川越駅西口から歩いて5分、ウェスタ川越では
屋外の交流広場では様々なイベントが行われるようになっていますが、
室内で毎月のように開催されている講座も、今までの川越では見られなかった企画が多い。
2016年9月から始まったのが、
「ECO LIFE デザイン 〜子どもと一緒の環境講座〜」。
全4回の講座で、9月6日、10月4日、11月1日、12月6日と続いていきました。
講師: 第1回、第2回、第3回:木村智子(コミュニティガーデンコーディネーター、1級造園施工管理技士)
第4回:吉田裕之(環境総合研究所取締役)
「ECO LIFE デザイン 〜子どもと一緒の環境講座〜」
http://www.westa-kawagoe.jp/course/detail.html?id=106
時間:10:00〜12:00
会場:ウェスタ川越2階 市民活動・生涯学習施設 活動室5
回数:全4回
受講料:2,000円
協力:かわごえ環境ネット、栗原造園、大河内さんのお花
■9月6日(火)【第1回】わたしたちの町といきもの
「わたしたちの町に一緒に生きている生き物たちのこと、知っていますか?
生物多様性って実は難しい言葉ではなくて、そして本当は私たちにとってすごく大切なことなんです。
みんなで、私たち、そして子どもたちの子どもたちがずっと生きていく環境について考えます。」
■10月4日(火)【第2回】土のはなし
「土には色々なものが混じっています。葉っぱや、それを栄養に換えてくれる虫たち。
畑や雑木林にもそれぞれ色々な工夫があって、色々な土があるのです。
道草もアレンジしたハーブブーケをつくったりしながら、植物を育ててくれる土について学びます。」
■11月1日(火)【第3回】お庭でたねだんごづくり 《こちらの回は「栗原造園」での課外活動になります。》
「自然に触れることが一番のお勉強!ガーデンワークで土と植物に親しんで、身近な自然の心地よさを知りましょう。
『たねだんご』づくりや、鉢植え体験で、自分の生活に緑をつないでいきます。」
■12月6日(火)【第4回】自然再生のはなし
「社会問題にまでなったその町は、様々な人のちからによって今、緑を取り戻しました。
身近な環境の重要性を真剣に考えてみてください。」
と続いていきます。
この講座の企画に携わっているのが、川越の農・自然活動に従事している横山さん。
福原ファームクラブの代表であり、川越Farmer’s Market実行委員でもあります。
かわごえ環境ネットの活動でもお馴染み。
横山さんが今回考えたのは、環境講座と言うと固いイメージがあるところを、女性ならではの目線で、柔らかく、和気あいあいとした雰囲気で話しを聴いてもらおうというもの。
テーブルの上にはお茶にお菓子を用意し、子ども連れでも安心して参加できるよう、子どもが遊べる木のおもちゃも置いていました。
今までにない環境講座と言えるものだった。
4回のうち3回の講師を頼んだのが、横山さんの20年来の友人である木村さんに講師を依頼し、栗原造園さんや川越のローズ・ハーブガーデンで知らない人はいない有名人、大河内さんの協力のもと、楽しく環境について学ぼうという内容となっていました。
■9月6日(火)【第1回】わたしたちの町といきもの
「わたしたちの町に一緒に生きている生き物たちのこと、知っていますか?
生物多様性って実は難しい言葉ではなくて、そして本当は私たちにとってすごく大切なことなんです。
みんなで、私たち、そして子どもたちの子どもたちがずっと生きていく環境について考えます。」
木村さんのお話しの前に、大河内さんのハーブを使ってハーブティーを淹れ、ブーランジェリュネットさんのラスクをおやつとしてテーブルに置く、というセッティングも忘れない。
ハーブティーを頂きながら始まった木村さんのお話しは、
地球上に生き物がいつから誕生したのか、
これまでヒトは生き物ピラミッドの頂点にいると考えられていたが、
実は生き物はみな関係し合ってヒトはその一つに過ぎないこと、
小さな生き物がいなくなったら、巡り巡ってヒトも影響を受ける。
一人一人の生活者が、生き物のために何ができるのか。
具体的な方策として木村さんは、
例えば家のベランダを鳥のために作るとこうなる、トンボのためにはこう、
チョウやミツバチのためならこう、と分かりやすく図で示していました。
川越なら伊佐沼や水上公園といった大きな自然がある場所はあります。
ただ、生き物たちが生きていくためには、大きな自然と自然を結ぶ間にも小さな自然が必要で、
それこそ生活者の家々が果たす役割になるのでは、という提起に、一堂大きく頷いていました。
実例も写真で紹介し、小さなところから少しずつ始めることの大切さを訴えました。
木村さんのお話しの後には、大河内さんが自身のガーデンから採ったハーブを参加者にプレゼント。
名前を覚えきれないほどたくさんの種類を持ってきてくれ、
(これだけの種類を育てていることから凄いですが!)
室内に良い香りが漂う中、参加者が好きなものを手にしてはハーブの束にして持ち帰りました。
なんと大河内さんはハーブの苗まで持ってきてプレゼント。
こんなに豪華な内容の講座って他ではありえませんね。
和気あいあいとした雰囲気の講座は、ガチガチの環境講座とはまた違ったテイストで、
さすが横山さんの企画です。
これからの回も楽しみ、参加者の表情が輝いていたのでした。
この日から一ヶ月後、先月から始まったウェスタ川越の講座
「ECO LIFE デザイン 〜子どもと一緒の環境講座〜」は、
10月4日、第2回目の「土のはなし」。
「土には色々なものが混じっています。葉っぱや、それを栄養に換えてくれる虫たち。
畑や雑木林にもそれぞれ色々な工夫があって、色々な土があるのです。
道草もアレンジしたハーブブーケをつくったりしながら、植物を育ててくれる土について学びます。」
講座の前半、木村さんの土の話しは、
「植物がある場所には土がある、私たちが生きていくために絶対に必要な植物は土によって支えられています」。
植物は土に根を伸ばし、「土は根っこのおうち」という話しが続きます。
そして、どうやって土壌は作られるのだろう?という話しに進んでいき、スライドを見せながら、
「岩石が風化したものと生物が作り出した有機物が合わさって土壌ができる」という話しに、
参加者はみな大きく頷いていました。
私たちが踏みしめる土壌はそうして出来たのですね。
さらに具体的にイメージするために、木村さんから問題が出されました。
「1cmの土ができるのに、どのくらいの時間が掛かると思いますか?」
三択問題にして参加者に手を挙げてもらう、皆さん答えが分かるでしょうか。
答えはなんと・・・300~400年もの年月が掛かるのです!
30cmの土壌が出来るまでには??
これは計算すると、一万年。。。!驚きの声が上がります。
また、土の中の世界には、一握りの土の中に地球上のすべての人の数と同じくらいの微生物がいるという話しにも、
また、植物が育ちやすい環境として、団粒構造の土の話しや培養土の話しもあり、土壌の理解を深めた参加者なのでした。
木村さんのお話しの後には、横山さんが実際に土を見てもらおうと、
今福の雑木林などから採取した土を展示しました。
土の中にはミミズもいるしヒルもいるし、カブトムシの幼虫もいる。
講座の後半には、今回も大河内さんが自身のガーデンから採ったハーブを参加者にスペシャルプレゼント。
室内に良い香りが漂う中、参加者が好きなものを手にしてはハーブの束にして持ち帰りました。
川越にこんな凄い人がいたなんて。。。大河内さんのハーブは、いつか川越Farmer’s Marketでコラボしたいです。
さあ、次回は室内を飛び出して、南大塚の栗原造園が会場です。
おそらくみなさん初耳であろう、たねだんご作りの回です。
どうなるでしょう。。。!
今回のこの講座を企画した横山さんは、
この人が携わっている活動を全部紹介しようとすると、
あまりにも多岐にわたって収拾がつかなくなるほどなので、
(ある意味、川越で知らない人はいないかも?)
中でも活動の中心に据えている農・自然の活動のことを紹介します。
横山さんは「福原ファームクラブ」の代表を務めている人で、
毎月、川越の福原地区の農・自然体験の活動を続けています。
福原地区は川越の南端に広がる地域で、川越の野菜生産量の多くがここの畑で作られています。
地区の農家を応援しようと、農作業の手伝いをすることも活動の一つ。
地域の人で地域の農家を応援するのも大切なことです。
6月には、収穫が終わった畑の整理を。
この時季は枝豆やとうもろこしが旬を迎える頃で、畑にたわわに実っていました。
そして11月には、福原地区の冬野菜の代表選手、里芋の選別作業のお手伝いを。
それに、川越Farmer’s Marketでは、福原ファームクラブとして出店するのみならず
実行委員も務めていて、会の運営を支えています。正直言いまして、
川越Farmer’s Marketは横山さんなくしては成り立ちません。
(「川越Farmer’s Market2016夏 前編」2016年7月3日蓮馨寺
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12177493828.html )
川越のイベントのお手伝いをすることも多く、
2016年9月の昭和の街の感謝祭では、飛び入りで列整理の仕事に加わっていました。
(第三回「昭和の街の感謝祭」蓮馨寺と周辺商店街 2016年9月10日
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12199339321.html )
川越のイベントに遊びに来ることもしばしば。
横山さん曰く、
「パンはブーランジェリュネットさん、お菓子はパティスリーサトさん」と普段から口にしている。。。
第一回「小江戸川越お菓子マルシェ」2015年11月3日(祝)蓮馨寺で開催
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12080821308.html
それと、これは活動とは少し趣旨が違うと思いますが、
南大塚駅からほど近くにある栗原造園さんの、
毎週木曜日のオープンガーデンでお留守番を自ら引き受けている。
(これは、本人が栗原造園さんのお庭が好きということで率先して引き受けている感じ)
木曜日のお留守番以外にも、
栗原造園さんで何か催しをやる時には必ずと言っていいほど横山さんがいてサポートしている。
自らが愛する場所を、講座の一つに組み込んだのはある意味必然だったでしょう。
いよいよ、ウェスタ川越の講座「ECO LIFE デザイン 〜子どもと一緒の環境講座〜」、
そして、三回目となった11月1日は、室内を飛び出していよいよフィールドワークへ!
西武新宿線南大塚駅近くにある「栗原造園」さんにて、
■11月1日(火)【第3回】「お庭でたねだんごづくり」が行われました。
「自然に触れることが一番のお勉強!ガーデンワークで土と植物に親しんで、身近な自然の心地よさを知りましょう。
『たねだんご』づくりや、鉢植え体験で、自分の生活に緑をつないでいきます。」
これを楽しみにしていた参加者も多かったでしょう。
たねダンゴづくりにバードコール作りに、作る楽しみに溢れた第三回。
今回のメインの「たねダンゴを作ろう♪」は、新しいたねまき手法の提案として、
公益社団法人日本家庭園芸普及協会が推し進めているもの。
たねダンゴ??
きっと初めて耳にする人も多いでしょう。
たねダンゴというのは、土でお団子を作り、肥料と花の種をまぜて花壇やプランターに直接植え込み、
花を咲かせる新しいたねまきの手法です。
誰もが簡単に楽しくたねまきができ、また、
被災地を花と笑顔でいっぱいにする手法として近年広がってきました。
たねダンゴのいいところは、
ダンゴに重さがあるのでたねが風で飛びません。
雨で流れたりもしにくく、傾斜地での花壇づくりにも向いている。
一ヶ所から数株の目が出るので、花の芽と雑草の区別がつきやすく、草とりもしやすいです。
そしてなにより、まるで泥んこ遊びをしているかのような楽しさがあって、
ダンゴを作りながら会話も弾みます♪
たねダンゴの作り方は簡単、
まずは、「けと土」と「赤玉土」を混ぜて大きなまん丸を作ります。
次に、小さく摘んで肥料をひとつまみ入れ、こね合わせる。
そしてダンゴにたねをつけて手の平の上でころころ転がして、
いろんなたねをつけ、たくさんの丸が出来上がっていきました。
これを参加者は持ち帰り、庭なのに植え込んで、これから花を楽しむことができます。
そしてバードコール作りは、
乾燥させた白樺やエゴなどの木を使い、適度な長さに切って真ん中に穴を空け、
ねじを回して差し込んでいくというもの。高音のキュキュキュっと音がし出したら完成。
この音というのが、鳥の鳴き声にそっくりで、それでバードコール。みんなで鳴らすと栗原造園さんの林の上空に鳥たちが鳴きながら集まってきました。
これには子どもたちも大喜び。家でも遊んでもらえそうです♪
そして最後には、なんと、
川越の人気パン屋ブーランジェリュネットさんが栗原造園さんに特別出張出店に来てくれました!
講座の参加者のために、移動カーにパンを積んでここまでやって来た。。。
これで参加者の昼ごはんはリュネットさんのパンに。
講座という今までのイメージを覆すような内容が続いていて、
企画した横山さんに、企画にGOサインを出したウェスタに、いい連携が今見られます。
いよいよ来月で講座は終了。
実の講座の日にちというのが、2016年12月4日のウェスタ川越イベントの二日後、
イベントでは横山さんは福原ファームクラブで野菜販売をしました。
その二日後に最後の講座、横山さん大変ですね。。。
「ECO LIFE デザイン 〜子どもと一緒の環境講座〜」、全4回の講座も最後となりました。
■12月6日(火)【第4回】自然再生のはなし
「社会問題にまでなったその町は、様々な人のちからによって今、緑を取り戻しました。
身近な環境の重要性を真剣に考えてみてください。」
と続いていきます。
講師は、環境総合研究所取締役の吉田裕之さん。
テーブルの上には、大河内さんのハーブと吉田新町にあるcafe trillさんのシフォンケーキをおやつに。
そして、都市の夜景の写真を見せ、私たちの便利な暮らしを支えているものは何か?と問う。
都市の電気が、地方の原子力発電所で作られているという実態を説明。
現代のエネルギーは原発が主ですが、
では、昔の暮らしの燃料はどうだったのか。
そこから、「里山」の循環型生活様式の話しへと入っていきました。
さらに、都市のゴミ問題へ。
数多くの人が暮らす都市では、毎日大量のゴミが発生します。
「そのゴミが何処へ行くのかご存知ですか??」
・集積場で回収されたゴミは、清掃工場で分別されます
・分別されたゴミの中で資源化できるものはリサイクルします
・その他のゴミは、可燃ゴミとして焼却されます
・焼却されずに残った残渣は、最終処分場に埋め立てます。
現在では、セメントの原料としてリサイクルしています
「廃棄物が集められて最終処分場とはどんな場所だと思いますか?」
吉田さんが示したのは、日の出町の谷戸沢処分場の写真でした。
杉などの人工林やシデ・コナラなどの落葉広葉樹の森を切り開いて、埋立処分場が建設されました。
そこにフクロウが巣を作ったという話しが紹介されました。
人と自然が共存していた「里山的環境」が再生されつつある環境を利用し、
環境学習会や都内ではあまり見ることができなくなった生き物たちを
「間近で観察できる貴重な場所」として、谷戸沢処分場の取り組みが始まっています。
吉田さんは、
「地球規模で起こっている環境の変化は、なかなか気づくことができませんが、
身近な場所の変化には気づくのではないでしょうか。
環境問題は、人間活動の肥大化によって起こっている、
暮らし方を変えることで改善するのもひとつの方法です」と話します。
これにて、全4回に及んだ、
「ECO LIFE デザイン 〜子どもと一緒の環境講座〜」も終了。
今までにない切り口の講座で、女性に好評でした。
■9月6日(火)【第1回】わたしたちの町といきもの
「わたしたちの町に一緒に生きている生き物たちのこと、知っていますか?
生物多様性って実は難しい言葉ではなくて、そして本当は私たちにとってすごく大切なことなんです。
みんなで、私たち、そして子どもたちの子どもたちがずっと生きていく環境について考えます。」
■10月4日(火)【第2回】土のはなし
「土には色々なものが混じっています。葉っぱや、それを栄養に換えてくれる虫たち。
畑や雑木林にもそれぞれ色々な工夫があって、色々な土があるのです。
道草もアレンジしたハーブブーケをつくったりしながら、植物を育ててくれる土について学びます。」
■11月1日(火)【第3回】お庭でたねだんごづくり 《こちらの回は「栗原造園」での課外活動になります。》
「自然に触れることが一番のお勉強!ガーデンワークで土と植物に親しんで、身近な自然の心地よさを知りましょう。
『たねだんご』づくりや、鉢植え体験で、自分の生活に緑をつないでいきます。」
■12月6日(火)【第4回】自然再生のはなし
「社会問題にまでなったその町は、様々な人のちからによって今、緑を取り戻しました。
身近な環境の重要性を真剣に考えてみてください。」
と続いていきます。
横山さんは、今後も環境講座に留まらず、様々な活動を展開していくでしょう。
もちろん、川越Farmer’s Marketでも活躍していくはず。
女性の柔らかい視点で楽しく学ぶ、来年の企画をお楽しみに♪