やぁ、ざわです。今回は運動と脳の関係性について⑫の続きですねぇ。先ず最初にオンライン上で公開された過度な運動が持たらすメリット及びデメリットに関するデータを適当に収集しましたのでご紹介します。

・2011年に医学雑誌であるランセットに掲載された台湾の国家衛生研究院が41万6175人を平均8年間追跡した調査によると、毎日15分、ウォーキング等の中程度の運動をする人の死亡率は、普段全く運動しない人よりも14%低く、平均寿命が約3年長い。更に1日90分までは、1日の運動時間が15分増える毎に死亡率が4%ずつ下がると報告。

・アメリカのテキサス州のクーパー研究所所長らが、2019年11月にアメリカ心臓協会へ発表した調査によると、約110万人の女性について日々の運動量と健康状況を9年間調べたところ、4万9113人が心臓病を、1万7822人が脳血管疾患を発症した。これらの病気と運動量の関係を調べたところ、あるレベルまでは運動量が多くなるほど発症のリスクが低くなっていったが、ウォーキングやサイクリング等の運動を毎日欠かさず行う人は、逆に心臓病や脳血管疾患のリスクが高くなったと報告。過ぎたるは猶及ばざるが如しってやつですなぁ。

・British Journal of Sports Medicine誌に掲載された東北大、早稲田大、九州大の研究グループの研究論文によりますと、筋トレの時間が週130~140分を超える人達は、筋トレをやらない人たちより糖尿病以外の疾病リスクが上昇し、死亡リスクも高まり、18歳以上の人の筋トレと疾病・死亡リスクの関係についての国内外の研究論文1252本を集計・整理し、その中から信頼度の高い論文16本を選び分析したところ、筋トレを行うと、やらないよりも、心血管疾患になるリスクが17%、全癌リスクが12%、糖尿病のリスクが17%、死亡リスクが15%下がり、最も疾患の発症リスクが低下した筋トレの時間は、心血管疾患で週60分で18%低下、癌では週30分で9%低下、死亡リスクでは週40分で17%低下したが、筋トレの時間が週130~140分を超えると、やればやるほどリスクが高まるという結果になっています。(しかし糖尿病だけは、週60分でリスクが17%低下した後も、やればやるほどリスクは下がっています)。

・ハーバード大学の研究では、運動量が多い人は、運動量が少ない人に比べて20~30%鬱病等の精神疾患の罹患率が少ないと報告。

・プリンストン大学の研究では運動はストレス耐性を高め、不安を感じにくくすると報告。

まぁこれらのデータは複数のサイトから収集したものなのですが、オーバートレーニング症候群というのもありますし、以前もストレス撃退メソッドという投稿のどれかでご紹介した事があるのですが、世界保健機関のガイドラインでは、キツいと思う程度の運動は週に150分、息が上がり心拍数が早くなる程度の有酸素運動は週に75分程度が望ましいと規定されていますので、それ以上はやらない方が健康的なのかなと個人的に思いますので、過度な運動は控えた方が懸命と言えるよなぁ!? はい、言えますよねw まぁ他にも9歳児達を対象とした調査では、20分運動すると読解力が大幅に上がったというデータがあり、10代の子供達が12分ジョギングをしただけで、読解力と視覚的注意力が向上し、その効果は約1時間以上続いたとの結果になっています。また、10歳児が4分という短時間の運動を一回するだけでも、集中力と注意力が改善するというデータがあり、4~18歳までの子供が運動をするとほぼ全ての認知機能が高まるという事が現代の医学では定説とされており、ワーキングメモリー、集中力、決断力、問題解決能力、読解力、数学的能力、論理的思考能力等も上がるとの事なので、皆さんも運動した方が良いんじゃないかなぁと思いますけどねw まぁ運動が面倒なのは僕も同じですが、それで将来後悔するのは皆さん自身になってしまいますので、合理的な選択をしましょう。え?お前は非合理的な人間ですって? うん、正解w まぁ話を進めると、学力レベルがトップクラスとされているフィンランドが、小学2年生258名を対象に、ストレスに対する抵抗力と身体的な活動量の関連性を調査する為に、9歳児達に歩数計を付ける様に協力を要請し、大人でもストレスを感じる様な時間制限を設けて計算をさせたり、他の子供達の前でプレゼンテーションをする等の一定のストレスが掛かるプロセスをさせたところ、毎日沢山歩いた子供達は、あまり歩かなかった子供達と比べて、ストレスを感じにくく、精神状態も安定し、ストレスホルモンであるコルチゾールの値も有意に低かったという結果になっています。だから将来皆さんも子供が出来たり、既に小さなお子さんがいらっしゃるという方は、塾と何らかのスポーツの習い事をさせるのが子供達の身体的&心理的に望ましい環境ではないかと思いますので、ご参考までに。まぁ僕の周りで横浜国立大学に3ヶ月の準備期間だけで合格した友達がいましたが、そういう人は宇宙人なので、一般的な家庭の子供達には己の力を過信させずに、塵も積もれば山となる精神で地道に親子共々切磋琢磨していってくだちぃ。ちなみに人は才能や能力を褒められるとモチベーションが下がる傾向にありますので、お子さんの才能や能力を褒めるのではなく、努力や過程を褒めて上げてください。まぁ後は僕が独自で調べたデータですと、

・ロードアイランド州プロビデンス、ブラウン大学公衆衛生学部疫学部のリン・シャオチェン氏の2015年6月25日の論文では、1965年1月から2014年3月までにMedline、Embase、Cochrane Centralに掲載された参加者7487人で構成された160件のランダム化対照試験をまとめ、心肺機能と循環バイオマーカーに対する運動介入の効果を評価し分析したところ、運動により、絶対的及び相対的な心肺機能が大幅に向上し、運動グループでは脂質レベルが改善され、トリグリセリドのレベルが低下し、高密度リポタンパク質コレステロールとアポリポタンパク質A1のレベルが増加しました。そして運動グループでは、空腹時インスリン、インスリン抵抗性、及びグリコシル化ヘモグロビンA1cのレベルが低かったと報告。まぁこれらは血糖値と関連した細胞です。またそれらの結果に対して、運動グループでは炎症性サイトカインのインターロイキン18のレベルが一時的に高く、空腹ホルモンのレプチン、血液凝固に必要なフィブリノゲン、血圧を上昇させる為のアンジオテンシン2のレベルが低く、運動効果は年齢、性別、健康状態によって変化し、50歳未満、男性、2型糖尿病、高血圧、脂質異常症、メタボリックシンドロームの患者の方がより効果があると報告。

・南オーストラリア州アデレードの南オーストラリア大学ベン・シン博士氏らの2023年の最新の報告によりますと、2022年1月1日までに発表された適格な研究について、12の電子データベースから検索された97件のレビュー (1,039件の試験と128,119人の参加者) が含まれた複合的データの中の集団には、健康な成人、精神障害のある人、さまざまな慢性疾患を持つ人が含まれており、それらの成人集団におけるうつ病、不安、心理的苦痛の症状に対する身体活動の影響がどの程度の効果があるのかを調査したところ、身体活動は、うつ病に対して中央値=-0.43、IQR=-0.66~-0.27)、不安に対して中央値=-0.42、IQR=-0.66~-0.26)、心理的苦痛に対して効果量-0.60と全体的に中程度以上の効果を示し、いずれも信頼度は95%、統合平均-0.78~-0.42)、まぁこの論文では身体活動による最大の効果は、うつ病、人免疫不全ウイルス、腎臓病のある人、妊娠中および産後の女性、健康な人に確認され、強度の高い身体活動は、症状の大きな改善と関連しており、身体活動介入の有効性は、介入期間が長くなるほど減少したと報告。

運動って凄いねぇ。後はアメリカの研究チームがスポーツを全くせずに、自由時間に座ってばかりいる肥満気味の小学生達を集めて、放課後に運動をさせたという調査によれば、小学生達に自由な身体的活動を伴う遊びを20分間させたところ、特別な学習をしていないにも関わらず算数の試験の得点が上がり、身体的な活動量に比例して試験の得点も増加したそうです。その中でも注目すべきなのが、試験の点数が特に大幅に上がった子供達は40分以上、心拍数が1分間で150回まで上がる様な息がかなり切れる運動をしている傾向にあったとの事です。加えてスポーツを毛嫌いし、いつも周囲から運動をする様に指摘されていた肥満気味の子供達の脳を核磁器共鳴画像法を用いて検査したところ、抽象的思考や集中力、計画立案等の能力を司る前頭前皮質が活発化しており、学習は座学だけではないという事を示唆する結果となっています。まぁそもそも学校は学習するのには余りにもノイズが多いですし、学校は人間関係を構築する為の場所と言った方が適切なのかなと思いますわw ちなみにですが、

・イギリス政府のガイドラインでは、1日に最低でも2時間以上立たないと早死リスクが増加する。

・現代人の座る時間は1日の平均睡眠時間が7.7時間なのに比べて平均で9.3時間。ちなみにウォーキング等の軽い運動をしている平均時間は6.5時間、ランニング等の激しい運動をしている平均時間は0.7時間。

・1日6時間以上座り続ける人は、1日3時間未満の人と比べて15年以内の死亡率が日常的に運動している又はしていないに関わらず40%上がる。

・1980年~2000年の間でアメリカ人の平均運動時間は殆ど変わらなかったが、その間にアメリカ人の座る時間が8%増加しただけで肥満人口が約2倍になった。現在アメリカの約3分の1は肥満とされている。

・1日3時間以上座ってテレビをみている人は心臓病のリスクが64%上がり、例え日常的に運動をしていても肥満のリスクが上がる。

・立つと知能指数が最大で20ポイント上がり、決断力が最大で30%上がり、暗記効率が40%上がり、生産性が12~46%上がり、消費カロリーが15~20%増加する。

・時速3キロメートルで歩きながら作業すると消費カロリーが座った時と比べて約19倍になる。

・立って歩いたりすると、身体的&精神的な疲労感が軽減、睡眠の質の向上、創造性の向上、姿勢の改善、脳への酸素&栄養供給量が増してパフォーマンスが向上、精神の安定、浮腫や懲りや冷え性が改善、眠気解消、筋力と筋持久力の向上、慢性痛の予防&改善。

・座る時間を減らし、立ったり歩いたり走ったりする時間を増やすだけで、実行機能(時間のマネジメント能力、理解力&読解力、思考や情報をまとめる能力)、認知能力(記憶力、言語能力、判断能力、計算能力、遂行能力)、非認知機能(自尊心、自己肯定感、自立心、自制心、自信、協調性、共感力、 思いやり、社交性、道徳性)、これらの能力が向上。

まぁこれらのデータもあり、運動するに越した事がないというのが現在の科学の結論であり、活動量にもよりますが平均で1~数時間程度効果が持続するとされ、運動の一番のポイントはとにかく心拍数を上げる事であり、数多の研究によれば小学校に通う学童期が最も運動の恩恵を得られるとの事です。また、以前にもご紹介した様に、脳は灰白質と白質の2つに分けられ、灰白質は脳の外側の層で、大脳皮質とも呼ばれます。そして灰白質の厚さは数ミリ程度で、実際はピンクに近い色をしており、情報の選別や記憶の保管等を担当し、脳全体の約40%程の割合であるのにも関わらず、灰白質のエネルギー消費量は約90%以上とされており、白質は灰白質の内側にあり、あらゆる情報は白質から各領域に伝えられますが、文字数制限が近いんで今回はここまでw ご視聴ありがとウルノーガ(*´σー`)

参考文献↓

「運動脳」

著者 アンデシュ・ハンセン氏

訳者 御舩 由美子氏

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