平成23年10月28日
国土交通省
「東日本大震災復興特別区域法案」について
標記法律案について、本日閣議決定されましたので、お知らせいたします。
概要1.
本法律案では、地域における創意工夫を活かした復興を推進するため、規制・制度の特例、税・財政・金融上の支援措置をワンストップで講じる復興特区制度を創設することとしております。
本法律案の概要及び国土交通省関係の特別措置については別添資料をご参照ください。
2. 閣議決定日
平成23年10月28日(金)
東日本大震災復興特別区域法案の概要
[国土交通省関係]
1.制度の趣旨
東日本大震災からの円滑かつ迅速な復興を推進するため、区域
限定で規制・制度の特例や支援を実施する復興特区制度等を創設
する。
2.基本的な仕組み
(1)復興特別区域
「復興特別区域」とは、復興推進計画の区域、復興整備計画の
区域及び復興交付金事業計画の区域をいう。
(2)基本方針
国は、復興特別区域における復興の円滑かつ迅速な推進に関し
必要な事項を内容とする基本的な指針を定める。
(3)復興特別区域における特別措置
①復興推進計画
○趣旨
個別の規制、手続の特例や税制上の特例等を受けるための計画
○効果
市町村が作成し、国が認定することにより、規制、手続の特例、
税制上の特例等が適用される。
国土交通省関係の主な措置
-公営住宅等の入居者資格・財産処分制限・使途制限の特例
-応急仮設建築物の存続期間の延長の特例
-用途規制の緩和の特例
-他の水利使用に従属する小水力発電の許認可手続きの簡素
化
-税制上の特例等
○国と地方の協議会
国と地方は、県の区域ごとに、復興推進計画に係る復興の円
滑かつ迅速な推進に関する施策に関し必要な協議を行うための
協議会を組織することができ、協議会の会議において協議が調
った事項について、協議会の構成員は、尊重義務を負う。
②復興整備計画
○趣旨
土地利用の再編等による復興整備事業を迅速に行うための特
例許可、手続のワンストップ化、新たな事業制度の活用等の特
例を受けるための計画。
○効果
市町村が単独で又は都道府県と共同して、協議会での協議等
を経た上で作成。計画の策定・公表により、以下の土地利用再
編手続の一元化等に係る特別措置の対象となる。
-事業に必要な許可基準の緩和、許可手続のワンストップ処理
-被災地の実態に即した事業手法の整備(住宅地と農地を一体
的に交換・整備する事業の創設等)
-事業の迅速・円滑な実施のための措置(所有者の所在不明土
地等への立入等の特例等)
③復興交付金事業計画
○趣旨
著しい被害を受けた地域の復興に必要な交付金事業に関する
計画。
○効果
市町村が単独で、又は都道府県と共同して作成し、国に提出。
国は予算の範囲内で復興交付金を交付する。
復興整備計画に基づく特別措置
1.復興整備計画の作成等
(1)次の①から④の地域のいずれかに該当し、円滑かつ迅速な復興を図るための事業の実施が必要な市町村(以下「被災関連市町村」という。)は、単独で又は都道府県(以下「被災関連都道府県」という。)と共同して、復興整備計画を作成することができることとする。
① 東日本大震災の被害により土地利用の状況が相当程度変化した地域又はこれに隣接し、若しくは近接する地域
② 東日本大震災の影響により多数の住民が避難し、若しくは住所を移転することを余儀なくされた地域又はこれに隣接し、若しくは近接する地域
③ ①②の地域と自然、経済等において密接な関係が認められ、かつ、①②の地域の住民の生活再建を図るための整備を図ることが適切であると認められる地域
④ ①②③の地域のほか、東日本大震災による被害を受けた地域であって、市街地の円滑かつ迅速な復興を図る必要があると認められる地域
(2)復興整備計画には、以下に掲げる事項等を記載するものとする。
① 区域(以下「計画区域」という。)
② 目標
③ 計画区域内の土地利用に関する基本方針(以下「土地利用方針」という。)
④ 復興整備事業(②の目標を達成するために必要な(3)に掲げる事業)
⑤ 期間
(3)復興整備事業は、以下に掲げる事業とする。
① 市街地開発事業(都市計画法)
② 土地改良事業(土地改良法)
③ 復興一体事業(5(1))
④ 集団移転促進事業(防災のための集団移転促進事業に係る国の財政上の特別措置等に関する法律(以下「集団移転促進法」という。))
⑤ 住宅地区改良事業(住宅地区改良法)
⑥ 都市計画法の都市施設に該当する施設の整備に関する事業
(5(7)の「一団地の津波防災拠点市街地形成施設」の整備事業を含む。)
⑦ 津波防護施設の整備に関する事業(津波防災地域づくりに関する法律。以下「津波防災地域づくり法」という。)
⑧ 漁港漁場整備事業(漁港漁場整備法)
⑨ 保安施設事業(森林法)
⑩ 液状化対策事業
⑪ 造成宅地滑動崩落緊急対策事業
⑫ 地籍調査事業(国土調査法)
⑬ 住宅施設、水産物加工施設その他の円滑かつ迅速な復興のために必要な施設の整備に関する事業
2.復興整備協議会
被災関連市町村(被災関連都道府県と共同して復興整備計画を作成する場合には当該被災関連都道府県を含む。以下「被災関連市町村等」という。)は、復興整備計画及びその実施に関し必要な事項について協議を行うため、市町村長、都道府県知事等からなる復興整備協議会(以下「協議会」という。)を組織することができること等とする。
3.復興整備事業に係る許認可等の特例
(1)農地転用の許可(農地法)の特例
① 被災関連市町村等は、復興整備計画に、復興整備事業を実施した場合には計画区域内で2ha超の農地転用を行うこととなることが明らかである土地利用方針を記載しようとするときは、協議会における協議等の手続を行うとともに農林水産大臣の同意を得なければならないものとする。
② 農林水産大臣は、①の土地利用方針が次に掲げる要件に該当するときは、同意をするものとする。
イ 1(1)①の地域の被災関連市町村等が作成する復興整備計画に係るものであること
ロ 被災関連市町村の復興のため必要かつ適当であること
ハ 被災関連市町村の農業の健全な発展に支障を及ぼすおそれがないと認められること
③ ①の同意を得た土地利用方針に係る復興整備事業に関する事項が記載された復興整備計画が公表されたときは、当該復興整備事業について、農地転用の許可があったものとみなすこととする。(農地法第4条、第5条)
④ (3)①のハ及びニの許可に関する事項に係る①の同意の基準については、②と同等の基準を設けることとする。
(2)開発行為等の許可(都市計画法)の特例
1(1)①②③の地域の市街化調整区域内の開発行為等であって、地域の復興等を図るために実施することが必要であると被災関連都道府県知事が認めるものについては、都市計画法第34条の立地基準は適用しないこととする。((3)①の手続に従って、(3)①イの事項を復興整備計画に記載する場合に限る。)
(3)復興整備事業の実施に必要な許認可等の一元的処理
① 被災関連市町村等は、復興整備計画に、復興整備事業の実施に必要な次のイからチの許認可等に関する事項を記載しようとするときは、協議会における協議等の手続を行うとともに許認可等権者の同意を得なければならないものとする。
イ 都市計画区域等における開発行為等の許可(都市計画法第29条、第43条)
ロ 都市計画事業の認可又は承認(都市計画法第59条)
ハ 農地転用の許可((1)に係るものを除く。)(農地法第4条等)
ニ 農用地区域における開発行為の許可(農業振興地域の整備に関する法律(以下「農振法」という。)第15条の2)
ホ 保安林等における立木の伐採等の許可(森林法第34条等)
ヘ 特別地域における工作物の新築等の許可又は普通地域における工作物の新築等の届出(自然公園法第20条、第33条)
ト 漁港区域における工作物の建設等の許可(漁港漁場整備法第39条)
チ 港湾区域における工事等の許可、臨港地区における工場の新設等の行為の届出等(港湾法第37条、第38条の2等)
② ①のイからチの許認可等に関する事項が記載された復興整備計画が公表されたときは、当該事項に係る復興整備事業について、当該許認可等があったものとみなすこととする。
4.土地利用基本計画の変更等の一元的処理
(1)復興整備事業に関する事項には、当該復興整備事業の実施に関連して行う次の①から⑧の土地利用基本計画の変更等に関する事項を記載することができることとする。
① 土地利用基本計画の変更(国土利用計画法第9条)
② 都市計画区域の指定、変更又は廃止(都市計画法第5条)
③ 都市計画の決定又は変更(都市計画法第18条、第19条等)
④ 農業振興地域の変更(農振法第6条、第7条)
⑤ 農用地利用計画の変更(農振法第8条、第13条)
⑥ 地域森林計画区域の変更(森林法第5条)
⑦ 保安林の指定又は解除(森林法第25条の2、第26条の2)
⑧ 漁港区域の指定、変更又は指定の取消し(漁港漁場整備法第6条)
(2)被災関連市町村等は、復興整備計画に、(1)①から⑧の土地利用基本計画の変更等に関する事項を記載しようとするときは、当該事項に係る関係者を構成員に加えた協議会における協議等の手続を行うとともに、当該事項が都市計画、農用地利用計画、地域森林計画区域又は保安林の変更等に関する事項である場合には、その案の2週間の縦覧、利害関係人への意見書の提出機会の付与等の手続を行うものとする。
(3)(1)①から⑧の土地利用基本計画の変更等に関する事項が記載された復興整備計画が公表されたときは、当該変更等がなされたものとみなすこととする。
5.各種の復興整備事業に関する特例
(1)復興一体事業の創設
① 被災関連市町村は、1(1)①の地域において、土地区画整理事業及び農用地の改良又は保全のために必要な事業を一体的に施行する事業(以下「復興一体事業」という。)の事業計画を作成し、被災関連都道府県知事の認定を受けることができることとし、当該認定を土地区画整理法に基づく事業計画の認可とみなすこととする。(土地区画整理法第52条)
② 復興一体事業の事業計画においては、津波による再度災害を防止又は軽減するため、住宅及び公益的施設を集約する区域を定めることができること等とする。
③ 被災関連市町村は、復興一体事業によって生じた農業用用排水施設等があるときは、その施設を管理しなければならないものとする。
④ 被災関連市町村は、農業用用排水施設等に係る事業の工事につき、被災関連都道府県に専門的知識を有する職員の必要な援助を求めることができることとする。
(2)土地区画整理事業及び復興一体事業に関する特例
現行制度上、地方公共団体は、市街化調整区域において土地区画整理事業を施行することができないところ、復興整備計画に記載された土地区画整理事業及び(1)の復興一体事業については、1(1)①②③の地域内の市街化調整区域において事業を施行することができることとする。(都市計画法第13条)
(3)土地改良事業に関する特例
① 土地改良区等からの申請によらず、県の発意で、区画形質の変更、農用地造成等の土地改良事業を行うことができることとする。(土地改良法第87条の2)
② 土地改良施設の管理者との協議を経て県営土地改良事業計画に定めるべき事項が記載された復興整備計画が公表されたときは、県営土地改良事業計画が定められたものとみなすこととする。(土地改良法第87条の2)
(4)集団移転促進事業に関する特例
① 復興整備計画に記載された集団移転促進事業については、次のイからハの措置を講ずるものとする。
イ 集団移転促進事業計画を都道府県が策定することができることとする。(集団移転促進法第3条)
ロ 公益的施設の用地の造成等に要する経費の一部を国が補助するものとする。(集団移転促進法第7条)
ハ 住宅団地等の用地を造成等した後に譲渡する場合であっても、当該用地の造成等に要する経費が譲渡の対価を上回る場合には、当該経費の一部を国が補助するものとする。(集団移転促進法第7条)
② 国土交通大臣の同意を得て、集団移転促進事業計画に定めるべき事項が記載された復興整備計画が公表されたときは、集団移転促進事業計画が定められたものとみなすこととする。(集団移転促進法第3条)
(5)住宅地区改良事業に関する特例
① 国土交通大臣の同意を得て、住宅地区改良事業に関する事項として改良地区の指定に関する事項が記載された復興整備計画が公表されたときは、改良地区の指定があったものとみなすこととする。(住宅地区改良法第4条)
② ①の復興整備計画に記載する改良地区の指定に関する事項に併せて、居住の用に供される建築物であったもので震災によって損壊したため建築物でなくなったものが存する区域を含む地区に関する事項が記載された場合には、当該復興整備計画の公表をもって、当該計画に記載された当該建築物でなくなったものを不良住宅とみなして住宅地区改良法の規定を適用することとする。(住宅地区改良法第2条)
③ 国土交通大臣との協議を経て、住宅地区改良事業の事業計画に定めるべき事項が記載された復興整備計画が公表されたときは、当該住宅地区改良事業の事業計画が定められたものとみなすこととする。(住宅地区改良法第5条)
(6)漁港漁場整備事業に関する特例
農林水産大臣の同意を得て、特定漁港漁場整備事業計画に定めるべき事項が記載された復興整備計画が公表されたときは、特定漁港漁場整備事業計画が定められたものとみなすこととする。(漁港漁場整備法第17条)
(7)一団地の津波防災拠点市街地形成施設事業の創設(津波防災地域づくり法において規定)
復興の拠点となる市街地が有するべき住宅、業務、公益等の施設を一団の施設としてとらえた「一団地の津波防災拠点市街地形成施設」を、都市施設として都市計画に定めることができることとする(全面買収方式で拠点を整備することを可能とする。)。
6.復興整備事業の実施に係るその他の特例
(1)建築行為等の届出及び勧告
復興整備事業の実施区域で被災関連市町村が指定する区域内の建築行為等については、届出及び勧告の対象とするものとする。
(2)測量等のための土地の立入り等
復興整備計画の作成、復興整備事業の実施等のための測量、調査のためやむを得ない必要がある場合においては、他人の占有する土地への立入り、障害物の伐除及び土地の試掘等を行うことができることとする。
(3)地籍調査の実施に関する特例
国土交通省が行う地籍調査に関する事項が記載された復興整備計画が公表されたときは、地方公共団体に代わって国土交通省が当該地籍調査を行うこととする。(国土調査法第2条、第6条の4等)
(4)筆界特定の申請の特例
復興整備事業(土地収用法による事業認定を受けた事業等に限る。)を実施する者は、筆界特定登記官に対し、復興整備事業の実施区域内の土地及びこれに隣接する他の土地との筆界について、これらの土地の所有者の承諾を得て、筆界特定を申請することができることとする(ただし、土地所有者のうちに所在不明の者がある場合には、その者の承諾を得ることは要しない。)。(不動産登記法第131条)
(5)環境影響評価手続に関する特例
復興整備事業として行われる土地区画整理事業及び鉄道・軌道の建設・改良事業については、環境影響評価法に基づく手続ではなく、簡略化された環境影響評価の手続を行うこととする。
(6)独立行政法人都市再生機構の業務に関する特例
独立行政法人都市再生機構は、本来業務に支障のない範囲内で行うことができるとする受託業務の要件にかかわらず、復興整備計画に記載された復興整備事業に係る受託業務を行うことができることとする。(独立行政法人都市再生機構法第11条)
(7)農業振興地域の整備に関する法律の特例
復興整備事業の実施区域内にある農用地区域内の土地の農用地区域からの除外については、農用地区域の変更に係る要件を満たすほか、復興整備計画の期間が満了した土地である場合に限り可能とすることとする。(農振法第13条)
(8)津波防災地域づくり法の特例
① 津波による被害を受けた被災関連市町村が、津波防災地域づくり法に規定する基本指針に基づき復興整備計画を作成した場合においては、津波防護施設管理者は、同法に基づく推進計画によらず、当該復興整備計画に即して、津波防護施設の新設又は改良を行うことができることとする。
② 津波による被害を受けた被災関連市町村が、津波防災地域づくり法に規定する基本指針に基づき復興整備計画を作成した場合においては、当該復興整備計画の計画区域を推進計画区域とみなして、津波からの避難に資する建築物の容積率の特例(同法第15条)及び指定津波防護施設の指定(同法第50条)の規定を適用できることとする。









