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以前、「あらためて、陰陽って何?」にちょこっと書きましたけど、「東洋医学」の定義について、ここらでまとめておきたいと思います。『ちょこっと健康術』で「東洋医学」として使っているのは、いったい何を指しているのか?
一般に、私たちが「お医者さんに行く」あるいは「病院に行く」という場合、行った先で行われている医学は、西洋医学、正しくは現代西洋医学ですね。なぜ「正しくは現代西洋医学」なのか?というと、西洋にだって伝統医学があるから、です。
で、「漢方医さんにかかる」とか「鍼灸治療を受ける」という場合、そこで行なわれるのは東洋医学ということになります。ということは、漢方・鍼灸が東洋医学ってこと?はい、確かにそうです。でも、これって、実は狭い意味での東洋医学なんです。
広い意味での東洋医学は?というと、東洋で発展してきた医学ですから、アジア各地の伝統医学がすべて入ります。代表的なのは、イスラム医学あるいはグレコ・アラブ医学とも呼ばれるユナニ医学、インドのアーユル・ヴェーダ医学、そして漢方・鍼灸の母体である中国伝統医学です。
広義の東洋医学には、ほかにもチベット医学や、タイ古式マッサージを含むタイの伝統医学も含まれます。インドネシアやフィリピンなども、それぞれ伝統的な医学は存在しているでしょう。とはいえ、チベットや東南アジアでは、地理的・歴史的にインドと中国からの影響があるんじゃないかしら?
インドと中国も、起源は違っていても、シルクロードでの交流を考えると、互いに影響し合っていそうです。食養生を基本にしている、体質を考慮した予防医学である、呼吸法を重視してヨガや導引術の運動療法を発展させたなど、アーユル・ヴェーダ医学と中国伝統医学には共通項が多く見られますもの。
日本に中国伝統医学が入ってきたのは5世紀のこと。仏教も含めて、中国文化を盛んに吸収して、日本の文化を大きく発展させたころのこと。生命に関わることですから、医学はかなり積極的に学ぼうとしただろうと思われます。その時代、多くの場合は、朝鮮半島経由でしょうけど。
朝鮮半島では、中国との交流は盛んでしたから、医学もあっという間に広がったことでしょうね。日本でも、朝鮮半島でも、それぞれ古来の医学(医学的なもの)とも組み合わさって、日本では漢方(漢医学)、朝鮮半島では韓医学として、独自に発展していきます。
今、日本で漢方というと、漢方薬を用いる医学という意味合いで使われることが多いですが、本来は漢医学、すなわち中国伝統医学であり、鍼灸も含まれます。5世紀から江戸時代までは、医学の中心でした。
明治になって、蘭方(オランダ医学)をはじめ、ドイツ医学やフランス医学などに傾倒していき、明治政府の方針もあって、一気に西洋医学が中心になり、漢方医は存続の危機に瀕するまでに。何とか途切れずに続いて、本当によかったと思います。
明治以降、西洋医学に対して、東洋医学と区別されて、今にいたるワケですが、その区分が、「東洋医学」の定義にややこしさを加えたんですよねぇ。日本でだけのことですが。海外では、Japanese Medicineですから。
本場中国での伝統医学を中医学(Chinese Medicine)、韓国での中医学ベースの伝統医学を韓医学(Korean Medicine)、日本古来の和方に中国伝統医学が加わった漢方・鍼灸(Japanese Medicie、狭義の東洋医学)をまとめて、ちょっと広い意味での東洋医学と呼ぶこともあるかな。
いずれにしても、ベースは中国伝統医学(中医学)。ってことで、『ちょこっと健康術』で東洋医学と言ってるのは、中医学だと解釈していただいてかまいません。
ちなみに、西洋の伝統医学に入るのは、ホメオパシーやアロマセラピー、メディシナル・ハーブ、ネイティブ・アメリカン医学などでしょうかね。
中国と日本の伝統医学の歴史に興味のある方は、「東洋医学の本あれこれ」でもご紹介した↓こちらの本をどうぞ。
漢方の歴史―中国・日本の伝統医学 (あじあブックス)/小曽戸 洋
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西洋医学の歴史は↓こちら。
医学の歴史 (講談社学術文庫)/梶田 昭
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