おっす、ざわえもんでちゅ。今回は運動と脳の関係性について④の続きっすw まずですね、運動と脳の関係性について重要になってくるのが集中力という存在です。人というのは本来、常に危険を察知する為に簡単に集中出来ない様に進化しています。まぁ現代人の脳は約1万年以上前から殆ど変化していないとされているので、仮にもし周囲にライオンや蛇等の天敵がいるのにも関わらず木の実を取るのに集中していたら大変危険ですよねw ですので昔は1つのタスクに長く集中していたら危険なのですが、現在は周囲にライオンや蛇等の危険は基本的に存在しないので、1つの物事に長く集中すればするほど効率が上がってミスも減り、脳疲労が軽減したり知能指数の低下等を防ぐ事が出来ます。そしてこの集中力と大きく関係しているのが運動です。まぁ言わなくても分かりますよねw そしてこの集中力を測るテストというものがありまして、「エリクセン・フランカー課題」というテストなのですが、モニター上に5つの矢印を表示して真ん中の矢印が左右のどちらを向いているかを瞬時に答えるという内容です。まぁ矢印は2秒毎に切り替わります。
例↓
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要はこの真ん中の矢印の向きが右か左かを瞬時に答えるというテストで、これは選択的注意と呼ばれています。そしてこのテストを使用した研究によると、被験者は一定以上の運動をする事でエリクセンフランカー課題の成績が向上し、選択的注意力と集中力が向上していたという結果になっています。加えて万全の健康状態でエリクセンフランカー課題に取り組んだ被験者も同様に成績が向上したという結果になりました。そしてこのエリクセンフランカー課題をしている被験者の頭に核磁気共鳴画像法の装置を取り付けて脳を観察したところ、健康状態が良好な被験者は注意力や集中力等を司る頭頂葉と前頭葉が活性化する傾向にある事が証明されています。しかし健康状態が良好だからと言って注意力や集中力が必ずしも高くなるという事を結論付けるのはまだ早いので、科学者達は別の実験を行っています。その実験というのが、まず被験者を2つのグループに分け、片方のグループが週に3回を45分ずつトレッドミルでウォーキングをしたグループで、もう一方のグループは体に負荷が掛からない程度のヨガやストレッチを週に3回を45分行ったグループで、それらを被験者達に半年間継続してもらったという実験内容です。そして半年後にエリクセンフランカー課題を被験者達にさせたところ、トレッドミルでウォーキングを続けたグループは頭頂葉と前頭葉の機能が大幅に向上し、注意力や集中力等も大幅に向上したという結果になっており、ヨガやストレッチを続けたグループには同様の効果は確認されていません。つまりウォーキング等の簡単な運動を定期的にするだけでも脳機能が大幅に改善し、注意力や集中力等の認知機能が向上する傾向にあるという事です。そして、この結果を受けて研究者達は何故運動が注意力や集中力等を上げる効果があるのかを推測したところ、運動によって頭頂葉や前頭葉の細胞の繋がりの数が増えた事により、脳が不要な情報を自然とカットする事で神経可塑性が促進されて、環境への対処能力が上がる事が主な要因と考えられています。まぁ例えるなら集中力というのはスポットライトの様なもので、運動によってスポットライトの明るさが上がったと言った方が分かりやすいかと思います。加えて皆さんも1度は聞いた事があるかと思いますが、「注意欠如・多動性障害、Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder、ADHD」という発達障害の一種がありまして、アメリカでは約12%、約600万人以上もの人が注意欠如・多動性障害を患っているという統計もあります。まぁこの注意欠如・多動性障害には代表される3つの特徴がありましてそれは、「注意散漫」、「衝動性」、「多動性」で、もしその3つの特徴があるのならば注意欠如・多動性障害の確率が高いという事です。これらの性質は特に珍しい訳ではなく誰でも持っていいます。それ故にこの注意欠如・多動性障害はグレーゾーンがとても広いです。要はレントゲンや血液検査で診断するのではなく、基本的にチェックリストで診断するのでね。また大豆程の大きさの側坐核という脳の部位がありまして、報酬系と呼ばれるシステムの中枢とされています。まぁ以前から言っている通り報酬系が刺激されるとドーパミンという期待の感情を司るホルモンが分泌され、依存状態が促進されます。つまり何かをやりたくなるというのはドーパミンが大きく関係しており、何故欲望が促進されるのかと言いますと簡単に言えば生存確率を上げる為です。そしてこのドーパミンやアドレナリンやエンドルフィン等の快楽物質が運動をする事によって多く分泌される理由として考えられているのは、約一万年以上前の人類は獲物や住み処を探す為に長時間走り回っていたからだとされています。その習性が今も受け継がれているという訳です。まぁつまりドーパミンというのは欲望を促進するホルモンなので、当然の事ながら全ての欲望は生存する為に存在しています。そしてこの報酬系のシステムですが、ただ欲望を促進するという役割のみがある訳ではなく、今自分がしている行動が続ける価値があるのかどうかを判断して他の脳の各領域に伝達します。つまりですね、簡単に言えばドーパミンの分泌量が低下すると基本的に脳の報酬系が今している行動は続ける価値がないと判断してしまい集中力が急激に低下します。ちなみにこの脳の報酬系ですが先天的に個人差があるとされています。ですので、天才というのは生まれつき脳の報酬系の機能が高い人ではないかと推測されています。こればっかりは運だお~。しかしですね、ドーパミンが分泌されるのはメリットばかりではなく、デメリットも存在します。まずドーパミンが過剰に分泌されると短期的な報酬を優先して長期的な報酬を無視してしまう傾向にあります。つまりドーパミンが分泌されると目先の誘惑に弱くなってしまうというデメリットがあるという事です。そしてこのドーパミンは、ドーパミン受容体という細胞膜の表面に存在している物質に取り込まれると脳が快感を感じます。つまりドーパミン受容体が無いと幾らドーパミンを側坐核が分泌したところで快感を感じる事が出来ないという訳です。そして先程ご紹介した注意欠如・多動性障害の特性を持っている人はドーパミン受容体の数が少ない傾向にあります。まぁこのドーパミンですが、運動をしてから数分後に分泌量が増えて数時間は持続するとされています。ちなみにこのドーパミンの分泌量をコントロールする方法ですが、身体に掛かる負荷が大きい運動ほどドーパミンの分泌量が増え、同様に運動の時間が長くなればなるほどドーパミンの分泌量が増えるとされています。まぁ高強度を長時間するのが理想ですが無理はしないでください。おけですか~。まぁちょっと今回はここまで。ご視聴ありがとうございましたんばりん。