舞台写真その10~日本坂トンネル→富士川SA~
みなさま、こんにちは
今週はクリスマス週間ですね
2ヶ月近く続いたクリスマスの雰囲気も
あと数日かと思うと名残惜しいです。
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さてさて、舞台写真の続きをご紹介して行きますね。
(ネタバレ注意!)
の続きです。
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舞台写真その10
1987年、東京発大阪行きの最新型高速バス「ドリームエクスプレス1号」は、
さまざまな事情と思惑を抱えた8人の乗客と乗務員2人を乗せ、
深夜の東名高速を軽快に走っていました。
突如原因不明の暴走を始めた「ドリームエクスプレス」は
浜名湖SAでUターンし、燃料がなくなるまで走り続けることになります。
通りかかった他のバスに飛び移ろうと試みたり
パトカーに気づいてもらおうとするも、あえなく失敗します。
全員が一丸となって前方に注目しています。
再び、日本坂トンネルに入りました。
トンネルの黄色い天井灯が流れていきます。
「ナンマイダブ ナンマイダブ…」
お経を唱えているのは「川上」です。
前方に道路清掃車、発見。
「トンネルだ―トンネルだ―うれしいなー」
無邪気に歌っているのは「清水」。
「お前はその歌、歌うんやない黙っとけ」
「清水」を叱りつける「松崎」。
道路清掃車を追い越し、バスは大揺れ。
電話が鳴りますが、トンネル内のためしばし通話できず。
「安川」の「もしもし」がむなしく響きます。
トンネルを出てやっと通話できました。
「松崎さんいらっしゃいます?」
乗客に問いかける「安川」と、顔を見合わせる乗客。
たまたま同じバスに乗り合わせた他人同士。
お互いの名前は分かりません。
(ちなみに、ここまで会話の中できちんと名前が出ているのは
「田辺」「安川」「森下」「五木」「川上」「善治」です)
「おお、わしやわしや。わしが松崎じゃ」
乗客みんなに威嚇しながらアピールする「松崎」。
「交通警ら隊が探してるそうですけど」
「安川」の一言に「何!」とうろたえる、ヤクザの「松崎」。
周囲の乗客は思わず「プッ」。
富士川SAでUターンしろというものでした。
松田付近で事故渋滞しているそうです。
富士川SAの緊急連絡道路は、細いS字の坂道だと「田辺」。
万事休すなのでしょうか。
「どこかで降ろしたれ、せんべい持ってへんぞ」
「松崎」が受話器をひったくり、叫びます。
「こちらの指示に従って下さい」
必死に止めようとする「安川」。
「松崎」が何か言おうとしたその時、トラックが割り込んできました。
「イモ、レースしてんじゃねえんだ。どけ!」
ものすごいブレーキ音とタイヤのきしみ。
「松崎」がゴロゴロ転がっています。
「川上」の悲鳴が響きます。
トイレに入っていたようです。
トイレのドアを叩き声をかける乗客達。
倒れている「松崎」の方には誰も行かず…。
やっと「川上」がトイレから出てきました。
便器の中へしりもちをついたようです。
「!?」
…
…
…
「…運ちゃん、これ」
「ああー」
転がるうちに電話のコードが切れてしまったのです。
思わず受話器をポイする「松崎」。
すかさず受話器を拾いに行く「清水」。
素早い動きで受話器を手に入れました。
「何やってんですよ!何やってんですよ!」
外との連絡手段が絶たれてしまいました。
「急ハンドル切るさかやで」
逆ギレする「松崎」。
「ばあさんが便所に入るさか悪いんや」
「じいさんがわいをたおしたんや」
苦し紛れにわめきます。
(やはり「善治」さんはバスに乗っていたのか)
「そんなもの集めてどうすんのよ」「返しなさいよ」
「五木」に見つかった「清水」。
お説教を受けています。
広域道路情報の電光板に
事故情報が出ているのを見つける「森下」、
後方は受話器を返し、落ち込んでいる「清水」。
松田はまだ先の方なのに…と怪訝な「田辺」。
目的地である富士川SAが、なんと入路禁止になっているとのこと。
「どうします」「入れないの?」
一斉に運転手を見る乗客。
富士川SAの近くまで行ってだめなら、
そのまま事故渋滞中の松田を通り、東京を目指すしかないとのこと…。
指示も仰げなくなりました。
「松崎」をにらみつけている「ティム」。
…と、さっきから後方でしくしく泣いている「清水」。
この状況に絶望しているのではなく、
電話器の一件が原因と思われます
他の電光板でも同じく、富士川SAの入り口付近は
事故で入れないことが確実となりました。
8人の乗客と2名の乗務員は無事、
地上に降り立つことができるのでしょうか。
次回、いよいよ最終回です。
「舞台写真その11」に続きます。
(くまはち)