猫の扁平上皮癌【食事】~とらこの場合~ | とら婆 さび姐 新米なぎ

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永遠の21歳、ベテラン天使さま「とらこ」。
初めて一緒に暮らした元ベテラン野良「さび」が新米天使さまに…。

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(2017/9)

メモ関連記事
猫の扁平上皮癌【全容】~とらこの場合~
猫の扁平上皮癌【状態・治療】~とらこの場合~

メモ食事
半月ごとにまとめたが、元記事と多少ずれがあるかもしれない。
腎臓が深刻な症状ではないので、食事は体力維持を優先。
あくまで、とらこという個体のケースなので、ご了承いただきたい。

この病気になるまでのとらこの食事は、ウェットとカリカリが中心。
たまに刺身や鶏のささみを食べていた。
また、人間用の牛乳が飲めたので、たまに与えていた。
老齢になってからは、水道から直接水を飲むこともあった。

診断~半月 最初の診断
食欲、食事ともにそれまで通り。扁平上皮癌の診断を受ける前から、大粒なドライ(腎臓サポート)は食べなくなっていた。主に食べていたのは以下のフード。
ナイフとフォークドライ:キドニーケア(チキン、フィッシュ)
ナイフとフォークウェット:カルカン パウチ スープ仕立て 15歳から まぐろ
ナイフとフォークおやつ:いなば ちゅ~る(全種類)
おやつの「ちゅ~る」は、粉薬を飲ませるためだったが、最後までとらこのお気に入りだった。この他に、たまに刺身(サーモン、まぐろ)、ささみ、牛乳を与えた。
水素水「H4O」を試したが全く飲まない。

診断後 半月~1ヶ月 むら食い
むら食いが目立ち、ドライフードを食べなくなる。
ナイフとフォークウェット:カルカン パウチ スープ仕立て 15歳から まぐろ
ナイフとフォークおやつ:いなば ちゅ~る(全種類)

診断後 1ヶ月~1ヶ月半 また出血
むら食い+好みが毎日変わる。出血直後食べたがることが多い。
やわらくしたフードを与える。一度に食べれる量が減る。
ボウルから水を飲むのに時間がかかり、顎はびしょびしょに。
ナイフとフォークドライ:キドニーケア(十分ふやかす)
ナイフとフォークウェット:カルカンシニア(ミキサーでゆるくする)
ナイフとフォークおやつ:牛乳、ちゅ~る(全種類)、モンプチピュアスープ(魚介とチキンのコンソメ風)、キャネット3時のスープ(小海老、おかか)

診断後 1ヶ月半~2ヶ月 試行錯誤~
食欲低下。出血直後は食欲がある。
その時々で、ムースやウェットフードの軟らかさをミキサーで調整。
数回に一度は水道から水を飲みたがる。
ナイフとフォークカルカンシニア(ミキサーでスープ状に)
ナイフとフォークアニモンダ インテグラプロテクト
ナイフとフォークアニモンダ ラフィーネ プティ
ナイフとフォークモンプチスープ、牛乳(茹でた卵黄を混ぜることもある)、ちゅ~る、3時のスープ

診断後 2ヶ月~2ヶ月半 長い夜
注射点滴前
食欲低下、食べ物を近くに持っていくと顔をそむけることが多い。
何十種類というフードを試したが、食欲がないときは何をあげても食べない。
喰いつきが良くても、2~3口で終わることが多い。
それでもちゅ~るは食べる。
注射点滴数日後
食欲が出てきて、病院からもらったサンプルのドライフードをそのまま食べる。
ナイフとフォークロイヤルカナンのベビー用ドライ 2013/3/4 鰤>バター
栄養価が高いという理由から、ベビー用のフードを勧められた。
一度に食べれる量は少ない。
水はほとんど水道から飲みたがる。

2ヵ月半~3ヶ月 ベビーフード
食べる⇒腫れる⇒食べれない⇒膿が出る⇒食べる の繰り返し。

普段のフードに加え、鰤を水煮したものや、刺身を食べる。
食欲がなくても無塩バターや牛乳は舐めるが、摂りすぎると下痢してしまうので注意。

後半は、口の内外ともに腫れが大きくなり、
食べ物が口に入らない、入っても噛んでいるうちに落ちてしまうようになる。
お灸のように盛ってやると口に入れやすくなるが、落ちる分は防げない。

スープやペースト状にしても、なかなか舌に届かない。
水分を少なめにし粘度を上げて(ちゅ~る位)匙に角度をつけて舐めさせる・・・、壁を舐めるような感じにすると少し食べやすそうだ。

3ヶ月~ 
カレンダー前半 とらこもプシュプシュ
食欲旺盛。病気の診断後、一番食べ物を口に入れている。
ムース食をよく食べる。1日2缶くらい食べる。
ナイフとフォークアイシア ふんわりムース(まぐろ・かつお)
ナイフとフォークアイシア 11歳からの健康缶 まぐろムース

皿に入れると、食べ物が曲面に沿って動いてしまい口に入りづらい。
また、鼻や腫れた顎が汚れ、皮膚炎の原因になる。
ウェット同様、掌を反らせて、フードをお灸のように盛ると食べやすい。

粘り気のあるヨダレは食後に口をゆすいで取り除く。

ムース食の欠点は、口を拭ったときに腕につく汚れが、ウェットやドライの比じゃない。
毎食後軽く拭き、1日最低1回は食事と関係ない時間によく拭いてブラシする。
これとは別に、週に1~2回、ぬるま湯で洗い流す。

カレンダー後半 エアで腹ペコ・・・とらこが大好き
最後の砦、エビ、ホタテエビ帆立

とらこの場合、食欲がないわけではない。むしろ逆だ。
食べ物を口に入れ、噛む事はできても飲み込めず、殆どを落としてしまう。
食欲旺盛というより、食べ物が腹に届いておらず、空腹なのだ。

強制給餌を試みるが、口を開けない。
開けた隙に流し込んでも飲み込まない。

スープ状なら少しは腹に入るだろう、と思っても牛乳や生クリーム以外は舐めたがらない。
しかし、こればかりだと下痢してしまう。

とらこの主治医の先生が「食欲が落ちでも甘エビは食べる。帆立は好みがある。カニカマを好む子もいる」と言っていた。

何か食べ物にかぶりつかせてやりたい、そう思い、甘エビと帆立、ついでにトロも食べさせた。
少し爪で傷をつけ丸ごと与える。
かぶりついて何十分もこねくり回している。
とらこの腫れた口からも漏れることなく、かといって腹に入るわけではないのだが、夢中で食いつく。

甘エビの時は、その後に
ナイフとフォークモンプチ パウチ スープメニュー まぐろ、かにかま、小海老入り、
帆立の時は、ナイフとフォークCIAO 14歳からのとりささみ&ほたて貝柱
を与えると、大人しく食べる。
モンプチスープの具は残し、CIAOの缶詰は上手く食べれないが・・・
帆立は貝柱と少量の水をミキサーにかけたものもよく食べた。

ある時、帆立の貝柱だけがなく、紐やらがもっさり付いているものを買った。
貝柱を外し、残った紐やら生殖器(肝のようなもの。白いのは雄、赤いのは雌らしい)を茹で、その茹で汁と雄の生殖器(ってちょっとエグいな)をミキサーにかける。

2回しか作れなかったが、これをとらこは気に入り、最後の食事もこれだった。

メモ試行錯誤
食欲がないのは心配だ。
しかし、何より辛いのは、食べたがっているのに食べさせてあげれない時だ。

何が原因で食べれないのか、どうすれば食べれるのか、
妙な道具を作ったり、なんでもかんでもミキサーにかけたり、
試行錯誤の連続だった。

とらこの食べたい気持ちは強く、上手に強制給餌に切り替えることができなかった。何度も指が紫色になるほど噛まれ、妙な道具も数秒で噛み散らかされた。

口以外から栄養を入れれないか、という話もした。
静脈点滴は血管がぼろぼろになる、チューブは貧血があるので現実的ではない、
との理由から、主治医は積極的ではなかった。

どんな手術にしても、大きな引き算のあとからの足し算、
老猫の苦痛を根本から取り除くことができないのなら、したくない。
主治医と自分の考えが近かったので、助けられたことが多い。

食いしん坊とらこ。歯も下顎の骨も、最後までしっかり残っていた。


※加筆、修正をすることがあります