■親の呪縛へのとらわれ

親の呪縛にとらわれてしまって
自分らしくない生き方を
ついつい選んでしまう状況。

もし今そうなっているとしたら、
その可能性として
ふたつのことを確認してみます。

・親に見捨てられてはいけない
・親を見捨ててはいけない


このどちらか一つにでも
強いこだわりがあると
親の意図によらず
親の呪縛にとらわれて
しまっている状況になりがちです


つまり、
親を支配者として
自分が親に支配される関係に
なりがち、ということです。

なぜなら、
・親に見捨てられてはいけない
については、
見捨てられると自分が
生きていけなくなると
信じているからです。

死なずに、生き伸びていくためには、
親に見捨てられないようにせねばならない

と自分で自分を縛っている感じです。

また、
・親を見捨ててはいけない
については、
親を見捨てる人は
社会的に生き残れない、
それはすなわち、
他者によく見られない、
さらには、
自分は他者に悪人だと見られる、
と信じています。

社会的に生き延びるためには
親を見捨てた人になっては
いけない
と信じているのです。

どちらの可能性も
自分の命にかかわることなので
生存本能の危険回避機能も加担して
命の危険を回避させようと
強力に「怖れ」の感情を感じさせます。

「怖れ」を感じると
親がどんなに嫌であっても
親と離れてはいけないと
信じる他に道がないと
見えてしまうのです。

それは”生存欲”であり
食欲や睡眠欲のように
強い意志を持ったとしても
抑えきれないものです。

■可能性の検証の試み

可能性は
可能性のままにしておくと
その可能性が現実のものとなった場合に
何が起きるのかがわかりません。

その不確定要素
さらなる怖れを呼びます。

何が起きるのかわからない中で
実際に可能性を実現させたみて、
もし、ひどいことが起きるとしたら、
「だったら何もしない方がマシ」と
信じたくなってしまいます


可能性を
可能性のままにしておくことが、
”生きることに重要なこと”
該当しないことならば
そのままにしておいても
大きな問題とはなりません。

しかし、
親の呪縛のとらわれる、という
”生きることに重要なこと”
該当することであれば
そのままにしておくと
大きな問題となります。

それは、
可能性のまま抱え続けている限り
親の呪縛に囚われ続ける、
ということです。

何をするにしても
親の影響を受けてしまう、
ということです。

だから可能性を
現実のものとしてみて
どうなるかを体験すれば
自分にどんな影響があるのかが
わかるのですが、

幼い頃から形成されてきた信念
突然変えることは、
その反動として何が起きるか予想がつかず、
することに強い怖れを感じます。

例えば、
ずっと密閉容器の中に
ため込み続けていると
やがて中はすごい圧力となります。

それを突然に開放したら
すごい勢いで中身が
飛び出してきたりして
操作不能になってしまいます。

そんな事態は避けたいものです。

そこで、
不要な危険を冒すことなく
安全を確保しながら
可能性を実現した場合に
何が起きるかを確認する方法が
役に立ちます


それは、
「体感だけ」をすることです。

■「体験だけ」をする

今、親に見捨てられたら
本当に自分は死んでしまうのか。

今、親に見捨てられたら
自分はその後、どんな行動をとるのか。

今、親に見捨てられたとして、
一年後は自分はどうしているのか。


これらを頭で思考するのではなく
実際にそれが起きた場に
自分の身を置いてみて感じてみます


これが「体験だけ」をする
ということです。

また、
親を見捨てる方についても
同様に「体験だけ」をしてみます。

具体的に「親を見捨てる」とは
何をすることなのか。

今、その「親を見捨てる」をしたら
自分は他者に悪人と見られるのか。

見るとしたら
その他者とは誰のことか。


その他者の立場に
自分の身を置いてみて、
そこから親を見捨てた自分を見ます。

見たときに何を感じるのかを
詳細に観察して、言語化してみます。

さらには、
その他者にそう見られたら
自分は何を感じるのかも
体感してみます。

やがて、
そこで何が起きているのか、が
具体的に見えてきます。

通常、これは
一人では難しいので、
メンタルコーチの支援を
使いながら行います。


おそらく、
親に見捨てられると
自分は本当に生きていけないのか、
については、
「いいえ」、すなわち、生きていける
が答えになるでしょう。

今の水準の生活はできなくなっても
死ぬことはなく、
生きていけないことはない、と
見えてくるはずです。

その「今の水準の生活」に
意外とこだわっている自分に
気づくかもしれません。

また、親を見捨てる方でも
自分が見捨てたくらいでは
自分を悪人だと見る人も
いるかもしれないが、
そんな人ばかりではない
ということも見えてくるはずです。

そうして心の活動をしていると、
親の呪縛にとらわれている、とは、
正確には、
親の呪縛にとらわれるという
選択を自分でしている

ということが見えてきます。

つまり、
不可抗力のように
親の呪縛を受けている状況、
ではなく、
親の呪縛を受けるか受けないかを
選べる自分が見えてくるわけです


このあたりまでくると
親の呪縛へのとらわれも
ずいぶんと軽くなってきます。

そうして今までの
親との関係を
一旦解消することも
できるようになります。

一旦解消したら
改めて今の自分は
親とどんな形で
つながり直したいのか

選びます。

ほとんどの場合、これは、
対等な関係、となります。

そのつながり直したい関係に
向かうことが、
今後の親との関係においての
当面の目標となります。

そのために
今の自分にできることを
見つけていって、
現実的なものを選び、
自分なりに行っていくことで
理想の状況へと近づいていきます

その取り組みは、
すればするほど
”選べる自分”との自信
感じさせてくれます。








お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ10年目、常楽でした。




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