以前に、KATO製115系1000番台(湘南色)を加工して、JR東海仕様の3両編成を作りました。その際(2016年12月)に、数点の課題を残したまま現在に至っています。この課題を解決できる材料が揃ってきましたので、久々に加工することにしました。

 

以前に加工を終えた状態のJR東海仕様の115系1000番台の姿

 

残っている数点の課題の中でも、最も手間の掛かる「パンタグラフの変更:PS16B→PS23化」を行います。

加工に使用した製品のパンタグラフはPS16A(取付穴が線路方向)で、PS16B(取付穴が枕木方向)に交換した際に、市販パーツのパンタ置台を新設しています。

 

パンタグラフにPS16Bを搭載した姿です。パンタ置台は本来1段タイプであるところ、手持ちの2段タイプを使用したため、パンタグラフが屋根から高く持ち上がっています。一方、実車は、狭小トンネル対応の折り畳み高さの低いPS23を搭載しており、実感が著しく損なわれた状態です。

 

PS16Bを搭載した当該モハ114-1000番台(左)と、PS23(改良形)を搭載したモハ114-300番台(右)を比べるてみると、その差は歴然です。

 

パンタ置台の形状を比較してみます。元からPS16B搭載の製品(左),PS16AをPS16Bに置換えた加工中の当該品(中央),元からPS23搭載の製品(右)です。加工中の当該品のパンタ置台の高さが、他製品に比べて高いのが明確です。

 

パンタ置台はホワイトメタル製で、高さを低くするためにヤスリで削ることにしました。周辺を傷付けないよう、マスキングテープで養生してから平ヤスリで一気に削ります。

 

元からPS16B搭載の製品(左)のパンタ置台と、ほぼ同じ高さ(約0.5mm)まで削りました。

 

共にPS16Bを搭載しており、左側がパンタ置台を削った当該車両です。パンタグラフを折りたたんだ状態で、高さの差はなくなりました。

 

パンタグラフを上昇させても違和感は無くなりました。パンタ置台の高さ問題が解消したので、究極のPS23への交換が出来そうです。

 

パンタグラフのPS23には、モハ114-300番台用のASSYパーツ(品番74014-1F)を使用します。なお、201系用のPS23もASSYパーツ(品番4316F)にありますが、加工初期に装着したものの一回り小振りなため、見た目が不釣り合いで使用を断念した経緯があります。(→こちら

 

パンタ置台を低く加工してPS16Bを搭載した当該品(左)と、PS23を搭載したモハ114-300番台(右)を見比べると、PS23の下部が隙間なく屋根に接しています。パンタグラフ自体の構造が異なっているからです。

 

右側のPS23搭載車の屋根板には、パンタグラフ下部の構造物を回避するために溝が掘ってあります。加工該当車両にPS23を搭載するには、屋根板に溝を追加する必要があります。

 

溝の穴開け位置は、パンタグラフの中心に幅2mm・長さ8mmになりますが、避雷器側から2mm~3mmの箇所のみ幅が2.5mmに広がります。溝の深さは、0.8mm位必要なので切り抜いてしまいます。

 

溝は少しオーバーサイズになりましたが出来ました。パンタ置台の穴に、パンタグラフの碍子部分の4本の脚(φ0.6mm)を挿し込んでパンタグラフを装着しますが、パンタ置台に私が開けた穴位置(7.5mm×9mm)の精度が悪く、φ0.8mmに穴を広げた上でパンタグラフが無理なく装着できるまで、精密ヤスリで穴径を補正しました。

 

屋根板は最後の仕上げが残っていますが、出来映えは良好です。ようやく念願のPS23の搭載が出来ました。これ以外の課題も近い内に処理したいと思います。

 

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