朝、蓮が高校に登校するとそこに羽野洋二が校門前にいた。

蓮はあまりの出来事に混乱した。

「これはどういう事だ。いや、時間軸を考えたら辻褄は合う。でもこんな事が」

「どうした蓮?」

そこに剛と奈美がやってきた。

「なんでもないさ」

蓮は考えながらも1人校門の中に入っていった。。

しかし授業中もずっとそれを考えていた。

「まさかそんなことが」蓮は授業に集中できなかった。

昼休み、屋上で蓮はずっと考えていた。

「どうした蓮?」

そこに剛と奈美、美羽、鎧がやって来た。

「何でもない」

「そのようには見えないよ」美羽は心配する。

「大人には立ち入ってほしくない事もあるんだ」

「子供じゃん」鎧は突っ込む。

蓮は過去の事を思い出す。

この世界に来る前、蓮はある会社に勤めており洋二は蓮が勤めていた会社の先輩だった。

洋二は誰にでも優しくて困った時は助けてくれる頼もしい先輩だった。

そして人付き合いを苦手としていた蓮も洋二の事を心から許していた。。

しかしある日、会社で横領が発覚した時、洋二はとんでもない事を話した。

「泉が犯人ですよ、俺見ていました。泉が3000万円横領しているところを」

洋二の言葉に社員達は思わずざわついた。

「ちょっと待って下さい」蓮は戸惑った。

そして警察に捕まり蓮は事情聴取される。

「私はやっていません」蓮は必死に訴える。

しかし警察はあまり信用していなかった。

蓮は何故洋二が自分を仕立て上げたのか理解できなかった。

その後、洋二の口座から多額のお金が振り込まれた形跡から警察が捜査した結果、洋二は逮捕された。

この裏切りがきっかけで蓮は人を心から信用できなくなり元々とはいえさらに人付き合いに対し疑問を感じ始めた。

そんな事を考えながら蓮が自販機に向かうと洋二がいて財布を出した。

それは明らかに剛の財布だった。

「お前、それ剛の財布じゃないか!」蓮は声をかけた。

「いや…これは俺のだよ」

「だったらそのストラップ見せろ」

蓮は剛の財布には名前があると知っていた。

「なんで見せなきゃいけないんだよ」

すると洋二は片手を捕まれた

横には大我がいた。

「俺もこいつが人の財布を奪っていたところを見ていた」

洋二は大我の手をほどき土下座する。

「頼む、見逃してくれ。受験でストレスが溜まっていたんだ」

蓮は同情し思わず考える。

「駄目だ。報告しておく」

「待ってくれ。本当に勘弁してくれ」

「お前の事情など俺は知らない」

蓮は思った。

悪人とはいえ大我は容赦がないと。

その後大我は先生に報告し洋二は先生に呼ばれる事となった。

翌日、蓮は剛に財布を返した。

「ありがとう蓮」剛は喜んだ。

しかし蓮は複雑な気持ちだった。

「でもどうなるんだろうね」美羽は呟いた

「でも犯人もこれで反省して変わってくれるよ」奈美は言う。

「人は簡単に変わらない。気をつけたほうがいいな、ああいうのは、仕返しに来るかもしれないからな」

そう言いながら大我がやってきた。

「なぜそんなに容赦ないんだ?」蓮は聞く。

「甘くしてどうする? ああいうのは恐らくまだやるだろう」

大我は去っていった。

そして数日後、洋二は処分検討中にまだ盗みを働いた。

それにより洋二の退学は確定した。

その報告を聞き蓮はショックを受けていた。

美羽は声をかけようとしたが奈美は止める。

「一体何でだよ」蓮は叫んでしまう。

『言っただろ。人は簡単に変わらないと、いや、変えることは出来ない』

振り返ると大我がいた。

「何しに来た?」千は警戒する。

「報告したのは俺だ。だがこいつが報告していたら隠蔽していた」

「大我君…なんでそんなに好戦的なの?」奈美は聞く。

「…元からの性格だからだ」

大我は去ろうとした。

「蓮、人というのは簡単に変わらない。容赦すれば自分が傷付く」

大我は去っていった。

別世界とはいえせめてこの世界だけでも洋二を救いたいと蓮の思いは届かなかった。

そして気付いた。

例え自分が違う道を歩んでも変わらないものもあると