骨粗しょう症予防には骨質も大切 | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


だいぶ前になりますが、「子どものうちの骨づくりが大切」 で、骨粗しょう症予防としての骨量の話をお届けしました。で、今回は、骨量と同様に重要な骨質のお話です。


え~~~っ、骨粗しょう症って、骨密度の問題じゃなかったのぉ?そうなんです。ちまたでは「骨密度」ばかりが注目されてましたが、実は、ポイントとなるのは骨量と骨質だったんです。


骨量の多寡は、骨密度に影響しますね。だからこそ、「子どものうちの骨づくりが大切」 の記事になったわけですが、骨質はどんなふうに影響するんでしょうね?それを知るには、まず骨の構造を見ていただきましょう。

春月の『ちょこっと健康術』-骨細胞 ←クリックすると大きくなります。

(東洋療法学校協会編『解剖学』より)


骨を顕微鏡で見ると、↑のような構造です。骨小腔という場所に骨細胞が入っていて、その周りに膠原線維(こうげんせんい)が骨組をつくり、その間をリン酸カルシウムの結晶が埋めています。


膠原線維(コラーゲン)は、有機質であるタンパク質でできていて、引っ張り力に対して強さを発揮します。リン酸カルシウムの結晶(アパタイト)は無機質で、圧力に対して強さを発揮します。つまり、骨は、引っ張りに強い鉄筋+圧力に強いコンクリート=鉄筋コンクリートによく似た構造になってるんですね。


海外の地震被害のニュースで、壊れたビルの映像をごらんになったこと、ありますでしょ?鉄筋が入ってなかったり、入っていても少なかったり細かったり。骨も同じなんです。構造基盤となっているコラーゲンとアパタイトの質が悪かったら、壊れやすくなるって、容易に想像できますね?


骨量(骨密度)がビル内の柱や壁の多さだとすれば、骨質はビルを形づくっている鉄筋コンクリートの質。太くてしっかりした鉄筋と、丈夫なコンクリートが組み合わさればこそ、壊れにくいビルができあがるワケです。つまり、骨質が悪くても、骨折のリスクは高くなるってこと。


骨粗しょう症は、骨密度と骨質の状態によって、次の3タイプに分けられます。

1 骨質劣化型(骨密度は高いが、骨質が悪い)

2 低骨密度型(骨密度は低いが、骨質は良い)

3 低骨密度+骨質劣化型(骨密度が低く、骨質も悪い)


骨密度が高く骨質も良い人と、これら3タイプとを比べると、骨折リスクは、1は1.5倍、2は3.6倍、3になると7.2倍にもなるんだそうです(参考: 月間ヘルシートーク No.301)。


骨量の減少による骨密度の低下は、40代以降加齢とともに進行します。特に女性の場合は、閉経によるホルモンバランス変化によって、急速に進んでしまう。しかも、減ってしまった骨量を増やすことはむずかしいので、なるべく減らさないように努力するしかない。


そんなときに、骨質まで悪くしてしまったら?結果は明白ですよね。骨密度は高いのに骨折した人や骨折しやすい子どもは、1タイプの可能性が…。じゃ、どうすればいいの?


骨粗しょう症っていうと、カルシウムを摂らなきゃってなりがちですが、それは骨質のアパタイト(コンクリート部分)の話にすぎません。良質な鉄筋コンクリートの決め手は鉄筋。良い骨質のためにはコラーゲンが重要なんです。しかも、骨の体積の50%はコラーゲン。


だったら、コラーゲンのサプリメントを摂ればいいんじゃない?残念、そう簡単にはいかないんだなぁ…。おなかに入ったコラーゲンは、小腸で吸収されるときにアミノ酸に分解されるのよぉ。コラーゲンのまま骨に到達するわけじゃない。やっぱり食事が基本よね。


この続きはまた明日。一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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