進むも地獄、退くも地獄。

 同じ地獄なら、前に進むしかないと、一郎は腹を据えた。

 どうせ、ここまで来たら引き返せないのだ。男なら、ぐずぐず迷っていないで決断あるのみ。そう思い定めて、一郎は止まっていた足を踏みだした。

 一郎が歩を進めるいたるところに、屍が転がっている。

 一郎は世界的に有名な戦場ジャーナリストで、今、世界で最もほっとな紛争地帯に足を踏み入れていた。

 これまで、数々の場数を踏んできた一郎ですら、ここの戦場は酸鼻を極めていた。

 この戦場に立つと、人間とは、いかに醜くて、いかに愚かな生き物であるかということを、つくづくと思い知らされる。

 一郎は、今ほどこの職業を選んだことを後悔したことはない。

 世界が平和になれば、人々が平和の良さに気付いてくれたらと思い、この職業を選び、数多の戦場に赴き、戦争の悲惨さと無意味さを写真に収めては、世界中に向けて発信し続けた。

 その功績が認められて、ノーベル平和賞の候補に上がった一郎だが、この戦場を見る限り、人間の将来が案じられた。

 修羅場を幾度も見てきた一郎が思うほど、この戦場は悲惨を極めていた。

 もう、人間は、いくところまでいくしかない。

 そんな虚しさが胸を貫いたとき、一郎の胸を一発の銃弾が貫いた。

 これ以上、こんな光景を見なくて済む。

 一郎は、笑みを湛えながら、ゆっくりと崩れ落ちていった。

 

 

 

 

 

真実の恋?(現在連載中)

夜の世界に慣れていない、ひたむきで純粋ながら熱い心を持つ真(まこと)と、バツ一で夜の世界のプロの実桜(みお)が出会い、お互い惹かれあっていきながらも、立場の違いから心の葛藤を繰り返し、衝突しながら本当の恋に目覚めてゆく、リアルにありそうでいて、現実ではそうそうあり得ない、ファンタジーな物語。

 

恋と夜景とお芝居と

ふとしたことから知り合った、中堅の会社に勤める健一と、売れない劇団員の麗の、恋の行方は?

 

絆・猫が変えてくれた人生

会社が倒産し、自棄になっていた男の前に現れた一匹の黒い仔猫。

無二の友との出会い、予期せぬ人との再会。

その仔猫を拾ったことから、男の人生は変わっていった。

小さな命が織りなす、男の成長と再生の物語。

 

プリティドール 

奥さんが、元CIAのトップシークレットに属する、ブロンド美人の殺し屋。

旦那は、冴えない正真正銘、日本の民間人。

そんな凸凹コンビが、CIAが開発中に盗まれた、人類をも滅ぼしかねない物の奪還に動く。

ロシア最凶の女戦士と、凶悪な犯罪組織の守り神。

世界の三凶と呼ばれて、裏の世界で恐れられている三人が激突する。

果たして、勝者は誰か?

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短編小説(夢

 

短編小説(ある夏の日)

 

短編小説(因果)

 

中編小説(人生は一度きり)

 

20行ショート小説集

 

僕の好きな1作シリーズ

 

魔法の言葉集