川越style『第三回「昭和の街の感謝祭」蓮馨寺と周辺商店街 2016年9月10日』 | 「小江戸川越STYLE」

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「小江戸川越STYLE」代表:石川真

本川越駅から真っ直ぐ北に歩いて行くと、

連雀町交差点から少し雰囲気が変わっていることに気付く。

うん?通り沿いに何かが・・・ある。

あれは、Tシャツだ!通りのあちこちに白いTシャツが掲げられ、

風に揺れるTシャツが、イベントのポスター役を務めていました。
 

 

 



蓮馨寺に吸い込まれるように人が入っていく。

山門に立てられた幟が風にそよぎ、なにやら境内から・・・音楽も聞こえてくる。

誘われるように境内に入っていく人の波、

見渡すと、赤提灯が下がりテーブル・椅子が置かれ、

たくさんの飲食出店が並んでいました。
 



まったりとしていて、一目見ただけでいい雰囲気が伝わってきます。

どこのテーブルにも載っているのは、ビールなどのお酒に美味しそうな食べ物。そして楽しそうな会話。

まずは一杯ビールを注文し、さあ、おつまみは何にしようか。

目移りしながら、一つ一つ眺めていく、「これにしよう!」。

美味しそうなおつまみを手にして、テーブルで酒盛りが始まっていった。。。

今年も晴天に恵まれたイベント当日。

この日を待ちわびていた人も多かったでしょう、

いよいよこの季節、今年の開催がやって来ました。

蓮馨寺および周辺商店街にて開催された「昭和の街の感謝祭」。

 

9月10日(土)「昭和の街の感謝祭」11:00-19:00

主催:中央通り「昭和の街」を楽しく賑やかなまちにする会 
共催:川越名店街、中央通り2丁目商店会、立門前商栄会 
協力:蓮馨寺、川越蔵の会、コエドブルワリー           

 

これまで開催された二回も大盛況で、

 

昼から夜までずっと境内で過ごす人も多く、終始賑わっていました。

(第2回「昭和の街の感謝祭」2015年9月12日(土)

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12074677258.html

 

早いもので、今年で第三回目の開催。「昭和の街」を舞台に、年に一回の感謝祭です。

回を重ねるごとに内容が盛り沢山になって、ザ・昭和の濃さと共に、

野外巨大ビヤガーデンのような境内の雰囲気は、他では味わえない雰囲気のイベントです。

感謝祭、夜の19時までやっているのもポイントで、

日中よりも日が暮れ赤提灯の灯が浮かび上がる夕方からが本番かも。

2016年、今年の飲食出店の顔触れも強力で、

まず感謝祭に欠かせない存在といえば、川越が世界に誇るクラフトビール、コエドビール。!

さらにコエドなどのドリンクに合うおつまみの出店がずらり。

昭和の街の感謝祭は、ビヤガーデン、オープン酒場のような雰囲気と言いつつ、

ビールなどのドリンクはもちろん、食べ物のレベルが高いのがこのイベントならでは。

川越などのお店が特別出店していたりして、

通常のビヤガーデンとはスペシャル感が違ったかもしれません。

出店していたのは、

★コエドブルワリー コエドビール

……大人気のクラフトビール「COEDO」生ビール全5種類に加えて限定ビールも登場。
今年の限定ビールは RedAle (COEDO 1000 LABO)!
 

★がんばっぺ福島 福島牛串焼き、かき氷など
……福島の「おいしい」を届けに出店。

★ミオカザロ ロングソーセージ、ホットドッグ
……川越の自家農場で育てた小江戸黒豚を使ったソーセージ。

 

★長花亭 みそポテト、豚もつみそ漬け焼、かき氷
……3年連続!今年も出店。秩父みそを活かしたメニューを投入です。
 

★カフェ ハイブリット モヒート、ノンアルコールカクテル、コーヒー
……ラテアートを施したコーヒーと季節のカクテルを用意。

★テロワール キッシュ、焼菓子など
……川越神明町のお店「Terroirテロワール」さんは食材にこだわったお食事&カフェのお店。
今回は普段お店でも食べられるキッシュなどに加えて特別メニューも!

★モバイルカフェPousse…ハッシュドポテト、もっちりプリン、ソフトクリーム
……キュートな移動販売車が目印。
人気№1はもっちりプリン!もっちり&とろける食感のプリン。

★トシノコーヒー…アイスコーヒー、アイスティー、河越抹茶オレ
……昭和の街にお店を構える自家焙煎珈琲のお店。
厳選した豆を独自の技術でおいしく焙煎したコーヒーです。
 

(「トシノコーヒー川越店」一粒の珈琲豆のポテンシャルを最大限に引き出す

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11962215471.html


 

コエドビールに美味しいおつまみ、とくればやっぱり欲しいのは音楽。

今回も蓮馨寺ステージでは緩やかな音楽が流れ、雰囲気を高めていました。
11:00 開会式 
13:00 アコースティックライブ Lilo
13:30 ABE-KOBA 
15:30  Lilo
16:00  ABE-KOBA
17:00  尺八の夕べ
19:00   閉会あいさつ

登場したLiLoさんは、先々月この場所でも演奏していたミュージシャン。そう、川越Farmer’s Marketです。

(「川越Farmer’s Market2016夏 後編」2016年7月3日蓮馨寺 

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12178471293.html

川越Farmer’s Marketに続いての出演、川越の顔的存在のミュージシャンは、

やっぱり蓮馨寺の緩やかな雰囲気に合う。感謝祭の実行委員がぜひ!と呼んだのも頷けます。

川越Farmer’s Marketとしては、蓮馨寺が大事なホームグラウンドであると考えていますし、

昭和の街のお店との連携は深めていきたい、

感謝祭にLiLoさんが出演していることが、彼が橋渡し役になってくれているような気もするんです。

感謝祭ではクラリネットの今泉さんとデュオを結成。

いつもと違った演奏で新たなLiLoワールドを展開しました。




さらに境内では、同時開催として、
昭和の街の手づくり市(11:00~17:00)が開催され、

各地から集まったハンドメイド作家さんが出店。



(末広町にある古民家整体・操体 無苦庵さん)



(カービングのARUNADAさん)

「昭和の街の感謝祭」は、昭和の街の商店街の人たちが中心となって運営していますが、

商店街のイベント、商店街が考えた商店街だけの、という閉じた感じがないのは、

いろんな人を呼ぼう!というオープンな空気があるからなのでしょう。

そこには、昭和の街にあるトシノコーヒーさんや彩乃菓さんなどは

各地のイベントに積極的に出店していることもあり、

いろんな場で出会った人たちを感謝祭出店に繋げていたという舞台裏がある。

昔ながらの商店街ですが、新しいものを採り入れていこうとするのも昭和の街の特長です。

境内にいろんな楽しみが詰まって、しかし、

昭和の街の感謝祭は蓮馨寺境内だけが会場ではないのです。

会場が、「蓮馨寺と周辺商店街」となっていたのがそれで、

ビールに合うおつまみは、蓮馨寺を出て周辺商店街でも手に入れることができたんです。
その名も・・・「おつまみを買出しに行こう !」企画。

★スナックれん 野菜てんぷら、揚げナス、揚げもち、ポテトサラダ 
★十一屋肉店 メンチ、コロッケ
★トシノコーヒー スパイシーソーセージ
★おむすびとワッフルの店福々スタンド トルティーヤチップス*ディップ2種付き
★川越らーめん こひや 自家製ぎょうざ、チャーシュー&穂先メンマセット
★轟屋 乾物専門店のおつまみ各種
★まことや 太麺やきそば
★レレレノ レコード チリコンカーン、自家製サングリア
★カフェアンジー スミノフレモネード*スタンプラリー用紙提示で100円OFF!

★福々スタンド トルティーヤチップス

おつまみ買出し企画にこれだけのお店の協力があること、

そもそも個人商店がこれだけあることが凄いことですよね。

これに加え、商店街のサービスセールも行われ、

3つのお店で買い物すると漏れなくプレゼントが貰えるスタンプラリーも連動していました。

蓮馨寺を出て、どこのお店でおつまみを買おうか散策してみる。

 

昭和の街の通りでは、同じようにチラシを手にした人たちが各お店を巡っていて、

こういう企画を通して新たな発見があるようでした。
 

 

福々スタンドさんでトルティーヤチップスを。
 

 

脇道に入った先にある十一屋さんで、コロッケを。
  

 

 

さらに轟屋さんで乾き物を買い、3種類のおつまみをゲットし蓮馨寺に帰ってくる。

この3つでスタンプラリー企画も達成しているので、プレゼントが貰え、

その一つにコエドビールがあって、と

それでさらにビールをゲット・・・なんとも贅沢なスタンプラリー企画です。


今年、特に話題沸騰だったのが、「コッペパンの無料配布&販売」です。
これは、境内にてコッペパンを無料配布し(なくなったら100円で販売)、

パンに挟む具を境内や周辺商店街で買って挟んでもらおう!という企画。

以前も昭和の街では開催したことがあったのですが、

前回の大反響を受けて、感謝祭でも実施することが決定。

境内の二回の配布では、コッペパンを受け取ろうと毎回長蛇の列が出来ていました。



(コッペパンを配布するスタッフももちろん、昭和の街のお店の人たち。和菓子店「彩乃菓」さんが明るく配布)

まず、このコッペパンが美味しいもので

(実は具がなくてもパンだけでも美味しい。。。)、

「どんな具を挟もうかな!」とコッペパンを受け取った人たちは、昭和の街に出掛けていきました。

「彩乃菓さん」で和菓子屋の餡を使ったあんバタにしてもいいし、

「福々スタンド」さんでクランベリーホイップを挟んでもいい。

「トシノコーヒー」さんのコーヒークリームや「大黒食堂」さんの焼きサバ、オムライスというのも珍しい。

さきほどの「十一屋」さんのコロッケを買えばコロッケパンにもなるし、

忘れてはならない、「まことや」さんの太麺焼きそばを挟めば、

太麺焼きそばパンにもしてしまえる。という自分で好きなスペシャルパンを作れる企画でした。
こういうことが実現できる、この昭和の街は凄い。
それだけ様々な個人商店が在る、残っているということでもあります。

コッペパンを受け取った一人に、川越を中心に各地でポリパン®︎教室を主宰している安藤さんもいました。

(ポリパン®︎「ポリ袋でかんたん!天然酵母パン作り教室」天然酵母ポリパン教室Olive

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12138832244.html

安藤さんはコッペパンを手にすると、昭和の街で、

トシノコーヒーさんでおつまみとして販売していたスパイシーソーセージを挟んで、

スペシャルホットドッグを作っていました。

他の人は彩乃菓さんであんバタにしていたり、十一屋さんでコロッケパン、

大黒屋食堂さんの焼きサバパンというのも人気で、カスタムを楽しんでいました。

具を作っているのはそれぞれが専門店でもあり、

この日特別に具を作っているというスペシャル感、

商店街企画としてこれほど画期的、わくわくする催しもそうそうないのではないかと思います。


東洋大学企画の「昭和の街ツアー&ウォークラリー」も開催され、

一ヶ所に留まらず、周辺地域を巻き込んだ形でイベントが開催されていました。

 

川越の、昭和。

本川越駅から北に進んで連雀町交差点まで来ると、

ここから先、町並みの雰囲気が急に変わります。

通りの両側にある建物は、長い時間を感じさせる雰囲気を漂わせ、

歩いているだけでまるでタイムスリップしたような気持ちに。

それもそのはず、通りにある建物、お店の多くが昭和初期に建てられたものなのだから。。。

南北に伸びる中央通りの開通工事が行われたのが昭和8年。

それに合わせて、通り沿いには瞬く間に商店が建ち並び、商店街になり、

昭和の川越の経済の中心地となって、人で溢れかえる通りとなりました。

そう、昭和の川越はここが主役だったのです。

生活に必要なものは商店街で済ますことができ、生活が商店街で完結するようだった通りだった。

昭和の街の大黒屋米穀店さんは、

「通りが開通してからこの辺りの賑わいは相当なものだったんですよ。

通りには昔、銀杏並木があって、近くにはデパートもあったし、

川越まつりではこの通りがメインストリートで人でごった返していたんですよ」と話す。

時代とともに、人の流れは駅周辺に軸足が移りましたが、

中央通りの商店街はそのままの形で営業を続け、今に至ります。

創業から営業形態を変えていないお店ばかりというのが凄いこと。

年数で言うと、既に80年を超えています。

今でも驚くほどの数の商店があって、

現在は3代目、4代目が中心となって、商店街が地域の生活を支えています。

今川越で、連雀町交差点から仲町交差点までの通りから周辺を見直す動きが活発になってきました。

これまでの川越は、

平成の川越の経済の中心は川越駅、本川越駅周辺で、

明治に建てられた蔵造りの建物が並ぶ一番街の町並みには観光客が大勢やって来て、

大正の建物が残る大正浪漫夢通りも既に定着しています。

駅と蔵造りの町並みという、明治と平成に挟まれるようにしてある昭和の街は、

かつて川越の経済の中心だった時代もありますが、今は素通りされてしまうことが多い。。。

ただこの通りには、魅力的な遺産がたくさん残っていることも事実。

遺産であり現役で、それも、余計な手が入っていない当時のままの状態で在ることは、

実は川越でも数少ない地域。ここには、リアルな昭和を見ることができる。

近年になって、この地域にある商店街の人たちが中心となって、

『中央通り「昭和の街」を楽しく賑やかなまちにする会』を発足させ、

会では、古くからあるお店、建物が立ち並ぶ中央通りを「昭和の街」と命名し、

昭和の街に訪れてもらい、川越にこんなところがあるんだ、と新鮮な発見、体験をしてもらおうとしてきた。

8日の境内の呑龍デーに合わせて、呑マルシェやごえんの日というイベントを開催してきて、

手付かずの昭和の雰囲気をアピール、

再び賑わいのある通りにするため、様々な活動を行ってきたこれまで。

通りに人を呼ぶために新たに何かを作るというのではなく、

すでにここにある町並みやお店という魅力を見直して、

どう生かしていくか、どう見せればいいのか、議論を深めてきました。

町並みに余計な手を加えず、

そのままの姿を見せることが、他では味わえない体験になる、

この町並みの素の姿である「昭和」というのが大きなキーワードです。


(昭和の街の大黒屋食堂さん)

 

(昭和の街の笠間さん)

明治、大正、平成が注目されてきた川越で、

今、川越の昭和にスポットライトが当てられる時が来たようです。

一番街の蔵造りの建物は、一時期コテコテの装飾で覆われ、

そう、それは蔵が見えないよう隠すようにしていた時もあった。今の大正浪漫夢通りの商店街もそう。

「蔵はダサい」「古い町並みはダサい」と一時的に見えても、

やがて時が経過すると、そのものの真の価値に気付き、見直され、

もとの姿に戻そうという運動が興っていった。そして今の町並みがあります。

振り返れば、それらは今全てが川越の財産になっているようなものばかり。

時を置かないと本当の価値が見えてこないのもあるでしょうし、

それだけでなく、本当の価値に気付いた後にきちんと残そうとするのが川越の人の良いところ。

川越の明治、川越の大正、そして。

昭和から30年近く経った平成の今、本当に価値にみな気付き始めてきたのかもしれません。

考えてみれば、

川越駅、本川越駅から北に行くと、平成から昭和の街、大正浪漫夢通り、一番街と続いていて、

4つの時代が地続きで繋がっているという奇蹟的な街というのは、本当に珍しいこと。

各地でまちづくりに関わる人たちが、

「川越のように、駅からすぐ近くにいろいろ見る事ができる観光地がある街というのは本当にない」

と口を揃えます。

昭和に光が当てられて、さらに魅力が高まりそうです。

そこで、時代の変化の面白さもあって、

数奇な運命、いや、いつだって時代は回り続けているのかも。

そんなことを思わせてくれたのは、まさに張本人が見つけた一枚の写真があった。。。

蓮馨寺山門向かいに、「1g」さん、「彩乃菓」さんが入る建物があるのはご存知でしょう。

 

(「彩乃菓」四季の彩りと菓子の彩り 新しく誕生した川越の和菓子店

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12154132751.html


時代は回るということを、この建物が印象的に象徴している事実がありました。
感謝祭の催しとして境内に設置されていた東洋大学による「なつかし写真館」は、

昔と今の昭和の街の様子を定点観測的に写した写真を対比させた展示。

見比べると、昔とはがらりと変わった景色も多いですが、

名残を残しているところも多く見られ、昭和の息吹は今も感じられるよう。

 

 

・・・、その時でした。なつかし写真館の一枚一枚に目を凝らしていた彩乃菓の小島さん。

 


その二枚の写真は、今彩乃菓が入る建物の昔と今を対比させたもので、

よーく見てみると・・・「あ!!うちのお店は昔和菓子屋だったのかな・・・!」。

1gさんがある場所は昔は食堂で、

彩乃菓さんがある場所は和菓子店?のように見える。

そうだとしたら、昔と同じお店の並びが今偶然にも再現されていて、この巡り合わせってなんだろう。

不思議な巡り合せです。

 

境内ステージでは、ABE-KOBAさんの演奏の時間へ。

心地良い音楽に会場が満たされ、またビールの杯が進む進む。。。

 

こうして、第三回となった昭和の街の感謝祭は、夜の19時まで続いていきました。
また、来年も開催予定となっていて、来年は一体どんなスペシャル企画が実現するでしょう。

 

普段の昭和の街でも定期的に催しが行われていくので、そちらもお楽しみに。
川越の昭和は、楽しい昭和。


「川越中央通り「昭和の街」を楽しく賑やかなまちにする会」

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