今日は、

子どもの学力向上を望むなら、

まずは子どもの共同体感覚を

発達させることを目指す、

について書きました。

 

目次

・まず第一に子どもの共同体感覚の発達に着手する

・アドラーの学校教育

・教師に、人類の未来がかかっている

 

■まず第一に子どもの共同体感覚の発達に着手する

アルフレッド・アドラーは、

子どもが学校の教科で成功するかどうかは、

第一に子どもの共同体感覚に依存することは

疑う余地もない、と指摘しています。

 

子どもの共同体感覚は横に置いておいて、

形式的に子どもの学習時間を決めたり、

家庭教師をつけたり、塾に通わせたりは、

手段が目的になっている状況となります。

 

子どもの学力向上のために

まず第一に着手すべきは、

子どもの共同体感覚を発達させること

とアドラーは説明しているわけです。

 

共同体感覚が発達すれば、

子どもは何のために勉強が必要なのかを

自力で見出し、自然と学力向上を目指す、

としているのです。

 

共同体感覚が発達する、ということは、

社会適応能力が高まることであり、

社会的に有用な人へと向かうことだからです。

 

もちろん、

共同体感覚の発達について、と、

学力をどのように向上させていくか、

については教師や親の援助が重要となります。

 

教師や親自身に共同体感覚の不足があれば、

同時に教師や親自身の共同体感覚の

発達についても取り組むことで、

子どもへの援助の質を向上していけます。

 

教師や親自身の共同体感覚の発達が

自力で難しい場合には、

訓練されたカウンセラー(回復)や

メンタルコーチ(変革)などの

専門家の手を借りることで

実現が簡単になります。

 

■アドラーの学校教育

アドラーは学校のことを、

共同生活の中で共同体感覚を

発達させるためのふさわしい場所

としています。

 

それは、当時アドラーが、

教師が問題のある子どもへの正しい教育を

見つけることができるよう援助するために、

個人心理学(アドラー心理学)の

教育相談所の設立を決心したほどですから、

どれほど学校教育を重要視していたのか、

その重要さを感じます。

 

アドラーは、

共同生活である学校生活において

次のようなことが身に着く、と

指摘しています。

 

「友情、仲間との関係についての問題、

(中略)

その問題解決に必要な特性である、

信頼、誠実、協力傾向、さらには、

国家、民族、人類への関心」

 

そこでの教師の役割は、

子どもにただ情報を叩きこんだりして

子どもが学校と敵対的に

なりやすくすることではありません。

 

子どもと友好的に話し合い、

共同体感覚が欠けている部分を見つけ、

それを子どもに教え、

どのようにすれば共同体感覚が発達するように

改善できるかを子どもに理解できるように

説明して発達を援助することです。

 

そうすることで子どもは自然と

なぜ学力向上が必要なのか

との問いに明解な答えを見出すことができ、

自然と学力向上を目指すのです。

 

それは例えば、

将来なりたい職業が決まっている子どもは

それについて関心を持つため、

それについての情報を提供すると

喜ぶような感じです。

 

逆に、

将来なりたい職業が決まっていない子どもは

どんな情報を提供すればよいか

わからないばかりでなく、

「これが大切だよ」と情報を提供しても

子どもが必要を感じていないため

喜ぶこともない感じです。

 

なお、職業とは、

共同体への貢献の手段のことです。

 

子どもは、共同体感覚が発達していれば、

自分はどの共同体に貢献したくて、

その貢献はどのような手段でしたいのか、

については自然と考えるのです。

 

もちろん、年齢を重ねて、

情報や経験が増えてから、

なりたい職業が変わることも

よくあることなので、

そこで周りの大人が

前と違うじゃないか」と

個人的利益の追求にはしると

子どもに負担をかけるだけなので、

子どもの更新された職業における

新しい目的の共有に

努めることがよいでしょう。

 

なお、

お金を稼ぐのは職業の目的ではなく

資金調達の目的なので、

混同すると子どもは職業とお金を

結びつけて考えるようになりがちなので

注意したいところです。

 

■教師に、人類の未来がかかっている

アドラーは、

教師が子どもと話し合うことで

子どもの共同体感覚の強化をすることに

人類の未来がかかっている

と言っています。

 

それは、

共同体感覚を発達させずに

個人的利益を実現させる方法、

すなわち、

不適切な方法で課題を解決する

有害な試みを子どもに確信させる

ことができるから、です。

 

確実に「よくない」とわかっていれば

積極的に選ぶようなことはしないのです。

 

アドラーのいう、

その”不適切な方法”や

”有害な試み”とは、

次のようなことです。

 

・戦争

・死刑

・人種間、民族間の憎悪

・神経症

・自殺

・犯罪

・酩酊

 

酩酊とは、

薬や酒の中毒になることと

考えられます。

 

これらのいずれもが

共同体感覚によらない方法、

すなわち他者貢献をせずに

個人的利益を実現させようとする行為

であり、これをアドラーは、

われわれの人生における大きな誤り

としています。

 

保育園や幼稚園から始まる

学校での共同生活の中で

共同体感覚を発達させることで、

子どもたちにこれらが

”大きな誤り”であること

確信させることができるのです。

 

確信させることができれば、

われわれ人類の中に起きる

”大きな誤り”をなくしていけると

信じているのです。

 

その鍵が、教師である、と

アドラーは言っているのです。

 

もちろん、

親による家庭教育も重要です。

 

家庭と学校の教育を両輪として

適切に回すことによって

子どもは共同体感覚を発達させ、

それが国家、民族、人類、

さらには地球、宇宙への関心となり、

それらに有用な人となるべく

必要なことについて知識や技術を

習得していこうとすることにつながるのです。

 

その知識や技術の習得のひとつが、

学校生活においては

学力向上となるわけです。

 

 

 

 

 

お読みいただき、

ありがとうございます。

 

プロコーチ11年目、常楽でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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