社内の情報共有スタイルが変わらない理由 | A Day In The Boy's Life

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とあるエンジニアのとある1日のつぶやき。

世間では、ブログやWiki、Twitterなどなど数多くの情報を発信・共有するツールと言うものが登場してきているのに、社内では相も変わらずメールやファイル共有フォルダなどによって情報が管理されていたりします。

3年ほど前にエンタープライズ2.0なんて言葉が流行って(そして、そのままバズワードで終りましたけど)、これからの社内の情報共有のあり方なんてのも変わるのかな、と思いましたがそうはなっていません。



情報共有のあり方を変える理由


まず、何で情報共有の方法を変える必要があるか考えてみると、一つはそれによって仕事のやり方が固定化されてしまっているところがあるというのがあるかなと思います。

メールやファイル共有フォルダによって仕事を進めていくやり方は、10年以上前から定着してIT化が進んでもその根本は全く変わっていません。

これがベストな方法であればいいものの、社内と社外を見比べてみるととてもそうは思えなかったりもします。


ツールに頼るなどして改善を試みようとしますが、根本的に今までのやり方を捨てることが出来ず、あまり上手くことが進むと言うことが無かったりします。

情報共有が進まないと嘆いてはいるものの今のスタイルを引きずろうとするためにたいした効果を生み出さないということがよくあったり。



社内の共有スタイル ≠ 社外の共有スタイルという意識


情報共有の方法が変わらない理由の一つは、外の環境でのやり方はうちのやり方には適さない、またはそんなやり方で上手くいくはずもないと言う、固定化念を持っている人が多かったりもします。

社内では、投資対効果を強く求められ、海のものとも山のものともわからないようなものへの投資は避けられる傾向にあります。

定量的に測定できる高価ならよいものの、情報共有の方法などはどちらかと言うと定量的な効果の方が色濃く、なかなかそれを上手く説明することも出来ません。

ブログやWikiなどを社内に導入したところで、それを使ったことが無い人へは、果たしてそれによってどう変わるのかがなかなかわかってもらえません。


また、ネット上で盛んに行われている情報共有のスタイルは自ら情報を探すと言う行為であり、社内では誰かに聞けば教えてくれると言う俗人的な共有方法のみが横行している、という共有スタイルの違いも目立ちます。

ドキュメント化を進めても聞けば教えてくれると言う共有スタイルを捨てきれないがために、どんどんとマニュアルは廃れていき、やがて存在さえも忘れられたりします。


そして、業務効率化という名の元に即時性が強く求められることがあります。

なので、人と人とがつながったときに生まれる相乗効果というよりも、自分が楽に情報を引っ張り出せるのか、ってところだけに着目されると、それがひどく手間のかかるものだったり、相乗効果という目に見えない効果に懐疑的に見られてしまうかもしれません。



情報 = 資産の文化


社内の情報と言うのは俗人的になりやすい傾向にあります。

業務の担当が明確に分けられ、その担当者しかよくわからないと言う情報も数多くあります。

よく言えば分業化されているのでしょうけど、度が過ぎるとそれが自分の価値と見誤る危険もあります。


社内の情報と言うのは、外では流通していない情報が多くあります。

たとえ、流通している情報だとしても、それが自社カスタマイズされたものとなっており、いわゆる一般論というものが通らないこともケースもよくあります


こういうところが社外で情報を自ら探すと言う行為を妨げているの要因の一つだと感じたりします。

探せる情報が無いから誰かに聞くしかない、それも探すと言う行為の一つではあったりしますが、ひどく俗人化された情報に対する手段はその人に聞くと言う唯一のものしか選択肢が無かったりもします。


そしてそれを抱え込むことが自分の存在価値と見誤る原因にもなっていたりします。

社内で情報が発信されない理由は、その情報を広く知らしめることで自分の存在価値が下がると言うことを恐れている人が多いからかもしれません。



イントラネットはシステムを結び、インターネットは人を結ぶと言う不思議


ネットを見てると様々な仕事や地域に住んでいる人がいて、その人たちとつながることで新たな知識を得ることも出来ます。

が、社内では新たな知識を得るためには外部からの人材を登用すると言うことしか考えられてい無かったりします。

それは一部では正しいのかもしれませんが、十分に社内の情報や人を活用も出来ずにそこばかりに着目されているのではないでしょうか。


インターネット上で行われているような人と人との結び付きを社内では全く行わず、会議やたまたま仕事で絡むことになったなど、リアルでの付き合いのみに限定されていたりします。

それを知っている人というのが社内にはいるのに、少し調べてみていなかったから社内にはいないんだ、と言うような決め付けが普通に行われていたりするわけです。

誰が何の情報を持っているかと言う管理さえ、俗人化されていたり


社内のイントラネットも社員同士を結び付けているネットワークなわけです。

規模はインターネットほどではありませんが、社内で結び付けているのは単にシステムやIT機器のみになっていて人と人とを全然結び付けられていないのではないかと感じます。


ネットで無償の奉仕がされ情報がどんどんと発信されていくのは、人と人とが結びついたときの喜びをインセンティブと考えている人が多いからではないでしょうか。

これは、例え社内であっても同様なのではないかと思います。

変に俗人化され、その情報を守ることで頼られているという間違った感覚でインセンティブを得るのではなく、より多くの人に役立つものを情報発信していくことに喜びが感じられるのであれば、そのスタイルも変わっていくのではないかと思うわけです。