劣等感を感じると
人は「今の自分は悪い状況だ」と
感じがちです。

だから少しでもよくして
生き延びられる可能性を
高めたくなる力がはたらき、
行動を起こします。

これを反射的にしてしまうと
「相手より自分優先」に
なりがちです。

そんな行動を
外から見てると
「自分のことしか考えてない人」
に見えるわけです。



出発点を
「今の自分は悪い状況だ」
にしてしまうと
「とにかく何でもいいから改善したい」
となってしまって
「相手より自分優先」
になりやすくなります。

他人のことまで考えてる余裕
なんてない状況です。

自分が生きるか死ぬか
切羽詰まった状況では
自分のことを考えるだけで
精一杯です。

そんな状況の中で
「自分より相手優先」を
するなんて、恐ろしいです。

なぜなら
今のままでは
自分の生存可能性が
高まらないのに、

ましてや他人の生存可能性を
どうこうしようだなんて
「死」に向かって進むことだ、と
感じるからです。

そうならないために
何が何でも
他人が犠牲になろうが
どうなろうが構わず
自分の生存可能性を
高めようと必死になるわけです。

現状をこんなにも
切羽詰まった状況だと認識すると
劣等感に振り回され続けることに
なります。

劣等感によって
「相手より自分優先」に動くので
共同体感覚、つまり
自分の居場所がある感覚が
高まることはありません。

共同体感覚が高まると
劣等感があっても
冷静に対処しやすくなりますが、
共同体感覚が高まらないと
劣等感に対処しにくいままです。

そうして
劣等感が劣等感を呼ぶ、
みたいな循環となり
いくらがんばっても
がんばってもがんばっても
楽にならない状況が続くわけです。



劣等感に振り回されないためには
劣等感を感じたときに
「自分は劣等感を感じている」と
認識することです。

お化け屋敷が怖いのは
次に何が起きるかわからないからです。

でも屋敷内を明るくして
どこにどんな仕掛けがあるのかを
見て回るときは怖くありません。

次に何が起きるかわかるからです。

足下に不注意で
つまづいたりはするかもしれませんが。
でも歩き回るのに
その程度は大きな問題には
ならないでしょう。

劣等感に振り回されているときは
自分が劣等感に振り回されているとは
思っていない状況です。

劣等感を感じると
生存可能性を高めたくなるので
社会との調和を無視すれば
「相手より自分優先」の方が
簡単なのでそちらへ進みます。

でも今自分が
劣等感を感じているとわかれば
不安の正体がわかっている分、
冷静でいられます。

社会との調和、
つまり対人関係にも配慮できます。

自分が飢餓状態で
目の前をお米を持ってる子供が
歩いていたら
その子から米を奪えば
簡単に飢餓状態を抜けて
生存可能性を高められます。

でも今自分は劣等感を感じている、
とわかればその子から奪うことは
しないでしょう。

その子との対話によって
食料をどうやって手に入れたのか等の
情報を手に入れたり、
持ってる米を分けてもらうことも
売ってくれないかと交渉することも
できます。

「自分より相手優先」な行動が
できるようになるわけです。

ちなみに
「自分より相手優先」な例示として
・ころさず
・ぬすまず(奪わず)
・みだれず
・だまさず
・のまれず
をおぼえておくと参考になります。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ9年目、常楽でした。


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