2015年11月21日 15:00
我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案
第189国会 内閣提出法案第七十二号
平和安保法制その7
事態対処法の改正
正式名称は、「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」というのだが、略す時には意図的に「武力」「攻撃」という言葉をなくし、「事態対処法」という超あいまいなネーミングにしてある。だからといってすべての事態に対処してくれる法律ではない。したがって、うちの会社の経営が危ない事態になってもうたとか、不倫がバレてやばい事態になったとか、そういうものに対処してくれない法律であることをあらかじめ述べておく。
それぞれの言葉の定義は以下の通り。
武力攻撃事態 ・・・・ 武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態
武力攻撃予測事態・・ 武力攻撃事態には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態
武力攻撃事態等 ・・・・ 武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態
改正の内容はまず目的に、「存立危機事態」を追加。
「武力攻撃事態等及び存立危機事態への対処について、基本理念、国、地方公共団体等の責務、国民の協力その他の基本となる事項を定めることにより、武力攻撃事態等及び存立危機事態への対処のための態勢を整備し、我が国の平和と独立、国及び国民の安全の確保に資すること。」とした。
国が存在維持しなくなりそうな危機に対応しようとの明確化である。
次にその対処のための基本方針。
武力攻撃事態又は存立危機事態と認定する場合に武力の行使が必要な理由について記述している。
○ 対処基本方針に定める事項として以下に関する事項を記載。
・ 事態の経緯、事態が武力攻撃事態であること、武力攻撃予測事態であること又は存立危機事態であることの認定
及び当該認定の前提となった事実
・ 事態が武力攻撃事態又は存立危機事態であると認定する場合にあっては、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がなく、事態に対処するため武力の行使が必要であると認められる理由
・ 当該武力攻撃事態等又は存立危機事態への対処に関する全般的な方針、対処措置に関する重要事項
そして国会承認については、「存立危機事態」に対処するために自衛隊に防衛出動を命ずるに際しては、現行の規定と同様、原則国会の事前承認を要する(事態対処法第9条)。としている。
以上については賛成するが、相変わらず堂々としていない内容である。そのような政府に果たして国民を守ることができるのかとの疑問は大いにある。したがって、国会の事前承認は原則ではなく、全てに対応させ、なおかつ国会での党議拘束を禁ずる処置を法制化すべきであると考える。
目次
平和安保法制その8/189-閣72 事態対処法改正による自…