やぁ、ざわえもんです。今回はストレスに関するデータを調べてみたのでご参考までに。
・ハーバード大学心理学部のバッサム・クーリー氏らが2668人を対象とした平均19週間の合計29件の研究をまとめて分析したところ、ストレスは不安、うつ病、苦痛、生活の質に中程度の影響があり、燃え尽き症候群には小さな影響があった事が示唆されています。また、本研究によりますと、高レベルのストレスは肉体的及び精神的健康の両方に悪影響を及ぼし、自己免疫疾患、片頭痛、肥満、筋肉の緊張と腰痛、高コレステロール、冠状動脈性心疾患、高血圧、脳卒中、様々な精神障害、慢性疼痛、疲労、癌、心臓病、2型糖尿病、乾癬、不眠症等を併発させる可能性があると報告。(信頼度95%)
・2010年に米国の疾病予防センターが5つの州を対象とした研究では、参加者の約60%が子供の頃に少なくとも1回は早期生活ストレス(Early Life Stress、ELS)を経験したと報告。
・アムステルダム大学児童発達教育研究所のマルティナ・デ・ヴィッテ氏らが、音楽療法に関する実証研究を要約する為に、47件の研究、76件のエフェクトサイズ、2747人の参加者を含む複合的データの分析が実施され、生理学的及び心理的ストレス関連の結果に対する音楽療法の効果の強さを評価したところ、音楽療法とストレス改善の相関係数が0.51~0.94、平均値が0.723という結果になり、ストレス症状の改善に対して全体的に中程度から大規模な効果を示した事が示唆されている。 (信頼度95%)
・マンチェスター大学のAnli Yue Zhou氏らが、医師と研修医の燃え尽き症候群&高ストレスのリスクが高いのは何故なのかという事を調べる為に、24.6~35.7歳までの年齢中央値が29歳の36266人の研修医で構成された48件の複合的データを分析し、男性は総人口の内の52%である18781人、女性は48%の17485人の男女比率となっており、それらの分析から得られた結果としては、研修医は多忙な仕事による燃え尽き症候群&高ストレスを患うオッズ比が2.26~3.59倍の平均で2.84倍という結果になっています。まぁオッズ比とはこの場合ですと、研修医は健常な人と比べて燃え尽き症候群&高ストレスを患う確率が2.26倍~3.59倍高くなるという事を表しています。また、研修医の仕事のパフォーマンスに悪影響を与える確率を表したオッズ比が1.58~3.50倍の平均で2.35倍、劣悪な労働環境になる確率を表したオッズ比が1.57~2.70倍の平均で2.06倍、ワークライフバランスが悪くなる確率を表したオッズ比が1.53~2.44倍の平均で1.93倍、精神的又は身体的健康状態が悪いと認識&報告される確率を表したオッズ比が1.76~3.31倍の平均で2.41倍、経済的不安を感じる確率を表したオッズ比が1.07~1.72倍の平均で1.35倍、自己効力感が低くなる確率を表したオッズ比が1.31~3.46倍の平均2.13倍で、研修医等の仕事は燃え尽き症候群&ストレスのオッズ増加と関連していましたが、年齢の若さとの有意な関連はありませんでした。(どれも信頼度95%) まぁ簡単に言えばオッズ比はそうでない人と比べた場合を表しています。研修医だったら研修医でない健常な人と比較したのがオッズ比です。そう考えると医者とか看護師とかストレスヤバそうですよねぇ。いつもあんがとさん。
・ミラノのミラノビコッカ大学外科及び学際医学部門のフランチェスコ・バルトリ氏らが2013年9月19日にオンライン上に掲載した論文によりますと、心的外傷後ストレス障害を患っている528名と、心的外傷後ストレス障害を患っていない846名を比較したところ、心的外傷後ストレス障害患者はメタボリックシンドロームを患う確率が1.03~1.82倍の平均で1.37倍高くなったという結果になり、研究間の統計的不均一性は低かったと報告している。(信頼度95%)
・2018年のブラジルのボトゥカトゥのパウリスタ大学兼ボトゥカトゥ医科大学看護部のシルヴァーナ・アンドレア・モリーナ・リマ氏らの論文では、MEDLINE (1966年から2016年5月)、Embase (1980年から2016年5月)、LILACS (1982年から2016年5月)、 CENTRAL (1972年から2016年5 月)、これらのデータベースから約8271人の妊婦と1081151人の子供を対象とした8件のコホート研究をまとめて分析したところ、出生前にストレスを受けた妊婦は、そうでない妊婦と比べて低出生体重児が生まれる確率を表したオッズ比が1.19~2.38倍の平均で1.68倍という結果になり、ストレスは胎児に先天的な悪影響を与える確率が高まると報告。
・1999年にカリフォルニア大学健康老化研究所のジャクリーン・M・ゴールディング氏が出版した「家族暴力ジャーナル」という著書に掲載された論文によりますと、過去に親密なパートナーから暴力を受けた経験のある女性の精神疾患の平均有病率は、うつ病に関する18件の研究をまとめた分析の結果では47.6%増加、自殺傾向に関する13件の研究をまとめた分析の結果では17.9%、心的外傷後ストレス障害に関する11件の研究をまとめた分析の結果では63.8%、アルコール乱用に関する10件の研究をまとめた分析の結果では18.5%となり、薬物乱用に関する4つの研究をまとめた分析の結果では8.9%増加となっています。
・2013年6月15日にブラッドリー・V・ワッツ医学博士、ポーラ・P・シュナール博士、ローナ・メイヨ医学博士らが、心的外傷後ストレス障害に対する全ての治療法の有効性を調べる為に、PubMed、MEDLINE、PILOTS、PsycINFOのデータベースで、1980年1月1日から2012年4月1日までに発表された112件の研究から抽出された137件の治療比較で構成された複合的データを分析したところ、認知療法の効果量が1.63、曝露療法1.08、眼球運動の脱感作と再処理が1.01となっています。ちなみに効果量は0.20~0.49が中程度の効果量を表しており、0.50~0.79が大程度の効力量を表しており、0.8以上は特大の効果量を表しています。また心的外傷後ストレス障害に効果的な薬物療法には、抗うつ剤のパロキセチンの効果量が0.74、選択的セロトニン再取り込み阻害薬の一種であるセルトラリンの効果量が0.41、選択的セロトニン再取り込み阻害薬の一種であるフルオキセチンの効果量が0.43、非定型抗精神病薬のリスペリドンの効果量が0.41、抗てんかん薬のトピラマートの効果量が1.20、セロトニン&ノルアドレナリン再取り込み阻害薬に分類される抗うつ薬のベンラファキシンの効果量が0.48となっています。そしてこれらの心理的療法と投薬の両方について、より多くの女性を対象とした研究では効果量が多い傾向にありましたが、より多くの退役軍人を対象とした研究での効果量は少ない傾向にあったそうです。軍人ってストレス凄そうですもんね。いつもお疲れ様です。
・2014年9月3日に栄養学のインストラクターであるXia Wang氏、欧陽氏、Jun Liu氏らが果物と野菜の摂取と、様々な原因による死亡率、心血管疾患、及び癌による死亡率との間の潜在的な用量反応関係を調査し、定量化する為に、Medline、Embase、この2つのデータベースを用いて、果物と野菜の摂取レベル毎に、全死因、心血管疾患、癌による死亡率のリスク推定値を報告するコホート研究であり、データ合成ランダム効果モデルを使用し、4.6年~26年の追跡調査を行った16件のコホート研究をまとめて分析した結果、4833234人の参加者の内の56423人が死亡しています。その内の11512人が心血管疾患、16,817人が癌であり、果物と野菜の摂取量が多いほど、全死因死亡リスクの低下と有意に関連していました。まぁその全死因死亡率のハザード比は、果物と野菜を1日1食分増加すると0.95(95%信頼区間0.92~0.98)、果物で0.94(0.90~0.98)、野菜は0.95(0.92~0.99)。まぁつまり、1日に1食分の野菜を増やすと、全死因死亡率が2~8%減少し、果物は2~10%全死因死亡率を減少させ、野菜は1~8%減少させたという事だお。1日3食の内の1食に野菜を一定量追加しただけでねw
・心理学者のオルト・ウルリッヒ氏らが、過去にトラウマに晒された成人を対象とした39件の研究を対象として、怒りと心的外傷後ストレス障害との関連性、加えて敵意と心的外傷後ストレス障害との関連性の強さに関する複合的データの分析をしたところ、怒りと敵意については効果量に大きな違いはなく、心的外傷後ストレス障害と怒りと敵意を合わせた場合の相関係数は0.48と中程度の関連性があり、冷静な状態の時の心的外傷後ストレス障害との相関係数が0.29、怒りを感じている時の心的外傷後ストレス障害患者との相関係数が0.53、感情のコントロールが出来る状態である場合は心的外傷後ストレス障害と怒りの相関係数は-0.44でした。まぁつまり誰かによってトラウマを植え付けられると、冷静な状態の時と怒りや敵意を感じている状態の時とでトラウマレベルが変化するという事であり、何らかの方法で怒りをコントロールする事が出来ると-0.44と、心的外傷後ストレス障害とは逆相関があるという結果になったという事です。
・2007年にカルガリー大学心理学部のチェルシー R. ウィルネス氏らが、職場でのセクシャルハラスメントのいくつかのマイナスの影響と、状況的要因がこれらの発生を促進するどのような役割を果たし得るかを調査する為に、合計サンプルサイズ約70,000人の回答者を含む41の研究からの複合的データを分析したところ、セクシャルハラスメントの経験は、仕事の満足度の低下、組織へのコミットメントの低下、仕事からの撤退、身体的及び精神的健康の不調、更には心的外傷後ストレス障害の症状等のマイナスの結果と関連していると報告。
・2002年に米国プロビデンス州ミリアム病院のローラ・R・ストラウド氏らが、男性24人、女性26人、平均年齢19.1歳の50人の健康的なボランティアを対象に、達成ストレス条件と拒絶ストレス条件にランダムに割り当て、達成条件には数学的及び口頭でのチャレンジ等が含まれ、拒絶条件には2つの社会的相互作用の課題が含まれており、自己申告による感情と唾液中のコルチゾールは、各ストレスセッション(ベースライン、ストレス、ストレス後の期間)を通して測定されたところ、ストレス要因後の気分評価に性差はありませんでしたが、コルチゾール反応は、条件別、時間相互作用による予測された変化を示し、男性は達成課題に対して顕著に大きなコルチゾール反応を示しましたが、女性は社会的拒絶の課題に対してより大きなコルチゾール反応を示したという結果になっています。まぁつまり、女性は社会的拒絶に対して生理学的なストレス反応を発生させる傾向にあり、男性は達成課題に対してより生理学的なストレスを感じる傾向にあるという事がこの実験では示唆されたという事です。また、研究者のコメントによりますと、拒絶ストレスに対する女性のより高い反応性は、女性の感情障害の割合の増加に寄与している可能性があるとの事です。
まぁこんな感じでストレスに関してはまだまだデータがございますが、今回はこの辺で終わります。ご視聴ありがとウラガンキン。
参考文献↓
Google