やぁ、ざわえもんです。今回は睡眠のメリットとメカニズムについて①です。まず2018年のポラール・エレクトロという会社が「Polar a370」とスマートウォッチである「Polar M430」という商品に搭載されているオンライン情報を元に、世界中のユーザーの睡眠データを分析したところ、日本人の男女の平均睡眠時間は一晩で約6時間35分で国際標準よりも約45分程低いという事が報告されており、睡眠時間が長い傾向にあるフィンランドの男女の平均睡眠時間よりも約1時間程短いという結果になっています。そして人々の睡眠不足というのは経済損失が大きく、肥満、2型糖尿病、心血管疾患、脳の老化、認知機能の低下、慢性疼痛等の発症リスクを大幅に高めてしまう傾向があります。また、たった一晩夜更かしをするだけでも脳に大きな負荷が掛かり、身体的疾患や精神的疾患の発症リスクを上げてしまうのは言うまでもありません。もしあなたが徹夜をした際に、徹夜によって受けたダメージを回復させようとするならば、徹夜で失った睡眠時間の約2倍多く寝ないと回復しないとされています。つまり約4時間徹夜したら約8時間寝ないと脳が徹夜によって受けたダメージを回復する事は難しいという事です。また睡眠不足の人は周囲の人間からの魅力の評価が落ちてしまいますし、人は慢性的な睡眠不足の状態に陥ると他者に対する関心や信頼感が激減する事が証明されています。要は睡眠不足は人間不信を助長させているのです。またフィンランドの国際的な研究では、自然を0.2秒見るだけでも集中力やストレスが軽減するバイオフィリア効果が発揮されるという報告がありますが、睡眠不足の状態の人はバイオフィリア効果の減少が確認されています。つまり睡眠不足の人は、自然を見たり触れたりする事で得られるメリットが減ってしまうという事です。加えて睡眠不足というのは食欲ホルモンであるグレリンの分泌を促進してしまい、満腹中枢を刺激する時に必要なレプチンというホルモンの分泌を阻害してしまいます。実際に睡眠不足の人の脳を核磁気共鳴画像法で検査すると、食欲に関する脳の領域の活動が活性化しており、食欲を抑制する脳の領域の活動が低下しているというデータもあります。ちなみに、人の食欲というのは基本的にタンパク質の摂取欲求です。つまりもし皆さんが食欲を抑制したいのであれば、タンパク質を全摂取エネルギーの約15%以上摂取するのが効果的という事です。ちなみに何故タンパク質を摂取すると食欲が抑制されるのかと言いますと、タンパク質を摂取すると小腸や十二指腸の粘膜から満腹ホルモンのコレシストキニンというホルモンが分泌される為です。また、タンパク質は肉や魚や卵や豆等の様々な食材に含まれていますが、これらの食材にはもう1つ人体にとって摂取した方が良いホルモンが含まれています。それは幸福ホルモンのセロトニンの原料とされているトリプトファンというホルモンで、必須アミノ酸の1種であり人は自らトリプトファンを生成出来ないので食事から摂取する必要があります。他にもチーズやバナナやヨーグルト等にもトリプトファンは含まれているので、日常的に摂取する事をお勧め致します。また、睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があります。レム睡眠とは簡単に言えば夢を見たりする浅い睡眠状態の事で、ノンレム睡眠とはデルタ波という脳波が出ている深い睡眠状態の事です。ちなみに人間はレム睡眠の状態では必ず夢を見ていますが、殆どの場合は夢の記憶を忘却する人間の脳の機能によって夢を見た事を覚えていません。稀に覚えている事もあるようですが…。そしてオランダのカラオケを使った国際的な実験で、カラオケで恥ずかしい体験をした被験者はレム睡眠状態になると、起床時にカラオケでの苦痛や羞恥心が減少したという報告があります。つまりレム睡眠状態になるとネガティブな記憶を薄めてくれる、又は忘却してくれる作用があるという事です。また、人は深い睡眠状態であるノンレム睡眠状態になると、起床してから恐怖体験やトラブル等に冷静に対処出来る様になるとされており、問題解決能力が大幅に向上します。ちなみにですが、睡眠の状態って基本的に無防備ですよね? しかし自然界で無防備になる事は大変危険ですが、何故進化の過程で睡眠という機能が排除されなかったか皆様は考えた事がありますでしょうか? これは1916年まで時間を戻しますが、オーストリアの首都であるウィーンという都市の精神科病院に極めて稀な症状を持つ患者が訪ねて来たのですが、その患者は頭痛と全身の違和感を覚えた直後に傾眠状態になってしまうという症状を持っていました。傾眠とは簡単に言えば軽い刺激ですぐに起きるがまたすぐに寝てしまう状態です。このウィーンの精神病院に来た極めて稀な症状を持つ少数の人々は、入院してからすぐに亡くなってしまったり、やる気物質のドーパミンの不足が主な原因とされているパーキンソン病等の身体機能に悪影響をもたらす難病を患ってしまいました。この極めて稀な病気は、未知のウィルスによって脳の一部に損傷をもたらした事により発症する疾患で、嗜眠性脳炎(しみんせいのうえん)、又は発見者のコンスタンチン・フォン・エコノモ氏の名前からなぞらえて、エコノモ脳炎と呼ばれています。また、このフォン・エコノモ氏は当時世界中で微かに流行していた嗜眠性脳炎の原因の究明に大きく貢献しましたが、エコノモ氏は睡眠に関する研究も大きく進めた人物でもあり、ドイツの神経科学者であるハンス・ベルガー氏(ドイツ語: Hans Berger, 1873年5月21日-1941年6月1日)が1924年に発見し、1929年に正式に世界中に報告した脳波という存在も組み合わさり、1950年代~1960年代に脳波、眼球運動、心電図、筋電図、呼吸曲線、いびき、動脈血酸素飽和度等の生体活動を検査するという役割を持つ機器が開発されています。それは現在も医療等で使われている睡眠ポリグラフ検査という機器で、1950年代~2000年初期に掛けて睡眠ポリグラフ検査を利用して哺乳類と爬虫類と鳥類を対象とした数々の動物実験が行われ、睡眠の分野の学問は大きく進歩したとされています。ちなみに何故動物実験なのかと言いますと、人にやると倫理的な問題が発生する為であり、仕方なく動物でせざるを得なかったという理由だそうです。実験用の動物には酷な話ですが、現在も我々がある程度豊かに暮らしていけるのは数々の動物の実験の協力があったお陰だという事をお忘れなく、そして感謝しましょう。また、何故当時の科学者達は動物実験の対象を哺乳類と爬虫類と鳥類に限定したのかと言いますと、当時は魚類や昆虫類等には睡眠という概念が無いと推測されていた為です。しかし、スタンフォード大学の学者であるフィリップ・モラン氏は魚類が睡眠をしているという証明をするべく、蛍光睡眠ポリグラフィーという魚類の睡眠状態を検査する機器の開発に成功し、体が透明なゼブラフィッシュを対象にして魚類が睡眠をするという事を証明しています。この結果から、他の生物種や脳を持たない単細胞生物等にも睡眠が存在するのではないかと推測した世界中の科学者達は、様々な動物実験を行っています。そして哺乳類と爬虫類と鳥類と魚類以外の生物に睡眠がある事を証明したのがカリフォルニア工科大学の研究チームで、クラゲというのは当時脳を持たない生物として世界中で認知されていたのですが、カシオペアという種類のクラゲを対象にした実験によると、カシオペアは夜になると活動量が減少し、可哀想ではありますが、カシオペアの睡眠中に軽い刺激を加えて睡眠の妨害をしたところ、カシオペアは起床時から睡眠不足の人間の様に起床以降のパフォーマンスが低下したという事が研究チームによって確認されています。まぁクラゲが夜に活動量が低下したからと言って寝ていると結論付けるのは早計では無いかという指摘を受けそうですが、ここには少しトリックがありまして、このクラゲであるカシオペアに市販の睡眠薬等で使われるメラトニンという成分を摂取させたところ、カシオペアの活動量が低下したという結果になっています。つまりですね、クラゲにもし睡眠という概念が存在しないのであれば、睡眠ホルモンと呼ばれているメラトニンを幾ら投与したところで変化は無い筈なのですが、クラゲがメラトニンを投与された事によって活動量が低下したという事は、純粋にメラトニンを投与された事によってクラゲが眠くなったと考えるのが合理的という事です。またイソギンチャクの仲間であるヒドラという無脊椎動物にも睡眠が存在する事が日本の九州大学の研究で証明されており、脳を持たない生物にも睡眠が存在するという事が脳科学で結論付けられました。ちなみにクラゲやヒドラ等はポリプと呼ばれる若返り状態になる事が出来るので、理論上は永遠に生き続けられるらしいですw まぁつまり、睡眠は脳の為だけに存在している訳ではないという事です。また、睡眠は脳の有害物質の除去や記憶の整理等の役割がありますが、ミバエを対象にした実験では睡眠を妨害されたミバエは全身の代謝機能が低下するという事が確認されていますし、マウスを対象にした実験でも睡眠を妨害されたマウスは腸等の内臓器官に異常が発生したという事が証明されています。更に睡眠の役割は生物種によっても変化してくる為、睡眠の役割は世界共通ではないと最新の科学では考えられています。まぁ哺乳類と爬虫類と鳥類のみに睡眠が存在していると考えられていた時代は、睡眠というのは意識が喪失している気絶の様な状態と推測されていましたが、現代の科学で睡眠というのは環境への反応が極めて鈍い状態と定義されているらしいです。また、地球で最初に誕生した原生生物には目や鼻等の感覚器官が無かったとされており、刺激に無反応であったと推測されています。つまりですね、現在の科学では睡眠が刺激からの反応に極めて鈍い状態と定義されているのであれば、生物というのは本来睡眠状態がデフォルトであり、食事をして栄養を補給する等の生きる為に欠かせない行動をする為に、進化の過程で起きるというプログラムが遺伝子に追加されたと最新の科学では考えられているという訳です。じゃあそう考えると四六時中寝ているニートは生物の本来の姿って事だよなぁ!?喜べニート達よ。あ、俺も今貯金はあるけどニートだったわ( ´_ゝ`) はいw つうことで今回はここまでw 次回に続くお!? 長文ですがご視聴ありがとうございました。