今日は、
アドラーが指摘している
知能検査(テスト)について
書きました。

結論から言えば、
知能検査よりも
アドラー心理学の方が
感じるしあわせを増やすのに
役に立つ、ということです。

目次
・手段と目的
・至るまでのいきさつが違うだけ
・教育を成功させるために


■手段と目的

アルフレッド・アドラー
知能検査(以下「テスト」という)
について言及しており、
それは「失敗している」と
説明しています。

なぜなら、
テストでよい成績を
残した子どもたちが、
後の教育において
よく失敗したからです。

アドラーのいう教育とは
他者への関心」を養うことで、
その結果に、共同体感覚が
高まっていくものです。

つまり、
テストの成績がよい成績をとることと、
「他者への関心」が高まることは、
直接関係しないのです。

感じるしあわせを増やすなら、
テストの好成績を望むことより、
共同体感覚を高めることの方が
役に立つのです。

なお、
共同体感覚とは、端的にいえば、
自分の居場所がある感覚です。

これが高ければ高いほど
感じるしあわせが多くなります。

そして、
共同体感覚を高めるには
他者への関心」を使って
他者貢献活動をして
客観的貢献感を得ることです。

テストでよい成績をとる力は、
その他者貢献活動で役に立ちます。

これを知らずに
テストでよい成績とることを
目的にしてしまうと、
手段が目的となってる状況」となって
感じるしあわせが増えないことに
苦労を感じるようになりがちです。

■至るまでのいきさつが違うだけ

アドラーは、
知能検査、すなわちテストに
反対する立場です。

人の判断能力を「知能」とし、
それを確かめる方法として
テストがあります。

アドラーによれば
実験心理学者によって
テストは「ある程度余計なもの」と
明らかにされたそうです。
(「ある程度」とはなんだか微妙ですね)

また、
もうひとつの理由として、
テストの結果が悪かった子どもが
その後に知能が伸びて
よい成績をとることもあることを
あげています。

アドラーは、その要因として、
テストに至るまでのいきさつがある
と指摘しています。

テストに向けて訓練された子どもと
訓練されていない子どもでは
当然のように差が出ます。

訓練された子どもは
よい成績であり、
訓練されていない子どもは
よい成績ではないのです。

また、
裕福な家庭の子どもは
貧しい家庭の子どもより
テストでよい成績をとれると
していますが、

これは、
テストの点数が高い方が
知能が高いわけではない、と
アドラーは指摘しています。

テストに至るまでのいきさつ、
すなわち、
裕福な家庭の方が
訓練しやすい

という違いがあるだけだ、
というわけです。

他にも
大都市の子どもの方が
訓練しやすかったり、
特定の集団(塾や家庭教師その他)に
属している子どもの方が
訓練しやすかったりすると
アドラーは指摘しています。

■教育を成功させるために

アドラーが知能検査、
すなわちテストが失敗していると
言っているのは、
子どもの社会適応能力が高まる、
という結果を出せていないこと

指摘していると思われます。

テストのすべてが無駄
というわけではなくて、
目的が社会適応能力の向上と
なっていない、ということを
言っているのでしょう。

一方で、アドラー
個人心理学(アドラー心理学)が
成功している、と言っているのは、
子どもの社会適応能力の向上が
結果として見られていることを
指摘しているのだと思われます。

社会適応能力は、
共同体感覚が高まることで
向上するものです。

他者貢献の活動をして、
その相手に喜ばれたり、
感謝を示されたりすることで
役に立ったことが客観的にわかると
そこに自分の居場所がある感覚を
感じられます。

これが共同体感覚が高まる、
ということです。

その他者貢献の活動に必須なのが
他者への関心」であり、
それを使って他者の関心事を
知ることです。

相手が今何に
興味を持っているのかがわかれば、
その相手の役に立つことが
簡単になるからです。

その「他者への関心」は
テストでは育たない、
ということです


ゆえに、
子どもでも大人でも、
教育するならテストは手段であり、
目的は共同体感覚を高めることと
認識した上で取り掛かることで、
その教育は成功しやすくなります。





お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ10年目、常楽でした。



・関連記事リンク

親に愛されずに育った子どもの困難

大人がする、子どもの教育の失敗

子が服従しないと嘆く親 ~不適切な教育をしないために知っておくと役に立つこと

「遺伝的欠点」とは教育者の言い訳

厳しい教育には二重の害がある

「叱る親」をやめるときに出会う試練

アドラーの学校教育






















ACE COACHING's Services here