【転記】これからの世界経済の歩む道 | 矯正知力〇.六

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メモ的ブログ

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『これからの世界経済の歩む道』

◆デフレの進行

経済の基本は、言わずもがな商品の売買だよね
売れれば豊かになり、売れなければ貧しくなる

景気が悪いから物が売れない
売れないから、売ろうとして商品の値段を下げる

下げるためには、コストカットのため人件費を下げる
みんなの給料が下がるどころか
雇用の切り崩し(リストラや非正規雇用の増加)によって
買う立場の者が、ますます買えなくなる
はじめより、もっと景気が悪くなる

この繰り返しで、デフレが世界で進行していく


◆デフレは戦争によってしか解消できなかった

そういうとき、昔なら
良い悪いは置いといて
戦争して、外国から資源や労働力、市場などを略奪すれば良かった

その結果、戦勝国の不況は
他国の貧困の上に解消されてきたのだ


戦争をしなくても
経済力の違いで、他国の経済を競争で打ち負かせば
(そのための、合法的にみせかけるための貿易協定)
戦争で植民地を獲得したり、不平等条約を結ばせるのと
同じ効果が得られる


そうやって、今日の先進国の繁栄は
一つは資源算出国の貧しさの上に成り立っている

アラブの民なんて、凄く貧しいよ
先進国が、主権者たる王族に巨万の富を約束する
その見返りに、アラブの原油という富を我が物にする
このやり方は、先進国が世界中でやってきたことだ
軍事独裁政権など、主権者が住民になく
一部の者に掌握されていれば都合が良いので
民主国家を標榜する先進国は、反民主的な政権を応援してきたのだ
もちろん、日本もね!


◆だが、世界経済圏の確立により、戦争は出来なくなった

~世界経済は、チェックメイト寸前~

じゃ~、デフレを解消するために戦争すればいいのか?
それも出来ない

今は、アメリカを頂点とした経済圏が
その中で、相互に依存しあっているからだ
ギリシャ危機を見れば分かりやすい

経済圏の中の、どこかの国がへたっちゃうと
みんなが壊滅的な打撃を受ける

へたらないように、みんなが巨額の資金を出し合って助けないといけない
ギリシャなんて、愛知県より小さな経済規模の国なのに
世界がてんやわんやでお金を出し合って支えないといけない
そうしないと、アメリカ経済圏が滅ぶから

そういう世界経済の構造の中
経済圏の中で、戦争を行うことは不可能だし
巨大な経済圏を支えるだけの、圏外の国は
地球には存在しない


もう世界経済は、チェックメイト寸前な訳だ

【転記】経済相互依存
経済相互依存関係にある国同士は戦争できない解説


◆どうやって延命するのか?

グローバル化を進めるしかない
世界経済が、いま以上に国境を越えて
経済的には、まるで一つの国のようになるしかない
地球規模での、世界経済共同体かのような
そういう方向に進むしかない

その中身はどういうものかというと

冒頭でも少し述べたけど
デフレの中、がんばって商品を売ろうとしたら
もっと商品の値段を下げないといけない

デフレ商品って言葉を耳にしたこともあるだろう
牛丼が凄い安いとか、ああいうやつね

なんでそこまで安くできるかというと
大きな要因は、極限までに安い給料にある

昨日、キリンのニュースがあったよね
一日15時間労働で、月給は20万円前後
なにもキリンに限ったわけではない

先進国の給料は極限まで下がり
そのことで、買う立場の者が買えなくなる

だが、それでも更に安くしないと売れない

じゃ~どうするか?

国境を越え、貧しい国と経済的に一体化することだ
その結果、均一化されることによって
お金持ちの国の給料は、もっと下がるが
貧しい国のお給料は、上がっていく

そのときに、これまで買う立場になかった貧しい国の需要によって
市場を確保し、それでなんとか売って急場をしのごうってこと


均一化は同時に、さらに安い労働力の確保をもたらすので
商品の値段も下げることが出来る

福祉労働なんかも分かりやすい
厳しい労働条件で、耐えることが難しいから
生きていくことがもっと厳しい国から
労働力を輸入している
介護労働に、外国人が導入されている

こういうことが、どんどん進む


日本の給料が20万円とする
どっかの発展途上国が、2万円とする
人口比は1:1として
22万円を2で割って、双方の国の給料が11万円になる

日本の庶民は貧しくなっても、途上国が相対的に豊かになるので
そこで、人件費が安くなったことで作られた商品が
途上国に買われる
そいうやって無理やり、商品の更に低価格化(人件費削減による)と
市場の獲得をする

そのことによって、チェックメイトをかけられた世界経済を
延命させようとしているわけだ

【転記】TPPに賛成している人は算数できないの?
多国籍企業

【転記】インフレ政策&アベノミクスのペテン


◆それですら対処療法に過ぎず、死の病は進行する

そこで勘の良い人は、気づくと思う

世界の富の量は変わらない訳だから
これまで、富める国が、他国の貧しさの上に繁栄していたことを
国境を越えて一体化したところで
均一化されるだけで、なんら発展しない
ことを!

BRICsなんかもそうなんだけど
経済的に遅れていた国が、一時的に景気がよくなる
ブラジルなんて、いま凄く景気が良い
グローバル化の賜物だよ

でも!
結局は世界経済のデフレの波に飲み込まれて
彼らも貧しくなっていく
ブラジルの商品を買っている国が
世界均一化の過程で、どんどん貧しくなっていくからね

グローバル化になる過程で
貧しい国が、瞬間的に豊かになる
先進国の豊かさとの引き換えに
貧しい国が、瞬間的に豊かになる

そのときの、発展した貧しい国の需要によって
延命しようというのが
今の世界経済の流れだ

グローバル化ってのは、そういうことだ

TPPなんてのは、その一端の、ほんの先っちょなわけで
それでもっても、行き詰まりが解消されないので
自由経済の枠は、どんどん拡大されていく

どうあがいても、日本は貧しくなっていくのだ

そして最後は、人類未曾有のメガ恐慌が起こって
世界経済は、滅び
有史以来の貧困が訪れる


◆未曾有のメガ恐慌を避けることは出来ないのか?

もちろん、これを救う方法はある
経済の構造を変えればいい

だけど、それを説明しても誰も理解できない
前提となる知識を、必要とするから

アインシュタインの理論がいくら正しくても
彼がそれを発表当時、本当に私の理論を理解できる者は
世界に三人しかいないといったそうだ

それは極端にしても
自然科学の高度な理論を理解するのは
前提となる数学的知識が必要だ

社会科学も同様で
前提となる知識がなければ
理解できない

理解できる人が少なければ
世界経済を救う方策は、みんなから支持されない

理解できなくても
アインシュタインの理論が、正しいとして受け入れられるのと同様に
経済理論も、同じように世間に受け入れられればいい
だけど、そうさせないために
既得権者たちは、言い換えるなら、世界を支配する者たちは
偏見を振りまき、真っ当な社会科学を攻撃する

そこでよく使われるのが
「サヨク」への偏見攻撃と、仮想的国とセットになった民族主義

理解と共感を得られない以上は
現実には方策がないのと同じだ

俺みたいな奴は、こういうジレンマを抱え苦悩しながらも
それでも、少しでも前に進むために
地道にやっているわけだ
ミクシイでブログを書くのもそうだ


◆余談

今回の日記ですら、書けなかった
消費税の解説日記を書いたとき
日本より経済力のない北欧がこれだけ出来るのだから
日本は出来るのにやらない、ペテンだと書いたが

コメント欄で最後に
北欧のようにしても
最後はそれでも経済は悪くなっていくという旨を書いた

それは、今回書いたようなことなんだよね
「利潤率の傾向的低下の法則」が
現代のグローバル化の状況で、世界的に進行していく
その結果、恐慌に進んでいく

でも、それを言っちゃうと救いがないので
たたかおうという気持ちや
そのために学ぼうって気持ちがなくなるでしょ

経済崩壊に対する処方箋も、書いても理解されないし
分かるように説明するのは
これまた不可能
読み手が自力で学ぶことが必要不可欠だから
だから、こういう本当のところは書きづらかったんだよね

処方箋に関しても、この世の既得権者の偏見攻撃が有効で
いきなり話しても、受け入れられない
だから、こうやって毎日にように
正しく科学を示すことで
コイツのいうことは正解か、もしくはそれに最も近い
などと、信頼を得ることから始めないといけないんだよね

でも、いずれは書くかもね
私の書くものに、一定の信頼を置いてくださる方が
理解できなかったり同意できなくても
言葉が心に残るだけでも、意味があるかも知れないから

その者が、真実を本当に望むなら
科学に依拠するだろう
結果、処方箋を理解するだろうから

そのときに、心に残っているものが
案外、理解の手助けとなるからね

私もそうだった
どうしても同意できない話だけど
言われたことが心に残って
それをもとに、正当に辿り着いたこともあったからね


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◆円安になれば、日本は豊かになる?

日記本文で書いているようなことを理解すれば
分かると思うんだけど
貿易ってのは、なんら富の量が増えるわけでないので
(経済が発展するわけじゃない)

他方から、もう一方へ富が移動するだけなんだよね

だから何処かの国の通貨が安くなったからといって
一時的に輸出が増大し
貿易差額で儲けたとしても
輸入が拡大した国が貧しくなることによって

輸入国は貧しくなる一方で、そこへ輸出できなくなる
その結果、通貨の価値(為替)がまた逆転する

だから一緒なの!

特に日本でいえば
1ドル360円のときに、巨大な成長をした
いま、70円台のとき、それが90円になったところで
どんだけ輸出によって儲けらられるのかというと
言うまでもなく、お笑いだよw

90円にするには、相当無理しないといけないし
現実的には、為替に介入したところで無理だね

それに通貨が安くなるってことは
それだけ、その国の経済がヤバくなるってことだよ

ドルが安いのは、デフォルトなどに代表される
経済危機があるから

円安になれば豊かになるというけれど
その前に、日本経済がヤバくならないと円安にはならない
本末転倒wwwwwwwwwwwwwww

円安を唱える経済学者って、逆立ちしたカバさん?


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◆思想

思想なんて、たった一度も語ったことがないです
そもそも、「思想」という概念の意味を
正しく理解している人は、少なく感じます

「社会的弱者を救え」
こういうのは、主観であり情緒ですよね
それを、もう少しマシに論理立てしたものが思想です

私は、そんな主観(情緒)を語ったことがないです

「弱者を救いたい」
それは、個人の好き嫌いのような主観にすぎません
救わなければいけない必然性は
思想は提示できません

そういう個人的な情緒を排除して
自然科学と同様に
社会科学分野の問題も、政策も
「そうする必然性」が問われます


じゃなきゃ~
解決できないんですよね
遠回りなようでも、情緒を配して冷徹に科学的態度に徹した先にでしか
正答は得られないです

私が語っているのは、そういうものです


私は、マルクス主義者じゃないです
断言します

ニュートンの運動方程式を正しいと思う者は
ニュートン主義者と言われるのか?
相対性理論を支持する者は、アインシュタイン主義者と呼ばれるのか?
違いますよね
ただの科学者(職業という狭義の意味でも、それを超えた広い意味でも)です

マルクスの理論が、どういう意見、立場であれ
彼の革命性を支持しようが拒否しようが
それが、社会科学の基礎理論、原理論であることは
否定できません

近代思想やら哲学、科学の道を歩み始めた経済学などを
科学として確立する基礎を作ったのは
マルクスです

どんなに高等な数学、宇宙物理学であっても
四則計算を否定できないのと同じです
どこまでも、正しいものは正しいのです


ただ!
社会科学は、特に経済学は
『資本論』がそっくりそのまま
今の時代に通用しているんですよね
多少の社会と経済の、発展はあり
それに応じて、『帝国主義論』(発達した金融経済の解明)もなされておりますが

宇宙の謎に挑むのに、四則計算や単純な方程式だけでは立ち向かえないのとは違って
現代の社会問題は、資本論だけでも把握できることがほとんどといっても過言じゃないです


私は、情緒的なものである「思想」を持っておりませんから
科学的態度に徹しているからこそ
マルクスの理論を、用いるわけです
高等数学が、様々な法則を利用するように
医学だって、化学や生物学(?)の基礎の上に成立するのと同じです
(医学はよく分からないから、ここは誤謬があったらゴメンちゃい)


【転記】+社会科学の学び方・入門書紹介 社会とは何か+

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◆理論(抽象)がどういうカタチで現実(具体)に現れるかということ

マルクスは自由貿易については
直接的には労働者階級の関心の外にあるものだけど
(自由貿易だろうが保護貿易だろうが、どっちにしろ労働者階級を搾取することには変わりないから)
歴史的な大きな視野から
自由貿易政策を肯定するようなことを言ってるんです

ここで、TPPに反対する私と
自由貿易を、全体的には肯定するマルクスと
意見が異なるのか、私の理論が社会科学の基礎理論と矛盾するのか?
と、問えば、答えはノーです

マルクスが今日に生きていれば
TPPに反対したことでしょう

「自由貿易」という一般論
これは、抽象的な話であり
それが現実世界で具体的に現れるとき
様々な特殊性を持ちます

投げたボールは放物線を描きますけど
必ず、方程式通りの放物線を描きません
風や湿度など、環境の影響を受けます

そのことが、運動方程式を否定することにならない
のと同じです 

自由貿易も、その具体的な政策に応じた
様々な特殊性があり
その特殊性ゆえに、否定される場合もあるのです


マルクスは利潤率経過抵抗の法則は
実際には、その通りにすぐさま作用するとは限らない
それはなぜかというと...
と、理論(抽象)と、それが現実に現れる場合の現象までも
資本論で丁寧に解説しているんです

そのことは、この法則が間違っているわけでなく
投げられたボールが、方程式通りの放物線を描かないのと同じで
描かないからといって、運動方程式が間違っているわけじゃない

むしろ、運動方程式が正しいからこそ
そうやって環境の影響を受けたボール運動の軌跡を描く
それと同じなんですよね

利潤率低下傾向の法則が正しいからこそ
ベストアンサーにあるような、マルクス自身が述べた理由によって
法則が目にみえるように作用しないというだけです
長期的にみれば、法則の通り、利潤率は傾向低下し続けます

現実社会が、それを実証していますよね
デフレ商品(安い牛丼)なんかみれば、分かりやすいでしょう


これと同じようにね
マルクスの労働価値説を否定するのに
労働生産物でないものにも値段がつく
だから労働価値説は間違っている
なんてことを、本気でいう経済学者もいるんです

ちゃんとマルクスは、なぜ労働生産物でないものにまで
値段がつくのか
資本論の第三部で、丁寧に解説しております

労働価値説が正しいからこそ
労働生産物でないものまで、値段をつけることが出来るので
逆にそのこと(労働生産物でない物にまで値段がつくこと)は、理論の正しさを証明することにもなっております

※労働生産物でないものというのは、スポーツ選手の給料や土地、骨董品、ビンテージワイン
あるいわ、名誉や地位的なものまで、
ありとあらゆる労働によって作られないものを指します
一方で、牛丼などは労働によって作れらる(価値、値段)ことは、いうまでもありません


学者がこういう間違いをするのは
上でも語ったように、知識を暗記するような勉強の仕方しかしていないわけです
まあ、一言でいえば学習不足です
それと同時に、私がよく言っている
社会科学の、「科学からの乖離」が現れております

同じく資本論を読んだとしても
誰もが私のように理解できるわけでないのは
抽象と具象や、理論がどういうカタチで現実世界に現れるか
そのへんのところが、理解できていないからです

自然科学でいえば、普通にそのところは分かるはずですし
(ボールの運動の説明が、誰もが理解できるように)
社会科学は、その辺は少し分かりづらいです

ヘーゲルの弁証法を、科学的にリライトしたものを学べば
そういう事はよく分かるようになり
ゆえに、資本論を本当に理解しようとすれば
リライトされた科学的な弁証法を学ばないといけないと
昔から言われております

だけど!
利潤率の話にしても、骨董品に値段がつくことにしても
科学論(論理学、科学的な弁証法)が分かっていなくても
読んでいれば、理論の現れ方の説明で、結局は理論が貫徹されることは
普通に分かるはずなんですけどね

学者になるまでの方だから
アホだとは思わないので
やはり、何が何でも否定したという情緒
(それを私は、マイカルト宗教と呼ぶ)
それによって、知性が歪んでいるのでしょうねー


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参照
【転記】富とは何か・富の再分配~社会福祉の目的 賃金理論
【転記】+超経済学入門 ~景気回復策を中心に~+

【転記】本物の法理(法原理)の解説


【転記】世界経済の史的発展