美羽と修は付き合い始めた事を蓮達に伝えた。

「おめでとう」奈美は喜んだ。

「ありがとう」

「お前にも心配をかけてすまない」修は謝罪した。

「それは良いんだが朝美は大丈夫なのか?」剛は疑問に思う

「あいつあれから精神が病んでるそうだ」千は教えた。

「…しょうがないさ…俺は美羽の事が好きだから」修はそう言った。

そんな美羽と修を見て蓮は何故が恋愛をしないといけない気がしてきた。

「ねぇ……今度みんなで…遊園地行かない?」月美は珍しく提案した。

「月美から提案するとか珍しいな」蓮は言う。

「……私…観覧車に乗りたいけど1人じゃ怖いから」

「なんだ。観覧車に乗りたいだけか」剛は笑う。

「いいよ。行こうみんなで」美羽は賛成した。

「そうだな。3年になったら受験で忙しくなりそうだし」千も同じく賛成だった。

「じゃ行こうじゃないか」

そして5日後の日曜日、蓮は遊園地前で待っていた。

「遅いな、何やっているんだ」

そこに美羽から電話が掛かってきた。

「ごめん、風邪引いちゃって今日は行けない」

「分かった。お大事に」

しばらく待っていると今度はメールが来た。

千と修からだった。

「風邪で休みかよ」

「蓮!」

そこに奈美がやってきた。

「剛と月美が急用、鎧は親戚の関係で休むそうよ」

「美羽と千、修もだ」

「つまり私と蓮2人だけだね」

「じゃ今日はやめよう」

「……いや行こう」

蓮は驚いた。

――もしかして俺の思いに気付いて敢えて2人きりにしたのだろうか。

「そうだな、行こう」

そして2人は遊園地に入る。

蓮はドキドキしていた。

「何乗る?」蓮が聞く。

「じゃ観覧車に乗りたい」

「月美が乗りたい奴だったな」

そして2人は観覧車に乗るが奈美は怖がっていた。

「私高所は苦手なんだけど」

「じゃなんで乗った?」

「なんか面白そうだと思って」

奈美は無意識に蓮の手を握った。

蓮は一気に鼓動が激しくなった。

「降りるまで離さないで」

「……いや、俺を掴んでも意味ないだろ」蓮は思わず突っ込んだ。

奈美は笑う。

「…でも蓮達と出会ってもうすぐ2年だね」

蓮は今までの事を振り返る。

「そうだな。でも思っていたより高校生活も悪くないかもしれない」

「美羽や修のように私も恋愛をしたいな」

蓮は思わず戸惑った。

ふと思った。

――俺は本当に奈美の事が好きなのか?

蓮は今の気持ちが分からずにいた。

その後も色々乗っていくが蓮は緊張していてあまり楽しめていなかった。

そして2人が歩いているとお化け屋敷を見つけた。

「入ってみるか?」

「うん」

2人はお化け屋敷に入ってみた。

中は暗くて視界はほとんどなかった。

その時、幽霊が出てきた。

奈美はビビってしまうが蓮は全く平気だった。

2人が歩いていると奈美が蓮の手を繋いできた。

「2度目だぞ」

「良いじゃない」

2人が歩いていくと出口が見えてきた。

そして2人はお化け屋敷から抜け出した。

「大丈夫か?」

「うん、大丈夫だよ」

「ちょっと私飲み物買ってくる」

そして奈美が飲み物を買いに行く。

売店に向かっている途中、お土産屋を見つけた奈美は剛達にお土産を買ってあげようと思い店に寄る。

「これでも買ってあげようかな」

そして夕方になり2人は遊園地から出ていった。

翌日、奈美は剛達にお土産をプレゼントした。

「なんだこれ?」千は赤のイルカのキーホルダーを見つめる。

「お守りだよ」

「俺のは黄色か」修は言う。

「ありがとう。奈美」美羽は喜んだ。

「やっぱり俺はゴールドだな」鎧は気に入ったようだった。

蓮もそんな光景を何となく見ていた。

「ちなみに1つ多く買っちゃったんだけど」

奈美は白いイルカのキーホルダーを見せる。

「返品すればどうだ?」剛は提案する。

「でも遊園地だから」

ふと月美は思った。

「…大我君に渡してあげたら」

「は? 何言ってんだよ」千は気に食わなかった。

「奈美が決めれば良いよ」蓮は意見した。

「…考えておくよ」

蓮は思った。

――なぜ大我とは分かり合えそうなのに分かり合えないんだ

美羽が修と付き合い始めて1ヶ月たっだがお互いまだ素直に向き合えていなかった。

放課後、剛と鎧が校門前で待っていると蓮と奈美、千、月美がやってきた。

「一緒に帰ろうぜ」剛が誘う。

「そういえば最近の放課後美羽と会わないな」鎧が疑問を口にした。

「そういえば最近、修も放課後合わないな。どうしたんだ」千も思い出したように言う

「修は絵を描いているんじゃないのか」蓮は言う。

「そうかもしれないな」

その頃、修は美術室で絵を描いていると美羽が入って来た。

「あいつらは」

「帰ったよ」

「美術部のくせにまだサボりか」修は呆れた。

「でもほとんどサボらないよね」

「月美以外がサボり過ぎなんだよ」

「だが今日は調子が悪い」

「じゃ今日はもう帰らない」

「そうだな」

美羽と修は2人きりで帰りたいため敢えて蓮たちと時間を被らないように時間をずらしていた。

美羽が修と帰っていると修はいきなり美羽の手を繋ぐ。

「待って。もし誰かに見られたら」

「大丈夫だ。すぐ話せば」修は適当だった。

「付き合っているようだな」

振り返ると大我がいた。

「大我」

「別に良いさ。お前達が付き合っていようが興味はない」

大我は去っていった。

「なんなんだあいつ…冷やかしに来ただけなのか?」

翌日、8人は屋上にいた。

千は鎧とキャッチボールをして美羽は奈美と月美と話していた。

その時そこに朝美がやってきた。

「美羽」

「どうしたの?」

朝美は美羽に突然ビンタされる。

全員が驚く。

「何するんだよ」剛は言う。

「あなたに関係ないでしょ」

蓮は何が起きたが分からず考えて見る。

「もしかしてお金かな」鎧は言う。

「お前は黙ってろ」

蓮は鎧を後ろに引っ張る。

「私が修の事が好きなの知っていたのに修と付き合うなんて」

「お前、それこの大人数の前で言って良いのか?」蓮は思わず問う。

「別に良いよ。悪い事なんてないし」

修は黙ったままだった。

「お前の勇気と運がなかっただけだろ。もっと早く行動してればよかったんだよ。それと手を叩きながら笑うなどの下品な行為も自分の姿を醜くするだけだ」

朝美は鎧を見る。

「いやなんで俺なんだよ」鎧は否定する。

「俺だよ」

振り返ると大我がいた。

「あなたには関係ないでしょ?」

「うるさいからな。敗れたんだから大人しくしてろ」

朝美は思わず泣いて出ていった。。

「お前」修は怒る。

「彼女が困っているのに助けないお前よりましだろ」

「だがお前のやり方に気に食わない」千は意見する。

「お前が何を言おうが俺には関係ない」

千は怒りを覚えるが剛が宥める。

「あなたは優しい人じゃないの?」月美は思わず問う。

「それはお前の勝手な印象だ」

大我は去っていった。

「何があったんだ? 全然話が見えないんだが」蓮は聞く。

「…それは」

「話さなくて良いよ」奈美は美羽に言う。

「今はそうっとしてあげよう」

「……そうだな。俺達は敢えて何も聞かない事にしよう」剛は賛成した。

以降敢えて美羽は修との接触を敢えて避けていた。

それが1週間続いた。

蓮と剛、奈美は一緒に帰っていた。

「困ったもんだな、いったいどうすればいいんだが」剛は心配だった。

「大丈夫だ、そのうちなんとかなるだろう」蓮はそう言う。

「このまま別れそうな気がするんだけど」奈美は美羽の気持ちを考えると心が痛くなる。

その頃、校庭では美羽が落ち込んでいた。

「なぜ俺を避けるんだ?」

修は美羽に声をかけた。

「…今は話しかけないで」

「何でだろ」

「朝美の視線がずっと気になるのよ。友達だったのにあれから冷たいし」

「だけど奈美や月美ほど仲良いわけじゃないだろ」

「そりゃそうだけどでも修には分からないのよ」

美羽は頭を抱える。

「……もう駄目かもしれない…別れよう」

「……そうだな」

修は無表情でその場を去っていった。

美羽は思わず泣いてしまう。

本当は修の事が好きだった。

翌日、修は屋上で落ち込んでいた。

美羽と別れてしまい精神的に疲れていた。

「別れたのか?

声の方向を見ると大我がいた。

「何の用だ?」

「別に、ただ随分落ち込んでいるなぁと思って」

大我は空を見上げる。

「本当に好きなら守ってみろ。まだ守ることができるんだから」

「何言ってんだよ。もう終わったんだよ」

「何故まだやり直せるのに未来を変えようとしないんだ?」

「この状況見たってもう関係的に無理だろ!」修も感情的になる。

ふと修は思い出した。

――先輩たちからも怖かったはずなのにそれでも美羽は助けてくれた。

――それに比べて自分は美羽が朝美に責められても黙っていた。

そう考えると自分が情けないと感じ始めた。

修は思わず走っていく。

美羽が家に帰るため校庭を歩いていると修が走って駆け付けた。

クラスの女子達はソワソワしていた。

朝美も遠くから見ていた。

「ちょっとみんな見てるし、やめてよ」美羽は戸惑った。

「そんな訳にはいかないんだよ」

「どういうこと」

その時、修は美羽を強く抱きしめる。

周りの生徒達は思わず注目する。

「ちょっと修…やめてよ」

「やめない」

蓮達6人は遠くから見ていた。

「あいつら何してんだ」蓮は不思議そうに見る。

大我は、屋上から見ていた。

「俺はもう逃げないし、隠さない、美羽の事を守ってみせる」

「例え学校中の奴が美羽を批判しようとも俺が美羽を守る」

美羽は大人しく聞いていた。

「だから俺とまだ付き合ってくれ」

美羽は感情が高ぶり涙を流し修の背中に手を回す。

「私もごめんね。怒ったりしばらく避けていて」

「いいさ。美羽、俺と付き合ってくれるか」

「うん」

修は美羽の目を見ると唇にキスをする。

朝美は耐えられなくなりその場を離れる。

「感動的だな」剛は感動していた。

「美羽もずっと苦しかったのよ。でもよかった美羽、報われて」

奈美も安心した。

鎧は駆け寄ろうとした。

「待て!」

蓮は肩を掴む。

「なんだよ、祝ってやろうと思ったのに」

「そうっとしてやろう。大人の世界ではそうするし」

「まだよく分からない理屈だな」剛は面白く感じる。

「見なかった事にしてあげよう」月美は提案する。

「そうだな。俺達は見なかった事にしよう」千も賛成する。

蓮達は黙って帰っていった。

 

授業が終わり休憩中美羽が廊下を歩いていると目の前をクラスメイトのカップルが手を繋いで帰っていった。

「どうしたの?」

そこに奈美がやって来た。

「…私、恋愛した事ないなと思って」

「私もだよ」

「高校生なんだから恋愛ぐらいしたいと思ってるんだけど」

「好きな人いるの?」

奈美の質問に美羽は思わず戸惑う。

「一緒にいたのか」

そこに修が来た。

美羽は思わず目を逸らす。

「どうした?」

「別になんでもないよ」

美羽は思わずその場を離れた。

最近美羽は修に対し特別な感情を抱いていた。

しかしその特別な感情が分からなかった美羽はクラスの女の友人に相談した。

「それは恋だよ」

「まさか」

するとその友人は占いを始める。

「苦しみの果てに好きな人と結ばれる。そしてその切り札は意外な人物である。いいじゃん。美羽」

「でも意外な切り札っで誰?」

「鎧くんとか剛君とかじゃない」

「あの2人が」美羽は疑った。

放課後、屋上に行くとそこに修だけがいた。

「修」美羽はまだ戸惑う。

「みんなは?」

「分からないわ」

「そうか」

美羽が教室に戻ろうとした時、突然修は美羽の腕をつかむ。

美羽は思わず緊張が走った。

「……ずっと美羽の事が好きだった」

美羽は予想外の出来事に言葉が出なかった。

「何やってんの」

鎧が現れた途端、修は美羽から手を話した。

「何でもない」

修は帰っていく。

夜、美羽はベッド寝ながら考えていた。

修にいきなり手を握られて告白された事が嬉しかったがしかし同時に迷っていた。

翌日、美羽は間島麻美にある頼み事を去れる。

「美羽、これ修君に渡してほしいんだけど」

それは修へのラブレターだった。

「いやそれは…」

美羽は一瞬迷うも受け取る。

しかし美羽は朝美がフラれるような気がして心が痛くなる。

何故なら朝美は顔こそ普通より少し上だが下品で言葉遣いが汚くそして大口で笑いながら手を叩く等美羽とは真逆の下品な女だった。

そのため男子からはあまり良く思われていなかった。

昼休み、美羽は屋上にいた。

「美羽、元気ないけどどうしたの?」奈美は声をかけた。

「何でもない」

「奈美、人を好きになるってどういう事?」

「え? それは…私も分からない……でも人を好きになることはいいことだと思うし正直に生きれた方が良いと思う。でも私も人の事言えないけど」

美羽は奈美を見る

「奈美は好きな人いるの?」

「……いる」

「いるの。誰?」

「……言えないよ」

「そうだね。言えないか」

「でもお互い頑張ろう」

「うん」

美羽は元気にはなれなかったがしかし奈美に励まされた気分だった。

「何やってんだ」

そこに千がやってきた。

「別になんでもないよ」

美羽は勇気を出して聞いた。

美羽は部屋に戻ろうとすると廊下で大我に遭遇する。

「随分、元気ないようだな」

「色々あってね」

大我は質問した。

「奈美って彼氏とかいるのか?」

「いないけど」

「そうか…なら俺が奈美を手に入れようじゃないか」

「奈美の事好きなの?」

大我は顔を曇らせた。

「…奈美は好きなようでそうでもない。でも好きという感じだ」

「意味分からないよ」

「そういえばさっき修が階段から落ちて保健室に行ったそうだ」

美羽はすぐに保健室に行った。

そこには修だけがいた。

「修、大丈夫?」

「大袈裟だろ」

美羽は安心した。

「何だその紙は?俺宛だが」

「…朝美から

美羽は迷いながらも朝美からの手紙を渡した。

修は手紙を読み理解した。

「朝美は修の事が好きなの。だから私は…」

「美羽、昨日の話の件は?」

美羽が黙っていると修は美羽の腕を掴み手前に引っ張った。

「近いよ…」美羽は美羽は心臓が止まりそうなぐらいに胸が鼓動した。

「俺は美羽の事が誰よりも好きだ。1年の時、俺を先輩から助けてくれた時から美羽のことが好きだった」

「私は……」

美羽は我慢していた気持ちをほどき涙を流す

「私も修の事が好きだった。でもずっと言えなかった」

修は美羽の唇にキスをした。

そして美羽は修と付き合う事になった。

しかしそれはあえて蓮達には言わなかった。

翌日、修は朝美に返事した。

「どうして!正直に言って」

「言いたくないんだがお前、手を叩いて笑ったりするだよ、後、デカいとかなんとかかよ、

なんとかじゃねぇ~よとか言うだよ。俺はそういう下品な女が苦手なんだ」

「そんな」

朝美は泣いて去っていった。

美羽は陰から見ていた。

「俺もそういうことは言いたくなかった。でもあいつの下品さは凄いからそこを直さないと別の男を好きになってもその男に好きになってもらえないと思って」

美羽は複雑だった。

12月になり世間は再びクリスマス時期となった。

鎧が蓮達と別れて歩いて帰っているとそこに一台の車が止まった。

窓が開くと乗っていたのは鎧の父親の勇だった。

「久しぶりだな。鎧」

「父さん…」

「高校生活はどうだ?」

「普通だけど」

「だったら鎧、3年生の4月から新しい高校に入学しなさい」

「嫌だよ、何で転校しないといけないの?」

「本当はもっと金持ちの集まる私立高に行かせたかったがお前の意見を尊重して優ヶ丘高校に行かせてあげたんだ」

「もし高校に転校すれば今よりも良い高校生活を送れるかもしれないぞ」

それを聞いた鎧はある事を思った。

「…この学校にも飽きていたし転校すればもっと良い高校生活を送ることが出来るのか…いいかもね」

鎧は転校を前向きに考え始めた。

「勝手な事を言うがもしそうなると友達ともお別れだな。ちゃんと別れの挨拶をするんだぞ」

そして鎧は車に乗り勇と帰っていった。

翌日、蓮達は美術室にいた。

そこに鎧がやってきた。

「俺今度転校するんだ」

その言葉に蓮達は驚いた。

「家の都合なの?」美羽は聞く。

「この高校にも飽きていたんだよ、だから転校する事に決めたんだ」

鎧は笑顔で言うが蓮達は呆れていた。

「別にお前の勝手だが何も言う気にもならないな」

修はそう言い残し教室から出ていった。

「そうか。それは悲しいものだな」

千は棒読みでそう言い修に続いて教室を出た。

「残念だよ。鎧」奈美は寂しそうだった。

「家の事情とかならまだ仕方ないけど簡単に飽きるほど私達の関係は浅かったんだね」

奈美も珍しく怒りが湧いていた。

「鎧、私達と別れて寂しくないの?」美羽は聞く。

「寂しいけど…」鎧は言葉が詰まる。

「…でも人間変化も大事というじゃないか」

鎧はこれまでの歩みを思い出す。

「……父さんは言っていた。なんでもやってみる方が世界は広がる。だから俺は小学生の頃から何度も引っ越し習い事も何度も変えた」

「それで長く大事に思えるものはあったの?」月美は質問する。

「いやそれは…」

剛はため息をつく。

「自分を強く見せたいの次は変化が大事とかお前は何がしたいんだが」

鎧は思わず黙り込む。

蓮はただ何も言わず聞いていた。

夜、勇は鎧に話した。。

「鎧、お前の転校先は男子校だ」

「男子校!」鎧は凍り付いた。

「いやだ、なんで男子校なんだ」鎧は反論する。

「高校は勉強するところだ、ただ周りが男なだけで対して変わらないだよ」

「いやいやいやそれはないよ父さん」

「女がいない高校なんて俺の人生計画にはないよ」

鎧は納得がいかないようだった。

寝る前、鎧は落ち込みながらベランダでスマホのアルバムを見る。

そこには1年生の文化祭で書いた絵があった。

しかし特に何も感じなかった。

翌日、美術室に行くとそこには月美以外誰もいなかった。

「みんなは?」

「みんな体調不良やオープンキャンパスなどで休んでいるよ」

月美は寂しそうに聞いた。

「みんな鎧に対して呆れていたよ。特に千と修は」

「あいつら以外と俺の事、思ってくれていたんだな」

「だって友達だから」

鎧は思った。

——どんどん自分の周りから人が離れていく

鎧は何故が寂しさを感じた。

「じゃ私帰るね」

月美は教室を出ていった。

月美までいなくなって鎧は切なく感じた。

そしてスマホのアルバムを見るとそこには8人で撮った記念写真が目に入った。

鎧は7人との思い出を振り返る。

出会った事、一緒にお祭りに言った事、文化祭の事、時にシリアスになった事もあったがしかしそれでも一緒にやってきた仲間。

「転校するようだな」

振り返ると大我がいた。

「そうだ。でも望んだ高校に行けないかもしれないから」

「愚かだな。せっかく手に入れた友を簡単に手放すなんで。友なんて簡単そうに見えて実は作るのは難しいというのに」

「それに俺は奈美とクリスマス過ごせないんだからな」

「お前奈美が好きなのか?」鎧は驚いた。

「好きさ。だがお前には関係ない事だ」

大我は去っていった

同時に鎧は気付いた。

「あいつらとは飽きるほど一緒にいたのか…飽きるほどのものでもそれでも俺にとっては大事じゃないのか」

鎧は目が覚めたようだった。

翌日、12月25日のクリスマス、蓮達が屋上にいるとそこに鎧がやってきた。

「転校はやめた」鎧が謝罪する。

「俺は愚かだった。ただ飽きたという理由だけで高校を転校しようとして。でも気付いた。俺はただ今の現状から逃げようとしていただけだと。そんな俺が転校したってまだ同じことを繰り返すだけだ。だから俺は誓う。今、俺はもう可愛い女がいるかもしれないという理由だけで転校はしない。そしてお前たちのことを引き立て役だと思っていたがでももうそう思わない。ごめん。本当にすまなかった」

「あなた私たちのことを引き立て役だと思っていたの」美羽は頭に来ていた。

鎧は思った。

——余計なことを言ってしまった。

「まぁいいじゃないか。今は違うんだし」千が美羽をなだめる。

そして蓮たちは下校し共に帰る。

蓮達が町を歩いていると雪が降ってきた。

「そういえばクリスマスまで後1週間だね」美羽は言う。

「今年もみんなでどっか行くか?」修は全員に聞いた。

ふと鎧は思った。

「俺がご馳走してやるよ」

「いや悪いよ」

「いいよ。俺金持ちだしクリスマスぐらい」

「悪いな。じゃご馳走になろう」

ふと蓮は立ち止まった。

「どうした?」剛は振り返る。

「これも友情というのか?」

「何を言ってるんだよ、早く行くぞ」

蓮は思った。

――高校生活も後半か…それが終われば俺はこの世界からいなくなるのか

蓮は少し寂しく感じた。

朝、蓮が高校に登校するとそこに羽野洋二が校門前にいた。

蓮はあまりの出来事に混乱した。

「これはどういう事だ。いや、時間軸を考えたら辻褄は合う。でもこんな事が」

「どうした蓮?」

そこに剛と奈美がやってきた。

「なんでもないさ」

蓮は考えながらも1人校門の中に入っていった。。

しかし授業中もずっとそれを考えていた。

「まさかそんなことが」蓮は授業に集中できなかった。

昼休み、屋上で蓮はずっと考えていた。

「どうした蓮?」

そこに剛と奈美、美羽、鎧がやって来た。

「何でもない」

「そのようには見えないよ」美羽は心配する。

「大人には立ち入ってほしくない事もあるんだ」

「子供じゃん」鎧は突っ込む。

蓮は過去の事を思い出す。

この世界に来る前、蓮はある会社に勤めており洋二は蓮が勤めていた会社の先輩だった。

洋二は誰にでも優しくて困った時は助けてくれる頼もしい先輩だった。

そして人付き合いを苦手としていた蓮も洋二の事を心から許していた。。

しかしある日、会社で横領が発覚した時、洋二はとんでもない事を話した。

「泉が犯人ですよ、俺見ていました。泉が3000万円横領しているところを」

洋二の言葉に社員達は思わずざわついた。

「ちょっと待って下さい」蓮は戸惑った。

そして警察に捕まり蓮は事情聴取される。

「私はやっていません」蓮は必死に訴える。

しかし警察はあまり信用していなかった。

蓮は何故洋二が自分を仕立て上げたのか理解できなかった。

その後、洋二の口座から多額のお金が振り込まれた形跡から警察が捜査した結果、洋二は逮捕された。

この裏切りがきっかけで蓮は人を心から信用できなくなり元々とはいえさらに人付き合いに対し疑問を感じ始めた。

そんな事を考えながら蓮が自販機に向かうと洋二がいて財布を出した。

それは明らかに剛の財布だった。

「お前、それ剛の財布じゃないか!」蓮は声をかけた。

「いや…これは俺のだよ」

「だったらそのストラップ見せろ」

蓮は剛の財布には名前があると知っていた。

「なんで見せなきゃいけないんだよ」

すると洋二は片手を捕まれた

横には大我がいた。

「俺もこいつが人の財布を奪っていたところを見ていた」

洋二は大我の手をほどき土下座する。

「頼む、見逃してくれ。受験でストレスが溜まっていたんだ」

蓮は同情し思わず考える。

「駄目だ。報告しておく」

「待ってくれ。本当に勘弁してくれ」

「お前の事情など俺は知らない」

蓮は思った。

悪人とはいえ大我は容赦がないと。

その後大我は先生に報告し洋二は先生に呼ばれる事となった。

翌日、蓮は剛に財布を返した。

「ありがとう蓮」剛は喜んだ。

しかし蓮は複雑な気持ちだった。

「でもどうなるんだろうね」美羽は呟いた

「でも犯人もこれで反省して変わってくれるよ」奈美は言う。

「人は簡単に変わらない。気をつけたほうがいいな、ああいうのは、仕返しに来るかもしれないからな」

そう言いながら大我がやってきた。

「なぜそんなに容赦ないんだ?」蓮は聞く。

「甘くしてどうする? ああいうのは恐らくまだやるだろう」

大我は去っていった。

そして数日後、洋二は処分検討中にまだ盗みを働いた。

それにより洋二の退学は確定した。

その報告を聞き蓮はショックを受けていた。

美羽は声をかけようとしたが奈美は止める。

「一体何でだよ」蓮は叫んでしまう。

『言っただろ。人は簡単に変わらないと、いや、変えることは出来ない』

振り返ると大我がいた。

「何しに来た?」千は警戒する。

「報告したのは俺だ。だがこいつが報告していたら隠蔽していた」

「大我君…なんでそんなに好戦的なの?」奈美は聞く。

「…元からの性格だからだ」

大我は去ろうとした。

「蓮、人というのは簡単に変わらない。容赦すれば自分が傷付く」

大我は去っていった。

別世界とはいえせめてこの世界だけでも洋二を救いたいと蓮の思いは届かなかった。

そして気付いた。

例え自分が違う道を歩んでも変わらないものもあると