大きな音が、耳を揺する。

 いつもは気持ちのいい音も、今日に限っては空しく響くだけだ。

 夏の風物詩、花火大会。

 裕也はここ3年、毎年恋人の洋子と見物していた。

 二人は、秋に結婚する予定だった。

 だが、マリッジブルーに陥っていた洋子と、一週間前に些細なことで喧嘩してしまった。これまで、喧嘩したことなんてなかったのに。

「私、あなたとは合わないわ」

 最後に言った洋子の言葉が、今も耳から離れない。

 たった一度の喧嘩で、それも結婚を間近に控えていたというのに。

 裕也は、いつも洋子と見物していた場所から、ぼんやりと夜空に広がる光の欠片を見つめていた。

 家に閉じこもっていても気が塞ぐばかりなので、ついふらふらと足を運んできたのだ。

 花火を見上げていると、横に洋子がいるような気になる。

 裕也の右手は、つい洋子を探って動いてしまった。

 その手が、いきなり握られた。

 裕也が、びっくりして横を見る。

「あなたがここにいたら、もう一度やり直そうと思って」

そこには、浴衣を着てはにかんだように立っている、洋子の姿があった。

 裕也が、無言で洋子を抱きしめた。

 

 

 

 

 

真実の恋?(現在連載中)

夜の世界に慣れていない、ひたむきで純粋ながら熱い心を持つ真(まこと)と、バツ一で夜の世界のプロの実桜(みお)が出会い、お互い惹かれあっていきながらも、立場の違いから心の葛藤を繰り返し、衝突しながら本当の恋に目覚めてゆく、リアルにありそうでいて、現実ではそうそうあり得ない、ファンタジーな物語。

 

真実の恋?を面白く読んでいただくために

 

 

恋と夜景とお芝居と

ふとしたことから知り合った、中堅の会社に勤める健一と、売れない劇団員の麗の、恋の行方は?

 

絆・猫が変えてくれた人生

会社が倒産し、自棄になっていた男の前に現れた一匹の黒い仔猫。

無二の友との出会い、予期せぬ人との再会。

その仔猫を拾ったことから、男の人生は変わっていった。

小さな命が織りなす、男の成長と再生の物語。

 

プリティドール 

奥さんが、元CIAのトップシークレットに属する、ブロンド美人の殺し屋。

旦那は、冴えない正真正銘、日本の民間人。

そんな凸凹コンビが、CIAが開発中に盗まれた、人類をも滅ぼしかねない物の奪還に動く。

ロシア最凶の女戦士と、凶悪な犯罪組織の守り神。

世界の三凶と呼ばれて、裏の世界で恐れられている三人が激突する。

果たして、勝者は誰か?

奪われた物は誰の手に?

   

短編小説(夢

 

短編小説(ある夏の日)

 

短編小説(因果)

 

中編小説(人生は一度きり)

 

20行ショート小説集

 

僕の好きな1作シリーズ

 

魔法の言葉集