言葉がわかるロボットを作ろうと、イタチたちはカメレオン村へ行きました。
すると、カメレオン村には確かに、カメレオンと会話をしているロボットがいました。
でも、よく聞いていると、そのロボットは、あるきまりに従って話しているだけのようなのです。
例えば・・・
①相手の言うことを繰り返す。
(例)「最近、食欲がないんです。」→「ほう、最近食欲がない、と。」
②もっと話すように促す。
(例)「ほほう、もっと聞かせて下さい。」「具体例を挙げてもらえますか?」など
③相づちを打つ。
(例)「ふむ、それで?」「それは大変ですね。」など
④その他、定型的なやりとりをする。
(例)「最近どう?」→「まあまあだよ。」
「もう、ムカつくんだけど。」→「怒られた~。ぐすん。」
その仕組みが分かったイタチたちは、文句を言います。
「相手が言ったことの中身をちゃんと分かってるわけじゃないし、本当に思っていることを言ってるわけでもない。ああ、だまされた」
それに対するカメレオンの答えがこれ。
「そう言うけど、あんたたち自身はどうなのよ? 会話をするとき、いつも『相手の言ったことの中身をちゃんと分かってる』の? そして、いつも『本当に思っていること』を話してるの? 適当に相づち打ったり、適当なことを言ったりしないわけ?」
身につまされます。
ロボットを「機械的」というけれど、自分たちもまるで機械のようになってしまっていないか─。
では、ロボットではない、人間らしい会話とは、どんな会話か。
それは、また次回、考えてみましょう。