■二重の害

厳しい教育には二重の害があります。

アルフレッド・アドラーは
そのことについて
「いくら強調しても
し過ぎることはないことだ」

と言っています。

その二重の害とは
・信頼関係が崩壊する
・自己決定性の侵害

この2つです。

厳しい教育は
「おしつけ」なので
教育を受ける側は
されてもうれしくありません。

いくら正しいことを「おしつけ」しても
信頼関係は構築されず
険悪な関係にしかなっていきません。

厳しい教育を受ける側は
どうしたら厳しい教育をする人から
離れることができるか、ばかりを
考えるようになるでしょう。

これは共同体感覚を低下させる
要素ばかりです。

共同体感覚を高めるのは
・自己受容
・他者信頼
・他者貢献

の3つをすることですが、
厳しい教育の中ではそれができません。

・厳しい教育を受けてる自分はNG
(自分を自分で守れない)
→自己受容できず、
本音と建て前に分裂する。

・相手は自分の敵
(自分の課題を奪う人を
自分の仲間と扱うのは困難)
→他者信頼できず、対人関係は
対等な関係でなく上下関係ばかりが
刷り込まれる。

・自己犠牲すると相手に貢献できる
(その貢献はすればするほど悲しくなる)
→他者貢献をすればするほど
自分がすり減る状況なので、
次第に厳しい教育をする人に
貢献することが苦しくなる。

■相手の役に立つ教育

アルフレッド・アドラーは
相手の役に立つ教育には
「自由」と「自治」が
あると言っています。

「自由」とは
自己決定性、つまり自分のことは
自分で決めていることが自然であり、
その自然な状況下では主体的に行動できる。
すなわち、自由である、ということです。

「自治」とは
決定した結果の責任は
本人が持つことです。

その結果に、
うまくいかないこともあれば
うまくいくこともある。

そうして相手自身の責任で
成功までの道を自力で歩くことで
自信を感じられるようになったとき
はじめて教育は役割を果たす、
というわけです。

教育する行為自体に
優越感を感じていたら
それは厳しい教育になっている
可能性が高いです。

教育の相手が
自信を感じたときに
優越感を感じていたら
それは相手に役立つ教育を
している可能性が高いです。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ9年目、常楽でした。




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