートと言えよう。


ペンケナイ川沿いの林道は採石場があり、町道終点まで除雪されていた。

正面にはすでに目指す山が見えている。これは近いぞ・・・。

予定ルートは248-435で一度トヨマナイ川に降り、ペンケ山に登り返すものである。

 

予定した林道分岐の右股は、コンクリの林道と川が交差していて渡れない。

地形図では左に折れても435コブに到達するので問題はないのだが、左手に入ってすぐの小尾根から248への尾根に乗り、予定ルートに復帰する。

 

・248への尾根は植林地で緩く歩きやすい。ノーラッセルなので楽チンだった。

 

パンケ。

流石は道北、少し標高を上げるだけでどんどん展望が良くなる。

300mソコソコの標高とは思えない展望が広がる。

 

 

435mコブ手前で見るペンケ。

目でルートを追った結果、予定尾根よりも一本北側に変更するのが確実と現地判断した。

 

トラバース気味に下ってトヨマナイ川源頭部を渡り、無事に北西尾根に乗った。

 

ピンネシリ、珠文、そして道北の雄、ポロヌプリ。まるで絵葉書を見ているかのようだ。

最高の景色を見ながらの登りはこの上なく楽しいもので会話も弾む。

山は晴れるに越したことは無い。

 

雪面状況は刻々と変わる。

スキーアイゼンでも歯が立たなくなり、Co550でシーデポ。強風の中アイゼン登高に切り替えた。

 

いよいよ山頂へ。

 

2009年以来15年ぶりとなるペンケ山山頂到達。

強風の中、360度の大パノラマを楽しんだ。

 

天狗山、鬼刺山、そしてピッシリ山まで遠望できる。

自分のことながら、ここから夕張岳以南までの全稜線繋ぎをすでに終えていることが信じられない。

今の歳となっては気力も体力も無い・・・・。

 

全ての条件に恵まれた。

山頂直下の雪庇下に逃げ込んでランチタイム。

景色を堪能しながら頬張るコンビニ飯は格別な味だった。

 

 

下山に入り、全面クラストした斜面を沢に向かって慎重に滑っていると、4人Pが登って来て驚いた。

こんなマイナーな山に、それも同じ沢越えルートとは何という奇跡。

一体誰だ??と思って声をかけると、知った顔の三段山のO氏だった。T氏もいるよと。

なるほど、このルート取りは中川通のT氏だったか。どおりで・・・・・。

 

撮っていただいた写真。T氏(左)と自分(右)。

 

お互いエールを送ってお別れした。

 

ルートはこんな感じ。

自分としては中川通のT氏とほぼ同じルートを取っていたことが正直嬉しかったなあ。

 

 

 

★後にT氏より教わったことだが、435mコブのことを地元では通称「前ペンケ」と呼ぶらしい。

麓の町から良く見える山に山名が無い場合、地元の人が通称名で呼ぶことは良くあることである。

この周辺では、珠文岳近くにも「前珠文岳」と呼ばれる山を教わった事を思い出した。(その時の記録

 

 

 

 

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